『ウルトラマンブレーザー』感想・第2話
◆第2話「SKaRDを作った男」◆ (監督:田口清隆 脚本:小柳啓伍)
「ブレーザー……」
「……ん?」
「あの宇宙人の、コードネームです。遠い銀河のブレーザー……眩い光の中からやってきた……ウルトラマンブレーザー……てのは、どうでしょう?」
注目のウルトラマンネーム、変身時の神秘体験を思い出した隊長が、割と適当に名付けた。
地球防衛隊は、怪獣の動向を調査分析し、必要な場合はこれを排除する特殊怪獣対応分遣隊、通称SKaRD(スカード)を新設する事となり、ゲントはその隊長に任命される。
早速、参謀長から押しつけられた選抜隊員に書類を配って歩く事になり、なんだかスーパー戦隊のメンバー集めみたいな事に(笑)
その顛末がだいぶコミカルに描かれている内に海から巨大怪獣が出現し、よく言えば少数精鋭、悪く言えば人手不足のメンバーがスカードの本部に集うと、ゲントは下の名前かあだ名でないと返事しない、とちょっと面倒くさい上司を宣言。
面倒くさい事は面倒くさいですが、部隊長が主人公という事もあって、自ら呼称のルールを明言し、部下とはこの距離感をベースにすると最初に宣言したのは、わかりやすくなって良かったとは思います(あっさり順応する隊員と、戸惑う隊員の差は描写しましたし)。
作りたて感の迸る本部には、参謀長直々に怪獣被害の連絡が立て続けに入り、副隊長の撃沈芸は、ちょっとくどい。
上司からの無茶振りを受けたスカードは、人員も装備も整わないまま初陣に出撃する事になり……前回、宇宙怪獣に撃ち込んだ特殊弾の用法について通達内容のミスがあった事に隊員集めのフェーズで触れられており、参謀長が隊員を「厳選」し、やたら強引に話を進めるのは、司令部に黒い影が入り込んでいる為……とか繋がってくると、面白そうではあり。
現着したスカードは、それなりに怪獣について分析すると、ゲントが接近して弱点とおぼしき箇所へ攻撃を仕掛けるが、銛を手にした老漁師の無謀な行動を止めている内に、怪獣が大暴れ。
すると、ゲントのズボンのポケットに呪いのメダルが、左手首には呪いのデュエルディスクが突如として生じ……“ウルトラマンに最初から変身しない理由”について現時点では、「仮にしたくても任意では変身できない」システムとされ……これは……「寄生」?
或いは、一連の出来事は、大宇宙怪獣バトルチャンネルで生配信されており、ある程度盛り上がってきたところで、原住民にウルトラパワーを投げ銭する、宇宙的大衆娯楽番組なのでは(つまりその運営が、司令部に入り込んでいる)。
「……やっぱ……夢じゃなかった」
ゲントはおっかなびっくりブレーザーへと変身し、初回はともかく第2話でも、決め台詞も無ければ装備の起動音声も無いのは、商業的に考えるとかなり思い切った仕様でありましょうか。……まあ、自分で「ブレーザー」と名付けてしまったぐらいなので、その内、神秘体験に導かれるままに叫び出したりするかもですが。
変身する時は叫ばないけど、変身後は叫びまくるブレーザー、闘争本能を自発的に高めながらよっしゃバッチこーい! 怪獣びびってるびびってるーオーレオレオレオレー! と打撃を加え、トドメにウルトラの銛を投げつけようとするが、怪獣は海へと飛び込み離脱。
去る者は深追いしないのか、或いは逃げてく奴は背中がガラ空きで狙いがつけやすいぜぇ! するのか、どうするのかと思ったら、銛を変形させて釣り竿を生み出すという割とコミカルな方向に機転を利かせ、釣り上げた怪獣に改めてウルトラ銛を投げつけて空中で串刺し爆殺し、ひとまず、人類と生活圏が重なった怪獣は、抹殺路線。
ブレーザーは、本日もちょっとドキドキしながら無事に飛び立って姿を消し……今のところ地球人から見るとこの巨人、宇宙から来た怪獣ハンターなのでは。
ブレーザー・ファイト!
勇んで飛び出していったゲント隊長が現場で発見されるくだりは省略され、スカード一同は基地の地下で、いつの間にかマニュアルを置いていったり、いつの間にか車をチューニングしていた妖精さんもとい、メカニック担当とご対面。
そして地下では、対怪獣ロボット兵器・アースガロンが完成を迎えており、戦力、あった。
未見の『Z』で、防衛組織のロボット兵器が大好評だったと聞いた事はあり、それを継承する要素であるのでしょうが、新設の防衛組織が知恵と勇気以外の武装を準備しているのは納得度が高く、参謀長から、アースガロンを用い、ウルトラマンブレーザーより先に怪獣を倒して戦果を挙げよ、と命令が下されて、つづく。
次回――隊長は左遷を回避する為にうまく手心を加える事が出来るのか? それともハンターの本能に負けてしまうのか?! 狩るのはおまえだ!!(『仮面ライダーアギト』第2話を思い浮かべつつ)