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少々不調につき軽めに『イナズマン』

イナズマン』感想・第15話

◆第15話「影をくわれたお母さん」◆ (監督:塚田正煕 脚本:島田真之)
 見所は、少年の幻影を作り出して新人類帝国を罠にかける、完全な悪役ムーヴを見せるイナズマン
 天体の運行を無視して一瞬だけ起こる皆既日食――そしてその夜、住宅地の一角に現れる不気味な黒い影。
 不吉な予感に予知能力を発動した少年が目にしたのは、新人類帝国の為に少年をスカウトしようとするキノコ頭のカゲバンバラで、少年主観のスリラーがしばらく続いて、開始8分強でようやく丸目と五郎が登場。
 怪人の恐怖を繰り返し訴えるも、母親が自分の言う事を真剣に取り合ってくれない、と家を飛び出した少年を襲う影バンバラは、イナズマンに正攻法の飛び蹴りを受けると死んだふりで追撃を回避し、少年の母を狙ってその影を食べてしまう。
 影を食べられた少年母は危篤状態に陥り、もはや手の施しようがないと、生死の境を彷徨う患者をソファに放置していく医者が酷い(笑)
 母親とのすれ違いから、少年が「死んでしまえばいい!」と叫んだところ実際に母親が倒れ、“母子の愛情と魔女の呪い”といった童話的な骨組みのエピソードになっており、台詞回しと声はスパイ映画の悪役みたいながら、杖を持っていたり呪文を唱えて術を発動したりなど、影バンバラの描写は魔女のモチーフが出ている感じがあり、ほぼほぼ呪術。
 (誰が殺させるものか……この人を死なせて、たまるか!)
 トラウマを刺激されて怒りの炎を燃やす五郎は、少年母の影を人質に、少年に新人類帝国入りを迫る影バンバラと激突。
 影の世界に引きずり込まれると影縛りで動きを封じられ、暗黒の世界に飲み込まれそうになるイナズマンだが、体験から学習する、それがイナズマン
 「読めたぞ、おまえの弱点!」
 「なに?!」
 マフラーを利用して暗黒の世界から脱出したイナズマンは、影バンバラの力の源をざっくり消し去ると稲妻落としでチェストし、敵の攻撃を受けてから数倍にして叩き返すのはイナズマンのセオリーではありますが、丁々発止の能力バトルというより、やたらともがもがしているイナズマンの姿が起伏に欠ける尺稼ぎめいてしまい盛り上がりに欠けたのは残念。
 影バンバラを消し飛ばしてから、
 「自由の戦士、イナズマン!」
 と高らかに叫ぶ新パターンで、影バンバラが消滅すると少年母は無事に回復。互いの愛情を確認し合った母子に見送られながら、五郎と丸目は去って行くのであった。