東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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『スマイルプリキュア!』バンバラバン

スマイルプリキュア!』感想3・5人揃って、5プリキュア

●第6話
 「「「「「5つの光が導く未来! 輝け! スマイルプリキュア!!」」」」」
 名乗りバンクの時から、キュアハッピーの謎な手の広げ方が気になっていたのですが、これはあれか……天地魔闘の構え……!
 遂に伝説の戦士プリキュアが5人揃い、星空家(割と大きい)に集ったみゆき達は吊りキャンディから事情を聞き出そうとするが全く要領を得ない所に、新たな絵本の妖精が登場。
 キャンディの兄だという侍妖精ポップは、メルヘンランドとバッドエンド帝国の抗争の経緯を語り、3幹部が使うアカンベェ製造コアは、メルヘンランドの女王ロイヤルクイーンの力の源であるキュアデコルに呪いをかけたものであり、プリキュアがアカンベェを浄化するとコアも浄化されてキュアデコルに戻り、それを集める事でロイヤルクイーン様を復活させるのだ!
 と、これまでの状況と登場アイテムを整理しつつ、短期と長期の目標を設定。
 まとめると、襲ってくる敵を殴り倒せばメルヘン女王の復活に繋がる、とシンプルな暴力が導き出される一方、悪の三幹部は人間から集めたバッドエナジーにより皇帝ピエーロの復活を目論んでおり、友達ではないがババ抜きはする関係って何かと思ったら、誰が出撃するかを決めていました。
 バッドエンド側には道化師ジョーカーが姿を見せ、表向きは3幹部にへりくだって持ち上げつつ、腹の底には如何にも一物抱えていそうでありますが、本性を垣間見せている時の邪悪は表情は、かなりストレートに視聴者を怖がらせに来る作画(女児だった経験が無いので、女児がこういうの普通に怖がる対象なのかはちょっとわかりませんが)。
 作画といえば、単純に描きやすいのか、内部にファンが居るのか、赤鬼の作画が妙にぴしっとしている事がしばしばある一方、狼さんは造形がスネ夫ヘアーな為、たまに、口は……そこでいいのか……? みたいになっている事があり、友達が欲しい。
 みゆき南極騒動などありつつポーズと台詞とチーム名が決まり、本格的な伝説を開始したプリキュアは、魔女の作り出した空き缶アカンベェ(ぞんざい)のミサイル攻撃を受けてピンチになるが、ポップの割とえぐめの変身忍術(侍では無かったの……?!)に窮地を救われ、5×○○kgで空き缶をプレス。
 これが5人揃った伝説の重みだ! とユニットとしてのメジャーデビューを飾るのであった。
 現状、個人技でアカンベェを倒せてしまうのでチーム揃った感がやや弱いのですが、合体技が完成するのはいつの日か。
 基本設定を提示しつつ、メルヘン妖精との絆を改めて確認するオーソドックスな作りでしたが、ポップにはその内、一時的に人間の姿になって無自覚にイケメンムーヴを連発するゲスト回での再登場とかを期待したいです(笑)

●第7話
 欲しい……秘密基地が欲しい……たとえ最終回の1話か2話前に木っ葉微塵に爆発するとしても、秘密基地が欲しいぃ!
 チーム名・決め台詞・決めポーズが揃ったみゆき達は、屋上の給水施設の間に挟まってコソコソする生活はもう沢山だ! と円滑なプリキュア活動の為に専用の秘密基地を探し求め、前回今回と、スーパーヒーロー物の段取り的パロディを意図的にやっている感はありますが、ふしぎ図書館のワープ機能を利用して、メンバーそれぞれ心当たりの場所をプレゼンする趣向となり、トップバッター・青木れいか……富士山頂。
 「……なんで、富士山?」
 (れいか、大事そうに抱えていた桐の箱に入っていた掛け軸を力強く掲げる)
 「「「「道?」」」」
 「そう、プリキュアとして歩む、わたくし達の道は険しいわ! 人の一生は、重荷を負うて遠き道を行くがごとし。でも、その道の先には、この日本一の富士山があるの! わたくし達にとって、これほどふさわしい場所があるかしら?!」
 「…………なにゆうてんのか、全っ然わからん」
 壮大なBGMと宣言に容赦無いツッコミが突き刺さり、表向きは寒くて不評!
 まったく、生徒会副会長の秘密基地選びはなっちゃいない……こんなの不味くて食えませんよ。私が本当の秘密基地ってやつをお教えてやるぜーーー!!
 と、次鋒・黄瀬やよいが、如何にもSF感溢れる秘密基地に一同を招待するが、映画の撮影セットへの不法侵入により、却下。
 中堅・緑川なおは可愛いもの好きと属性が加わり(何故かそこにまた同属性をかぶせてくる赤改め橙の子。後、れいかとなおは他3人より付き合いが長いと判明)、ぬいぐるみだらけの室内に一同大喜びすると、準備してきたバスケットの中から飲食物を広げようとするのだが、ぬいぐるみ屋の店内だった為にお叱りを受けて一目散に逃亡し……この子たち、法治国家の一市民として、必要な何かが大幅に欠落しているぞ。
 副将・日野あかね、続けてもふもふに飛び込むとそこはなんと動物園のゴリラゾーンであり…………君らは何故さっきから執拗に、不法侵入を繰り返すのか。
 メルヘンランドはこの子たちに、転移施設を使わせていていいのか。
 トップバッターの破壊力が高すぎて、以後は、欲望の赴くままに転移した先で怒られて逃走、の繰り返しギャグだけになってしまったのはパンチ不足でしたが、失敗を繰り返してちょっと気まずい空気が流れたところで、大将・星空みゆきが、幼い頃に『赤毛のアン』に憧れて見つけた森の中の秘密の場所へと向かう一同。
 ところがそこには幼い先客がおり、5人が“今”の少女たちの為に黙ってあっさり引き下がるのは、ここまでの“欲望に忠実すぎる黄緑橙”、そして目の前で楽しく遊ぶ少女たちのとのダブルの対比が効いて、過去からの成長――みゆき達はもう、少女らにとってのヒーローになりえるのだ――の表現として良かったところ。
 「ここはあの子たちの素敵な場所なんだから! 私たちが絶対守る!」
 タイミング良くというか悪くというか、俺のはスマイルではない! と誰ともなしに弁解した狼さん@友達募集中にエンカウントし、ウッドアカンベェと戦闘開始。
 「あなたには、ただの森かもしれないけど……大好きな友達と一緒に遊んだり、おしゃべりしたりする場所は……とってもキラキラした、素敵な場所なんだから!」
 大切なことの本質は「場所」ではなく「共に過ごす人」なのだ! と秘密基地探しを題材に立ち上がりの「友情」テーマをひとまとめすると、仲間たちがウッドアカンベェの攻撃を食い止めている間にハッピーシャワーがアカンベェを浄化し、狼さんは逃走。
 バッドエンドを回避した少女たちに笑顔を向けて朗らかに帰還する一行だが、秘密基地探しは振り出しに戻り……そうだよ、武士は食わねど高楊枝、ボロは着てても心は錦、みんなと一緒なら、たとえカビ臭い屋上の隙間だって、寒風吹きすさぶ河川敷だって、灼熱の太陽が照りつける庭の片隅だって、キラキラした場所なんだから! ……までは悟れずに、最後の手段としてランダムワープに運命を託すと、本の扉をくぐった先は、出発地点のふしぎ図書館。
 欲に溺れて理想を追いかけすぎたけど、「共に過ごす時間」こそが一番大事なのだと重ねて納得し、一同は改心するのですが……どう考えても、最初からここがベストチョイスすぎて(笑)
 「いろんなところを見てきたから、だからこのふしぎ図書館が素敵な場所だ、て気づけたんだと思う!」
 デコルの力でリフォームすると5人+妖精は秘密基地入手の祝杯を挙げ、これまでの旅は無駄ではなかった! 幸せの青い鳥は近くにいたんだ、と不滅の牙がいいこと言った風にまとめるのですが、初期《平成ライダー》だったらほぼ確実に、警察のご厄介になるシーンが挟まれていたと思うので、本格的に法を犯す前に皆が理性を取り戻してくれて、心の底から良かったです。
 ――秘密基地木っ葉微塵まで、多分、残り40話ぐらい。