『ひろがるスカイ! プリキュア』感想・第3話
◆第3話「シクシクホームシック! 泣かないでエルちゃん!」◆
(脚本:守護このみ 絵コンテ:小村敏明 演出:岩井隆央 作画監督:青山充)
ミルクでもない、おしめでもない、むずかるエルの不機嫌の原因は、両親に会えない寂しさなのでは? と思い至るソラとましろだが、解決法を思いつかずに悩んでいるところに、魔法の監視カメラもとい謎の鏡を手に現れるお祖母様。
「出来るわよ。両親の顔を見せてあげる方法があるの」
「「え?」」
「これを使えば、スカイランドと通信する事ができるわ」
……駄目だ、もう、お祖母ちゃんが、並行世界のマスタードンブラにしか見えない。
「お祖母ちゃん、いったい何者なの?!」
「実はね……私はスカイランド人なの」
実は50年前に“こちらの世界”を調べに来たスカイランド人だと祖母は笑顔でさらっと告白し、最近どうも、胡散臭い要素を引っ張りまくる作品を見ていたので身構えてしまいましたが、特に大きな謎扱いではなく、あっさり情報を共有。
まあ、自分が事情に通じている事を秘密にしながら笑顔の裏で孫の動向をずっと遠隔監視している祖母とか嫌すぎたので、一応の正体が早めに判明してホッとしました(笑)
スカイランドとの通信の為には、エネルギー源としてスカイランドではポピュラーだったスカイジュエルが必要であり、ソラ一行はその採掘の為に、裏山へ。
玩具販促も兼ねた子育てPRをしながらのハイキングとなって、この国で子育て×ヒーローといえば拝一刀であることをソラに伝えていいのかちょっと悩みます。
……凄く、気に入ってしまいそうな気はするわけですが。
キラキラした瞳で拳を握るソラに向けて、お祖母ちゃんが「マシンガン付き乳母車なら、あるよ」(命名:雷神号)と言い出す日が待たれる中、ソラのヒーロースキル《天然たらし》が発動したりしつつ、一同は鉱石の反応がある場所へ。
巨大な自然石に向けて面妖な構えから繰り出されるスカイランド神拳、無駄に長い前振りといい、お祖母ちゃんの合いの手といい、てっきりギャグかと思ったら、岩石両断チェストー!
一度で割れなくても、殴り続けていれば、いつかは割れる。
そう、レッドマン先輩も言っていました。
そして、割った事そのものはさっくり流された。
この世界で正気を保ったまま生きていく為に、ましろの精神防御力はぎゅんぎゅんと上昇していき、受け流さなければ生きてはいけないのです。
果たしてましろの辿り着く約束の場所は、ボケなのか、ツッコミなのか、油断していると顔芸担当にされるから、気を強く持て、ましろ。
首尾良くジュエルを拾ったところで誘拐犯と再会し、竹ボーグが誕生。
立て続けに放たれるタケノコミサイルの流れ弾がましろとエルに迫るが、キュアスカイは片手一本であっさり受け止めると蹴り飛ばし、物事の基本は、筋力……!
・変身すると青くなる
・拳法の使い手
・ちょっと理不尽に強い
もう大体、イナズマン(渡五郎)という事でいいのではないか、キュアスカイ(ソラ・ハレワタール)。
片方だけ眉を剃り落とした経験でもあるのか、田舎で延々と基礎トレーニングを続けていたら、世界を狙える筋肉に育ってしまった疑惑もあるキュアスカイは、ただ真っ直ぐに飛んでくるミサイルなど! 止まっているのと同じなんだよぉ! とタケノコミサイルをかいくぐると、プリキュア拳法スカイチェストーーー! を竹ボーグに叩き込み、食べたものを闇のエネルギーに変換できるらしいカバトンは、毒キノコで腹を壊して撤収。
素人が無闇にキノコに触れてはいけません、とアウトドア教訓話でまとめられ、結果的には、プリキュアアイアンクローによるカバトンさん頭蓋破裂シーンをお茶の間に届けずに済みました。
無事に家に戻ると、魔法の鏡でスカイランドへと通信が繋がり、鏡越しの親子の再会が、海外で働いている両親とましろのリモート通話に重ねられるのは、時代を感じる描写。
「王様、王妃様、そちらの世界へ戻る手立てが整うまで、プリンセスをお預かりいたします」
「まあ、あなたは!」
「スカイランドのハイパー凄すぎレジェンド、名誉博学者の、ヨヨ殿!」
……だいたい、トゥルーヒーローだったらしい。
エルの素性をソラとましろも知ると共に、スカイランド王家とも旧知の関係だったお祖母ちゃんが間に入って、誘拐犯の一味と誤解されるトラブルは回避され、持つべきものは、権力者へのコネクション。
エルのお世話・ソラとましろの友情、を中心にして、前回に続き、情報の共有と状況の安定が進められ、ひとまずテロリストの汚名を着せられる心配は無くなりました。
エピソードとしては可もなく不可もなくな出来でしたが、前回今回は土台固めと割り切った雰囲気もあり、次回、ましろ変身をどう描いてくるのかは、期待したいところです。