東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   X/Twitter→〔X/Twitter/gms02〕

決戦大魔王

忍者戦隊カクレンジャー』感想・第43-44話

◆第43話「三神将最期の日」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:杉村升
 ダラダラにエネルギーを吸収されそうになった三神将は、内部のカクレンジャーごと緊急退避して難を逃れるが、その代償として街ではダラダラマンが暴れ回り、大破壊を引き起こすと早めの撤収。
 大魔王が早々に破壊活動を切り上げたのは、街の被害が広がると三神将がニンジャマンを切り捨てるだろう事を察しているから、と三神将から説明されるのですが、事象としては「(事情はどうあれ)尻尾を巻いて逃げ出したら街が破壊の炎に包まれた」を「次に会ったらぶちのめす」にすり替えている遠吠えタイム以外のなにものでもなく、人はそれを詭弁と呼ぶのでは。
 ニンジャマンに対する情を見せたとはいえますが、「街を守る」か「ニンジャマンの命」か、ではなく、「街が壊された」後になって「次はニンジャマンを諦める」と言い出すので、葛藤と選択のタイミングが、変。
 その葛藤が、カクレンジャーではなく三神将に与えられている時点で変といえば変ですが、やはり今作、〔超越存在と人間メンバーを合わせてカクレンジャー〕の意識があるようなのですが、その割には超越存在にこれといった愛嬌を与えていないので、葛藤の焦点を当てても一体感を持って受け止めづらいのが、空回りになっています。
 ニンジャマンを見捨てるわけにはいかない、と言うカクレンジャーカクレンジャーで、勿論なんの作戦も無いので三神将の援助頼りになる姿は実に情けなく、三神将がなんの劇的さもなく白面郎のスパイ行為をばらすと、その指示で白面郎探しに向かう、典型的なヒーローが主体性を失うパターン。
 これも上述のように、超越存在までをカクレンジャーに含めれば、一心同体的な行為といえるのでしょうが(「文字通り、俺の手足となったな!」)、個人的にはどうも、そう受け止めにくいところです。
 「正義を貫くというのは残酷な事だな、ニンジャマン
 「へっ、さすが師匠だぜ! 平和の為なら、俺の命なんか、貴様らにくれてやらぁ!」
 妖怪サイドでは、三神将がカクレンジャーにしたのと同様の説明をニンジャマンに行った大魔王様が、それを踏まえた上で、作戦の第二段階を宣言。
 もう全然、妖怪サイドの軍師であると偽装する素振りの見えない白面郎はダラダラの弱点を探ろうとするが、その露骨に怪しい動きを、背後から大魔王様が見てた。
 猫丸を走らせるカクレンジャーはブンの案内で白面郎との接触を図るが、サスケはくノ一組の気配に気付き、焦る鶴姫が「私」を剥き出しにする一方で、りんどう湖ファミリー牧場で昆虫魂を注入されたサスケが冷静にそれを制止する姿が実に味気なく、サスケが内なる「私」との葛藤ゼロ、実は限りなく薄かった「私」を探す事も無いままに、「公」の精神に飲み込まれたヒーローになってしまったのは、やはりルート選択のミスだった気がしてなりません。
 カクレンジャーに情報を流そうとしていた白面郎は、くノ一組の手前、カクレンジャーに襲いかかる……かと思ったら、完全にくノ一組に敵対する構えで剣を向けるとカクレンジャーと一緒になって走り出し、な、なんの為に一回斬りかかったのお父様?!
 「親子の愛情を餌にすれば、カクレンジャーなど簡単に一網打尽にできる。しかしこうもうまくいくとは思わなかったぞ白面郎。ふふふふふふふ……」
 そこに大魔王が出現すると、白面郎をここまで泳がせていたのは三神将打破の計略の内であり、自分の目は節穴ではない、事を強く主張するのですが、白面郎が鶴姫への愛情に苦悶する姿など一つも描かれていませんでしたし、カクレンサイドはカクレンサイドで、男衆は気を遣ってはいるものの、実質鶴姫が暴走しているだけなので、「親子の愛情」「一網打尽」と言われても、何もかもが雑。
 描かなくてもわかる部分はあるにしても、もう少し丁寧な段取りで盛り上げてほしいところです。
 「大魔王ーーッ!」
 「おーろかものぉ!!」
 大魔王に斬りかかる白面郎だが、大魔王光線で弾け飛び、しかしその寸前、木彫りの鶴を宙に放つ。
 「お父様!」
 「おのれ大魔王!」
 怒りのカクレンジャーは変化しようとするが、事前に張られていた結界により一切の忍法が使えないまま、次々と敗北。サスケはひとり海ダイブで生死不明となり、くノ一組、メットオフ仕様なの……?!(まあ、なんだかんだここまで登場したので、顔出しシーンを増やそうという現場のサービス的なものかとは思われますが)
 あえなく捕まった鶴姫ら4人から忍者のパワーを吸収したダラダラは、再び巨大化すると街を襲撃し、クリスマスを前に景気よく木っ葉微塵に吹き飛んでいくオフィス街。
 「やめて! あたしが、あたしがお父様に会いたくて無茶をしたからこんな事に……」
 鶴姫の悲痛な叫びがこだまする中、ダラダラは街に猛毒のヘドロをばらまき、人々の苦しむ声を捨て置けず、とうとう地上に顕現する心技体(その設定、忘れてた……!)。
 主要メンバー4人が捕まった状態で、どちらの犠牲を選ぶのか、巨大ロボの葛藤に焦点が当たるのは恐らく前代未聞の展開ですが、三神将に愛嬌を与えているわけでもなければ愛着を持たせるような話の作りにもなっていないので、当惑が先に立ちます(なにしろ、最期! 完敗! 消滅! から10話ほど一切コメントされない無敵将軍、とかやっていたわけですし……)。
 ダラダラはカクレン4人のマスクもついた更なる異形の姿へと変貌し、オヤジぃ! 俺たちに構わず殺ってくれ! と叫ぶカクレン一同とニンジャマン……多分、大獣神会長なら躊躇なく、殺ってた。
 一方、満身創痍のサスケはくノ一組に追い詰められており、普段と違う書き文字での「つづく」に、予告はバラード調挿入歌に乗せる変化球で盛り上げ、次回――大激突の行方は如何に?!

◆第44話「傷だらけ大逆転」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:杉村升
 「ダラダラを攻撃すればニンジャマンだけではない、カクレンジャーの4人も苦しみながら、死ぬというわけだ」
 (人々を、みんなを助けるためにはどうしたらいいんだ! 三神将ーーー!!)
 ……どうして、この期に及んで、神頼みを叫ばせますか。
 「許してくれカクレンジャー。人々を救うには、こうするしかないのだ」
 その神は、前回ラストで散々気を持たせた上で結局ダラダラに殴りかかり、大事の前の小事として、超越存在が戦隊メンバーを切り捨てる姿を描いてきたのは、凄いといえば、凄い(笑)
 サスケもいよいよ絶体絶命、くノ一組それぞれに台詞が割り当てられて5本の刃を突きつけられるが、そこにブンが駆けつけると、忍犬が二人の忍者――白面郎と共に行方不明となっていた太郎と次郎となり、サスケを助けて離脱。
 ……つまり、犬×双子の兄弟×忍者タイツであり、いけない、このままでは、鶴姫に新世界の扉が開きかねない!
 それはさておき10年前、妖怪世界に潜り込んだ鶴父&太郎&次郎だが、捕らえられた太郎と次郎の命を救うために鶴父は妖怪世界に就職を余儀なくされ、軍師・白面郎に。
 妖術によって犬に姿を変えられた太郎と次郎は、白面郎が助けた妖怪の少年ブンと共に妖怪世界から逃げ出す事に成功すると三太夫の元で正体を隠しながら暗躍していたが……ここに来て、人質の居ない現在、妖怪サイドが白面郎を信用する理由も全く無かった事が判明して、そもそも、最初から偽装工作も何も無かった、というウルトラC(笑)
 要するに大魔王様の嫌がらせで軍師の肩書きを与えられていた白面郎が、消し飛ぶ直前に遺していた打倒ダラダラの手がかりがサスケに伝えられ、そこには妖怪パレスの地図が。
 三神将がダラダラと戦い続ける中、前回の予告に使われたバラード調挿入歌に乗ってサスケは妖怪パレスに乗り込んでいき、大魔王様、さっくりとサスケに切りつけられる。
 レッド単独、ですらない、生身単独、に一方的なダメージを与えられるボスキャラもなかなかに珍しいと思いますが、ダラダラの弱点は妖怪トレースシステムを操る大魔王の本体そのものであり、大魔王の受けたダメージがダラダラに流れ込む事によって、忍者パワーを取り戻した鶴姫らが復活。
 「大魔王、よくも今まで俺たちを痛めつけてくれたな!」
 「今度はこっちが暴れる番だぜ!」
 「覚悟シロ!」
 「みんな! 行くわよ!」
 鶴姫が印籠を掲げたのに合わせてOPのイントロが流れ出し、主題歌スタートに重ねてスーパー変化。
 「人に隠れて悪を切る!」
 「「「「「カクレンジャー見参!」」」」」
 は鮮やかに決まり、第24話に続いて渡辺監督が見事に演出で一つ跳ねさせると、合体攻撃を受けた大魔王は、パレスを崩壊させながら巨大化。
 「この青二才ども、ひねり潰してくれるわ!」
 ニンジャマンがサムライマンとして巨大化すると、カクレンジャーは大将軍に乗り込み、ダラダラはざっくり撃破。
 残った大魔王はまたも無敵キャノンの直撃を受けると、続けて急降下爆撃パンチを叩き込まれ、「今こそ私の恐ろしさを見せてやる」宣言から約90秒でのTKO負けを喫すると、べらべらと負け惜しみを言いながら……撤退(笑)
 …………あ、いや、もう、一旦爆発したけど実は生きていた、ぐらいのほうがまだ良かったのでは……(笑)
 よろよろとセーフハウスに戻った大魔王の前には、弾け飛んだわけではなかった白面郎が引っ立てられると、腹いせビームによりカーボンフリーズ。追い詰めたつもりが追い詰められた大魔王様は骸骨城を浮上させ、大魔王様の頭部を模した天空ドクロ城、というのはなかなか格好いいデザインです。
 「待っていろカクレンジャー。必ずや貴様らを倒し、この地上に妖怪王国を作ってみせるぞ……ふふふふふ、ぬはははははは……」
 さすがに末期の台詞も無しに消滅扱いにはされなかった白面郎、鶴姫も父との思い出を強調するのですが、正直、太郎と次郎の悲劇のドラマ(もう一度、人間形態になると死ぬ)とかねじ込むぐらいなら、カクレンジャーが復活したところで三神将に「サスケ、我々は、君を信じていた」みたいな事を言わせておいて、三神将が一縷の望みに賭けて持久戦に徹していたとかしてくれれば、ただの手駒ではなく信じられる鉄砲玉もとい若い衆まあ弟子、みたいな互いの関係におけるバランス調整や変化を盛り込めたと思うのですが……。
 根本的に、三神将はそういう存在ではない、という事なのかもですが、そういったカクレンジャー側の存在の浮上が描かれないので、いつまで経っても「神頼みと駒」みたいな関係性にしか見えなくなっている印象です。
 次回――忍者が街にやってくる?