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エマージェンシー『スマイルプリキュア!』

スマイルプリキュア!』感想5・プリキュア ゴーウエス

●第11話「プリキュアがチイサクナール!?」
 見所は、昆虫たちの絶望でも復活ゲージが溜まってしまうピエーロ様。
 ……出てこない内から、ピエロ様について色々と心配になってきます。
 魔女が作ったマジックアイテムを赤鬼が人間界に放り捨てるのがパターン化し、タイトル通りに小さくなってしまう、5プリキュア(ちょっと視聴と感想が久々になってしまったので、個人的にキャラ名を確認しておくと、みゆき・あかね・やよい・なお・れいか)。
 定番の巨大昆虫大パニックでミクロキッズな展開となり、なおがパニックを起こして虫が苦手が「意外な弱点」として描かれるのですが……正直、この状況で昆虫に出会ったら、なおの反応の方が正しい気がします(笑)
 というか君たち、下手するとバッタに頭から食(以下略)
 そして再び交番が登場し、なんかちょっと、おいしいサブキャラになってきたぞ警察官(笑)
 恐怖のあまり高いところに逃げようとするも手を滑らせたなおが、ダンゴムシっぽい何かのお陰で墜落死をまぬがれると、なんとなく意思疎通が行われて、徹底的にジュベナイルなファンタジーの文脈で進行。
 小槌を手にみゆき達を探し回るキャンディを魔女が見つけるとバッドエンドをもたらして、5人は小さいままでプリキュアスマイルチャージ。
 昆虫の街を守る為、一寸の虫にも五分の魂とマーチが啖呵を切るとタンポポアカンベェに立ち向かい、段々と、ミサイル攻撃に慣れてくる5人弾幕をかいくぐり、この風、この肌のひりつきこそ生きているって感じがするなぁ! と、戦いは人の進化を加速させていきます。
 プリキュア疾風シュートが炸裂してトドメとなり、発作的にプリキュアを叩きつぶそうと小槌を振り下ろした事でチイサクナールが解除されると、魔女は撤収。
 小さな虫には小さな虫の生きる場所がある事を知るなおだが、生理的に苦手なものはそう簡単には変わらない、でオチがつき、幼い弟妹がたくさん居るという設定なので、恐らく、知らない内に机の引き出しにしまわれたカマキリのタマゴが(以下略)
 抜けた面白さはなかったですが、ミクロ化アイデアを楽しく描いて、まとまりのよい一本でした。こういう少し不思議なファンタジーが単発で展開できるのは、こういった作品の武器だな、と。

●第12話「目覚める力! レインボーヒーリング!!」
 修学旅行におまえの席はないと無神経に告げられて失意のキャンディ。
 更に、プリキュアの浄化技が効かない青っ鼻を手に侵攻してきた狼さんから「おまえは雉○以下の役立たずだ!」と罵声を浴びて落ち込むが……プリキュアの役に立ちたい! との思いから体内に封印されていた(ようにしか見えない)5つのデコルが飛び出すと、それを手にしたプリキュアの髪飾りが豪奢なティアラに変わり、合体技のレインボーヒーリングの発動により危機を脱する話……なのですが、
 1・キャンディと5人の関係強化エピソードは第6話と第8話でやっている
 2・キャラ回ローテに従い、強引にれいか回にしようとして空中分解
 3・作画も話のテンポも悪い
 と問題が重なり、1クール目の締めに合体技初披露の回にも拘わらず、ここまででワーストクラスの出来。
 キャンディの存在感の重視や、みゆき以外との関係強化の意図、特に後者は必要なポイントだとは思いますが、クライマックスでは「5人とキャンディの話」になるのに、途中までは「れいかメインの体裁」で進行していたねじれが大きく、これをメイン回扱いされるとれいかが損、なエピソードになってしまいました。
 「さてと……どんな願いでも一つだけ叶うというミラクルジュエルの手がかり、探るとしますか」
 久々登場のジョーカーが青っ鼻で三幹部を焚き付けるとマジックアイテムの名前を出し、
 「白い浄化の光と、あの妖精……ミラクルジュエルの手がかりになるかも」
 その目的とキャンディが結びつけられて大きな布石は置かれるのですが、そういった伏線や強化の方に主題があった事で、明るく騒がしくエピソードアイデアの“楽しさ”を前面に押し出していく、今作の強みが出せなかったエピソード、でもあったでしょうか。
 次回――実質的な太秦回。

●第13話「修学旅行! みゆき、京都でどん底ハッピー!?」
 上洛を果たしてハイテンションの星空みゆき、京都の地で、初めての水落ち。
 まあ、ヒーローとしては一種の通過儀礼のようなものなので、次は、崖から転落して生死不明へのチャレンジが待たれます。
 かくして修学旅行初日から一人ジャージの刑を執行中のみゆきは、喜び勇んでおみくじを引くと、大凶。
 「だ、だ、だって修学旅行だし……すっごい楽しみにしてたし……大吉以外ありえないし……」
 ヒロインにあるまじき魚眼レンズ接写映像でガタガタ震えるみゆきを皆で励ますが、その後も鳥の糞が直撃し、写真撮影はことごとく失敗し、買ったお土産は宙を舞うといった不幸のオンパレードは続き……これが……プリキュアシステムの副作用……!(ガタガタ)
 枕投げとかコイバナ(?)とかのイベントを経て、修学旅行二日目――待ちに待った清水の舞台で、転落チャレンジの実績を埋めようとするみゆき(すみません、本当にやるとは思いませんでした……)だが、身を挺したなおのカバーリングにより九死に一生を救われ、これは、生涯感謝した方がいいと思います。
 その後もみゆきは、用水路に落ち、犬に追いかけられ、まんじゅうに潰され、プリキュアシステムの副作用による因果律の揺り戻しに苦しめられ、プリキュアシステムに不備があるなんて知らなかったクルーとキャンディメンバーは容疑を否認。
 祇園でやよいが、資料撮影用なのか中学2年生にしては立派なデジカメを手に舞妓さんを探していると、赤鬼さんが出現して大凶アカンベェが誕生。
 戦闘中も次々と不幸に見舞われてピンチを招いたハッピーは皆を巻き込んでいるではと気に病むが……入れ替わったり小さくなったりの明確なマジックアイテムの効果ならともかく、おみくじの大凶が不幸を招いていると本気で深刻になるハッピーには、ちょっとノれず。
 その為、仲間たちがそれを否定する流れも劇的とは言いがたかったですが、
 「私たちは、いつだって……」
 「一緒におったら大吉や!」
 は台詞にキレがあって良かったです。

●第14話「修学旅行! 大阪で迷子になっちゃった!?」
 京都で赤鬼を退けたプリキュア一行は大阪に辿り着くが、班行動中、みゆき・やよい・キャンディ組と、あかね・なお・れいか組にバラバラになってしまい、大凶はつづく……?!
 知性も精神力も地元知識も失い、残されたのは前向きさと殺意の高さと自由さだけの危機に陥るが、大阪のおばちゃん達から親切を受けたやよいに、むしろ私たちこそが勇者! はぐれた姫たちを救うのだ! とスイッチが入り、始まる食い倒れクエスト……!
 きつねうどんと串カツって、大阪名物なのですか(名古屋のイメージ)。
 異郷の地で迷子になってパーティー分断、のちょっとした変化球で、すちゃらかコンビが幸運な出会いもあって案外なんとかなっている一方、橙緑青組が疲弊していくすれ違いは面白くはあるものの、我が身がこういう時どっち側に居そうだろうかと思うと、多分疲弊する側だな……と思うので、いまいち素直に楽しみきれず(笑)
 今回は納豆餃子飴を目当てに魔女が大阪に出張すると、飴が売り切れていた腹いせに新世界をバッドエンドに塗りつぶし、誕生した通天閣アカンベェの内部で桃と黄がグルグル転がる羽目に陥るのは、その帳尻合わせの部分もありそうでしょうか。
 ちょうちょデコルの力で月光蝶した橙緑青が外部からアカンベェを攪乱すると、無事に5人揃ってレインボー!
 合体技の登場により3連敗となった青っ鼻ですが、デコルをプリキュアに回収させずにバッドエナジーを集める事で大局的には勝利を収めており、ピエーロ様復活まであと8点!