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この病院には問題が多すぎる

仮面ライダーエグゼイド』感想・第4話

◆第4話「オペレーションの名はDash!」◆ (監督:坂本浩一 脚本:高橋悠也
 CRにゲンムコーポレーションの檀社長が姿を見せてライダーガシャットについて解説し、設定について視聴者と劇中人物のサプライズを共有したい、という意識はわかるのですが、完全巻き込まれではなく背後組織もしっかりしている今作においては「ライダー適合者が知らない事が不自然」な状況が多発してしまい、読もう! 説明書!
 衛生省とゲンムコーポレーションの雑な仕事ぶりを見ていると、ファイズギアに説明書を同梱してくれた某社長がまだマシに見えてきます(気のせいです)。
 「ゼロ・ディの時、友達がバグスターの犠牲になった。……もう二度とあんな思いをしたくない」
 一方、これまで影でこそこそとライダーオペの様子を窺っていた花柄シャツの男――監察医・九条貴利矢が、同僚の西脇がゲーム病になった、と永夢に接触
 派手なチンピラルックに軽い調子で見るからに胡散臭い九条は医者メンバーの中に良いアクセントを付け、誰も来ない病院でデイトレーダーしていた花家を挑発して勝負の場に引きずり出すと自らトゲトゲ頭の仮面ライダーへと変身し、ハイキックによるゲーム選択は格好いい。
 西脇から実体化した車輪ウィルスをスナイプとトゲ頭が撃破するとバケツヘルムバグスターが出現し、スナイプがLV2になるやオペに乱入して、今回もスナイプに襲いかかるブレイブ。
 「おまえの相手は俺だ!」
 いやあなた、本格的に何をしたいの……?
 一応の行動指針としては「大我からガシャットを奪い取る」なのでしょうが、今作における「ライダーバトルの場」=「患者の居るオペの現場」なので、二話連続で飛彩が「緊急を要する患者の存在を無視して、私怨から路上強盗を働こうとする自称医者の男」になっており、基本設定が交通事故。
 両者が殴り合っている隙に、スナイプの腰からマイティガシャットを盗み取ったトゲ頭は永夢にそれをパスし……前回、大我が一方的に持ちかけてきた賭けによる理不尽なガシャット強奪を、患者が救えたし勝負は勝負、と嫌々ながらも受け入れていた永夢が、ガシャット掏り取りという完全なルール違反を「よっしゃラッキー!」と受け取っているのも納得しづらく(本人は手を汚さないのもズルい作劇)、とにかく、登場人物たちの行動原理が話の都合次第でバラバラなのが辛い。
 何度か似たような事を書いていますが、登場人物それぞれの“求めるもの”に応じた「葛藤」と「選択」が描かれてこそ――
  例1:ブレイブはスナイプへの私情を優先するか、患者のオペを優先するか
  例2:エグゼイドはスナイプとの賭けの結果を尊重しないなら、その理由は何か
 それがキャラクターの行動原理となって背骨を成していくのですが、その肝心な「葛藤のち選択」部分が超高速でスキップされて描かれない(或いは存在しない)為にキャラクターが軟体動物のようになってしまい、次なる「葛藤」と「選択」に説得力を与える事による物語の背骨の形成へと繋がってくれません。
 「彼は仮面ライダーレーザー。相棒の運転手が必要なの」
 永夢にガシャットをパスしたトゲ頭がレベルアップすると、人型ではなくバイクに変形する鬼畜仕様が判明するが、永夢とポッピーは患者の収容を優先して、レーザーのレベルアップは空振り。
 殴り合いを続けるブレイブとスナイプは、乱入してきた黒エグゼイドの自転車に轢かれ、二輪は二輪でもバイクより先に自転車が活躍したのは予想外(笑)
 CRに運び込まれた西脇のストレスの原因は、妹がグラファイトに連れ去られた事と判明し、バグスター切除オペのみならず、患者と向き合ってストレス要因を把握する事で症状の根治を計る永夢の姿勢を明確にした点は良かったのですが、その解消手段が結局は「(妹救出の為に)怪人を殴り倒す」になってしまったのは、詰め不足で惜しい。
 「大丈夫。僕が救ってみせます」
 それはそれとして主題歌パワーで格好良さ2割増しとなった永夢は、ゲームのルールを利用して西脇兄妹を救ってみせると宣言し、九条とトモダチ契約。
 改めてレーザーがゲームエリアを展開すると、完全体未満のバケツバグスターは、西脇妹をトロフィーとしたレースに参加せざるを得ず、ゲームスタート。
 何故か生身でレーザーにまたがった永夢はレース開始直後におもむろに変身し……坂本監督なので、バイク乗りながら飛び上がって変身、をどうしてもやりたかったのでしょうか。
 「ほっ!」
 エグゼイド&レーザーはバケツバグスターを打ち破り、爆走クリティカルストライクでフィニッシュ。無事に西脇妹を救出するが、途端にバイクを解除して瀕死のバグスターに近づいたレーザーの目的は、監察医としてバグスターのサンプルを手に入れる事。
 ゼロ・ディで友人が犠牲になった事も、永夢とのトモダチ契約も全て嘘、とエグゼイドを嘲笑するレーザーだが、瀕死のバケツバグスターは、黒エグゼイドによって木っ端微塵に消し飛ばされてしまう。
 黒エグゼイドは召喚した自転車をアーマーとして身につける更なるレベルアップを見せると、しゃかりき魔球の一投でレーザーとエグゼイドをゲームオーバー寸前まで追い詰めて姿を消し……そのままライダーゲージがゼロになったら死ぬ、ただしライダーを追い詰められる敵の目の前で変身を解除しても普通は高確率で生身が無事ではない気がするので、一体なんなのだろうこのシステム、でつづく。