東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   Twitter→〔Twitter/gms02〕

踊らなければ生き残れない

20年ぶりの『龍騎』メモ・第15-16話

(※サブタイトルは本編中に存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第15話「遊戯」◆ (監督:石田秀範 脚本:井上敏樹

  • 占いの中で、未知のライダーにぼこぼこにされるナイトーーー。
  • 道を歩くとチンピラと殴り合いになる男、秋山蓮。明らかに、蓮の周囲だけ治安が悪い、『龍騎』時空。
  • 「一つ、聞いていいか? ……何がそんなに哀しいんだ?」……蓮に付きまとい始めた占い師が花鶏で待ち伏せをして真司と出会い、「手塚海之(てづか・みゆき)」と名前が判明。
  • 今回も噂話を追うOREジャーナルはリアル鉄仮面バトルゲームに辿り着き、その黒幕は、「人の心を操れる」と己の知性に絶対的な自信を抱き世間を見下す大学生にして、第6の仮面ライダー
  • 改めて見ると、井上敏樹が参加する度に、井上濃度の強いキャラクターが投入されており、パスを受ける側も大変そうです(笑)
  • 学生は、手塚が占いで見たサイのライダーへと変身し、固有武器は巨大な角付きガントレット。カードスロットは肩アーマーに直接ついており、デッキからひらりと投げる変化球が特徴的。

 先日、『キカイダー』感想でヘイスタックさんからいただいたコメント「何故この時期の怪人はロボットだろうがサイボーグだろうが容赦なく妖怪仕立てになってしまうのか……。」を読んで、元より「異界」の存在を明確にしている『龍騎』のミラーモンスターは、より“現代的な怪異”――都市伝説だったり学校の怪談だったり――を下敷きにして出現しているのだな、と頷けたのですが、今回は、そこから一ひねりして、怪異だと思ったら人の悪意だった……という仕掛けはわかるものの、結構な尺を採っているバトルゲームが、映像的には面白くなかったのが残念。
 色々な面で「劇中ゲーム」というのは難しいな、と後年の作品も合わせて思わされたところ。

◆第16話「激突」◆ (監督:石田秀範 脚本:井上敏樹

  • 遅れてミラーワールドに突入した蓮と手塚は、サイにやられて地面に転がっていた龍騎を発見するが、契約カードをサイに奪われた龍騎は、正式契約前のぽんこつモードに戻っていた。
  • 「おまえは自分で思ってるほど、冷たい人間じゃ無い」……ぐいぐい来る手塚、蓮の天敵感。
  • とりあえず殴って逃げようとする蓮だが、「図星を指されて悔しいか?!」と突きつけられ、思ったより根性太い手塚は、ライダー同士の戦いを止める手始めとして、秋山蓮・人格改造計画を宣言。
  • サイ学生はハッキングを仕掛けて入手した購読者名簿を人質にOREジャーナルを乗っ取ると新編集長に就任し、その名は「芝浦淳」と判明。
  • 新編集長就任記念PVは……大変、石田監督。
  • 秋山は意識不明の恵里を見舞い、「……恵里。心配するな。……俺は勝つ。……どんな相手にも。……俺自身にもな」は、秋山蓮という男を示して、いい台詞。
  • 島田の活躍でOREジャーナルを追われた芝浦は、なおもドラゴン契約書を手に真司を追い詰めようとするが、完全にチンピラモードの蓮に喧嘩を売られ、ナイトvsサイ!
  • モンスターを追いつつ二人の戦いを目にしたエイが割って入ってその意志を行動で見せ、ナイトの攻撃でドラゴン契約書がサイの手を離れると、エイはそれを掴んで脱出。
  • 「止めてくれ。俺と一緒に。二人の戦いを」……手塚が伸ばした手を真司が握ったところで挿入歌スタートは格好いい流れ――「「変身!!」」
  • 龍騎とエイがイカモンスターを倒している内に、ナイトはサイを追い詰め、その喉元に槍を突きつけるが……つづく。

 真司に続き、ライダー同士の戦いを止めようとする男・手塚。
 傲慢な振る舞いで他者を見下し、他人を支配する事に悦びを見出す男・芝浦。
 割と明確に「善/悪」に色分けされた二人の仮面ライダーが更に加わり、それぞれの意志が本格的にぶつかり合い始める今回は、準備運動だった前回に比べてだいぶ面白かったです。
 各キャラクターの立ち位置は大雑把に、〔利他――真司・手塚〕、〔利己――カニの人・北岡・芝浦〕、〔利己のようで利他――秋山〕、と置かれて、基本的に利己的なキャラクターほど今作における“悪”となっていますが、そこでグレーな袋小路にはまってもがいているのが、秋山蓮、というキャラクターの面白いところでありましょうか。
 あと芝浦を見ていると、北岡先生における吾郎ちゃんの存在の大きさを感じます(笑)