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謎を解けねばヒーローじゃない

『ひろがるスカイ! プリキュア』感想・第11話

◆第11話「気まずい二人!? ツバサとあげは」◆
(脚本:守護このみ 演出:佐々木憲世 作画監督青山充
 朝早くから虹ヶ丘家に襲来したあげはさん、ましろに概要は聞いているようですが、熱烈に頬ずりしている内に鳥から人間に変身したツバサを見ても動じず、相変わらず謎の場慣れ感。
 「よろしく少年」
 「…………少年って……僕のことですか?!」
 勢いに押されて手を取られつつ、あげはからの扱いに納得のいかない反応を見せるツバサだったが、反論は右から左に聞き流され、プリキュア一同はあげはの提案により、ごつい四輪でドライブがてら、問答無用の休日ハイキングへと出発。
 車……鳥より速い……そして硬い……私は、これに、勝てるか? とソラが目を輝かせる一方、助手席のツバサは、事態から取り残され気味で不満顔。
 「……なんで僕たち、山に向かってるんですか?」
 「え? たまには遠出したいじゃん? あと、君の事も知りたいしね、少年」
 現在あげはさんは、ましろ父より「ツバサ少年」の身辺調査の依頼を受けています、多分。
 目的地・らそ山に到着すると、かつて見せた事のない表情で鼻をふんすかさせたプリセンス・エルが、らそ山のマスコットキャラクター・ソラ吾郎(際どい日テレ感)にいたく御興味を示しあそばれ、一同は非売品グッズ入手を目指し、らそ山クエストに挑戦する事に。
 「なんか、少年に似てるね」
 「似てませんよ!」
 まあこの世界、ヨヨやツバサ以外にもスカイランドから人や物が漂着している蓋然性はかなり高いので、ソラ吾郎さん、実在人物(鳥類)である可能性もありそう(笑)
 斜面に興奮したソラが、ましろを引っ張って中級者コースに突撃していくと、エルを預かったあげはとツバサはらくらくコースへと別行動。
 あげはのテンションの高さと時に強引なマイペースさが肌に合わないツバサだが、エルにはなつかれ基本的に面倒見の良い人ではるあげはに強く出られないままハイキングは続くが、山頂を前に、とうとう決裂。しかし、好き勝手に見えるし言葉が足りない時もあるが、あげははあげはなりに周囲を見てツバサを信じてもいる、とましろとソラに気付かされたツバサは、再び山頂を目指してあげはと合流。
 山頂からの景色でクイズの答を目にし、あげはの真意を知る……と、ツバサ×ソラ、ツバサ×ましろ、と来てツバサ×あげはにきっちり1話使ってくる手堅い作りなのですが、苦手なタイプの人と出会い、接し、考え方を知る事で「ひろがる世界」とするには劇的さが弱く、1本のエピソードとしては物足りない出来。
 今回限りでは、あげはが「少年」呼びに終始するように、この二人の関係性をじっくりと描いていきたい都合もあるのでしょうが、そうはいっても起伏の足りない内容となり、今作の比較的ゆったりした進行ペースのデメリットの部分が出てしまいました(その点では、無職のソラが悶々とする第6話に近い仕上がりと失敗なのですが……脚本家、同じか)。
 コスプレで侵入したカバトンの手によりロープウェーボーグが山頂を強襲すると、いまだかつてない雑さでエルとあげはが拉致され、ツバサはウイングに変身。人質の二人を突き出されて攻めあぐねるが、あげはが妙案を閃いて脱出に成功すると、キュアウイング、お姫様だっこの実績解除。
 今回、ツバサがプラマイいずれの意味でも、あげはの表情に視線を向ける描写が繰り返されており、この辺り、男性プリキュア採用からの流れで、“年上のお姉さん”と“思春期手前の少年”を組み合わせる一端かとは思うのですが、私の中ではツバサはカテゴリ:妖精なので、もう一つ威力不足(笑)
 まあ、異世界の不思議生物属性を“大きなクッション”としながら色々な間合いを計っていくのは狙い通りかとは思われますが、上手く使ってほしいところです。
 余談ですが、ソラ転入回で、女子の間にぐいぐい入ってくる距離感不明のそばかすメガネ男子は、考えてみれば、キュアウイングの前振りだったのだなぁと。
 ウイングがあげはとエルを退避させところで、頭上の出来事に気付いたスカイとプリズムも合流し、ロープの上を巧みに飛び回る軽業で対抗するロープウェーボーグだったが、足場が悪いなら飛び蹴りを叩き込めばいいじゃない! とダブルプリキュアキックを受けて地面に転がったところに、ひろがるウイングアタックでトドメを刺され、カバトンは撤収。
 「今日は、助けてくれてありがとう。ちゃんと格好良かったよ」
 帰路、あげはの言葉が届いたのかどうか、ツバサは鳥の姿で眠りに落ち、とりあえず調査報告書は、ましろ父が実弾を持って緊急帰国しない程度には手心を加えてもらえそうです!
 ここでオチ……と見せてフェードアウト後に、むしろを巻いて震えていたカバトンが闇の上司から最後通牒を受けるシーンが入り、闇の上司、声だけですが2回目の登場。そろそろ1クール目も終わるというのに未だ輪郭さえ見えないカバトンさんの背後組織ですが、これが《ライダー》だったら、ソラの憧れのヒーローとカバトン上司が同一人物である可能性は割と高そうな。
 回想シーンの髪の色からすると、スカイランド王族関係者の線もありそうですが……追放された王族がテロリストに転向するとか、割とよくある話ですしね!
 思ったより5話ぐらい長生きしていたカバトンさんの後がいよいよもって無くなり、次回――最終拳だだだッ。
 ……変な方向で、面白そう(笑)