『人造人間キカイダー』感想・第13話
◆第13話「ピンクタイガーの遊園地襲撃」◆ (監督:畠山豊彦 脚本:島津昇弌)
闇夜に光るつぶらな瞳!
小脇に時限爆弾?抱えたピンクタイガーが可愛すぎてなんかもう色々、駄目だ!
「ば、化け物!!」
でも意外と、警備員が真っ当な反応をしてくれました(笑)
まあ体がピンクというより黒混じりのマーブル模様なので、闇夜で出会うと怖いのは確かなのですが、それにしても、完全に、キモかわというかゆるかわというか、3~40年早いデザイン(笑)
多分、口が常に開き加減なのも、良くない。
光明寺博士が過去に作ったロボットピエロのジンベイ(演じるは多々良純)に、博士が人造人間に関する秘密を隠しているに違いない、と目をつけたギルは、ジンベイの捕獲と横浜ドリームランドの爆破を命令。
声は機械音声で動きこそぎこちないものの、見た目はまるっきり人間と変わらない人造人間がダークメイド以外で登場し、光明寺テクノロジーに対してわき上がる、あれ、ちょっとヤバい……? 感。
これまでは、光明寺+ダークの 呪術 技術と資金で言い訳出来ていたものがだいぶ出来なくなってきたというか、光明寺博士もなんとなく、倫理的な問題は「作った後で考える。何故なら、作れるから作るのだ」の人っぽいので。
そんな、さまよえる光明寺がジンベイに接触し、あまりよくは覚えていないが
「私は君に大事なものを預けた気がする」
「なんことやら、わからない」
「さあ、返してもらおうか!」
やたら高圧的だった。
光明寺の身柄を確保しようとするピンクタイガーだが、ジローが登場。遊園地内部を飛び回るタイアップバトルの末に逃走したタイガーは秘密を入手しようとジンベイを捕らえ、光明寺メイドのロボット同士(ジロー・ジンベイ)が電子信号で通信するアイデアは面白かったですが、ジンベイを人間的に見せ共感させる仕掛けがほとんど無いにも拘わらず(最低限、遊園地で子供たちに好かれているようなシーンさえない)、ジンベイの拷問シーンを延々と描かれても、単調で退屈なだけに。
「そもそもロボットに対する肉体的拷問に効果はあるのか?」に始まって、「自意識の発達により解体の恐怖に怯える」わけでもなければ「何らかの理由で拷問に耐える意志」も「遊園地との心の繋がり」も劇中における描写皆無なので、ただただプログラム通りに動くロボットの解体シーンが執拗に繰り返されるばかりでは、「ジンベイの体内に隠された秘密」も「遊園地爆破のタイムリミット」も、いずれもサスペンスとしての盛り上がりようがありません。
例えばそこで、「遊園地を守るか」「秘密を守るか」の選択と葛藤がジンベイに発生するとか、「自分の事はいいから爆破を止めてくれ」と信号を送るなりとかあればサスペンスも生まれようがあるのですが……逆にジンベイにそこまでの「心」が無いのならば、そうではないジローとの対比が描かれる、というわけでもなく、「何故ここでサスペンスが発生しないのか?」の反面教師的な出来。
ピンクタイガーはこれといった見せ場もないままデンジエンドであっさり吹き飛び、ジローは爆弾本体の解除に成功。ジンベイの体内からは、光明寺の隠した設計書のフィルムが発見され、その内容はジローの電子回路に記憶されると(今後の布石にはなるのか……?)、フィルムは焼き払われて、つづく。