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特にオチのない駄文シリーズ

2000-2011年《スーパー戦隊》にまつわる駄文1

 そんなわけで、2000-2011年の《スーパー戦隊》シリーズの簡易分析資料が一通り揃ったので、適当にデータを弄んでみたいと思います。「00年代」でくくった方が色々と区切りがいいとは思うのですが、なぜ12年分かといえば、単純に連続で揃ったので切り捨てると勿体ない気がするだけです、はい。
 逆に、全話見ていても間が飛んでしまうと資料性が落ちる認識なので、ひとまず最大限に長いこの区切りで。
 以下、『タイムレンジャー』~『ゴーカイジャー』の内容に部分的に触れる場合があるので、ご留意下さい。

◇演出本数
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未来戦隊タイムレンジャー
 (諸田敏:15本 小中肇:14本 松井昇:10本 坂本太郎:8本 佛田洋:2本 中澤祥次郎:1本)
百獣戦隊ガオレンジャー
 (諸田敏:14本 渡辺勝也:10本 竹本昇:10本 坂本太郎:8本 舞原賢三:6本 松井昇:2本 中澤祥次郎:1本)
忍風戦隊ハリケンジャー
 (渡辺勝也:15本 諸田敏:14本 小中肇:6本 竹本昇:6本 大井利夫:4本 橋本一:2本 舞原賢三:2本 中澤祥次郎:2本)
爆竜戦隊アバレンジャー
 (坂本太郎:14本 諸田敏:12本 渡辺勝也:10本 中澤祥次郎:8本 小中肇:4本 竹本昇:2本)
特捜戦隊デカレンジャー
 (竹本昇:13本 中澤祥次郎:10本 渡辺勝也:9本 坂本太郎:8本 辻野正人:6本 鈴村展弘:4本)
魔法戦隊マジレンジャー
 (渡辺勝也:15本 中澤祥次郎:14本 竹本昇:12本 鈴村展弘:8本)
轟轟戦隊ボウケンジャー
 (諸田敏:13本 竹本昇:12本 中澤祥次郎:10本 渡辺勝也:6本 坂本太郎:6本 鈴村展弘:2本)
獣拳戦隊ゲキレンジャー
 (諸田敏:13本 中澤祥次郎:12本 竹本昇:12本 渡辺勝也:8本 加藤弘之:2本 辻野正人:2本)
炎神戦隊ゴーオンジャー
 (渡辺勝也:14本 諸田敏:12本 竹本昇:10本 中澤祥次郎:6本 鈴村展弘:4本 佛田洋:2本  加藤弘之:2本)
侍戦隊シンケンジャー
 (中澤祥次郎:12本 竹本昇:12本 渡辺勝也:8本 加藤弘之:8本 諸田敏:6本 長石多可男:2本  柴崎貴行:1本)
天装戦隊ゴセイジャー
 (加藤弘之:13本 竹本昇:10本 中澤祥次郎:10本 渡辺勝也:9本 長石多可男:4本 諸田敏:2本 鈴村展弘:2本)
海賊戦隊ゴーカイジャー
 (中澤祥次郎:10本 竹本昇:10本 加藤弘之:10本 渡辺勝也:9本 坂本太郎:8本 坂本浩一:4本)
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 最小は『マジレンジャー』の4人。最大は『ハリケンジャー』の8人。最多パターンは6人。
 二桁以上の参加は、以下(本数順)。

渡辺勝也:113本(11作 ※パイロット版4作・最終回3作)
竹本昇:109本(11作 ※最終回3作)
諸田敏:101本(8作 ※パイロット版3作・最終回2作)
中澤祥次郎:96本(12作 ※パイロット版3作・最終回2作)
坂本太郎:38本(6作 ※最終回2作)
加藤弘之:35本(5作)
小中肇:24本(3作 ※パイロット版1作)
鈴村展弘:20本(5作)
松井昇:12本(2作)

 トップは、同期の『仮面ライダークウガ』に参加していた為に不参加の『タイム』を除き、『ガオ』以降の11作品に参加した渡辺監督。パイロット版と最終回の参加も最多であり、00年代のシリーズを代表する監督といえます。
 ついで、90年代デビュー組ではローテ定着が一番遅かったものの、『デカ』以降は毎年コンスタントに10本以上を演出している戦隊ロボ職人・竹本監督。以前に別の企画で触れましたが、パイロット版未経験ながら、最終回は3回担当しているちょっと珍しいパターン。
 諸田監督は『ブレイド』『W』など《仮面ライダー》との行き来が多く参加は8作ながら、三桁本数。
 中澤監督は00年代初期の総集編のみ担当も含みますが集計した12作品全てに参加しており、ここまでの4人が、イメージ通りの00年代~主力演出陣で、他を引き離す担当本数。
 その後に、最終回担当が2作あるベテラン坂本監督、10年代以降の主力の一角となる加藤監督が続き、個人的に集計してみて驚いた事は、竹本監督のローテ定着が『デカ』からだった事と、坂本監督が割とコンスタントに参加している事。あまり、00年代戦隊における坂本監督のイメージが強くなかったので。
 10年単位ずつで比較すると、参加演出家の移り変わりが数字で見えてまた楽しそうですし、その気になれば本編を見ていなくてもそれは可能なのですが、ひとまず半端なデータでご容赦を。

◇脚本本数
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未来戦隊タイムレンジャー
 (小林靖子:40本 山口亮太:8本 井上敏樹:2本)
百獣戦隊ガオレンジャー
 (武上純希:38本 酒井直行:7本 赤星尚正:5本 中州千恵次郎:1本)
忍風戦隊ハリケンジャー
 (宮下隼一:23本 前川淳:9本 荒川稔:8本 酒井直行:7本 吉田伸:4本)
爆竜戦隊アバレンジャー
 (荒川稔久:26本 會川昇:9本 前川淳:8本 浦沢義雄:6本 鈴木竹志:1本)
特捜戦隊デカレンジャー
 (荒川稔久:27本 武上純希:15本 横手美智子:8本)
魔法戦隊マジレンジャー
 (前川淳:17本 横手美智子:16本 荒川稔久:11本 大和屋暁:5本)
轟轟戦隊ボウケンジャー
 (會川昇:23本 小林靖子:11本 大和屋暁:8本 荒川稔久:5本 武上純希:2本)
獣拳戦隊ゲキレンジャー
 (横手美智子:25本 荒川稔久:10本 會川昇:6本 小林雄次:4本 吉村元希:3本 中島かずき:1本)
炎神戦隊ゴーオンジャー
 (武上純希:25本 會川昇:9本 古怒田健志:6本 宮下隼一:5本 荒川稔久:3本 波多野都:1本 吉本聡子:1本 香村純子:1本)
侍戦隊シンケンジャー
 (小林靖子42:本 大和屋暁:4本 石橋大助:3本)
天装戦隊ゴセイジャー
 (横手美智子:24本 荒川稔久:10本 下山健人:6本 大和屋暁:4本 香村純子:3本 八手三郎:2本 石橋大助:1本)
海賊戦隊ゴーカイジャー
 (荒川稔久:25本 香村純子:16本 下山健人:6本 浦沢義雄:2本 井上敏樹:1本 石橋大助:1本)
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 最小は『タイム』『デカ』『シンケン』の3人。最大は『ゴーオン』の8人。
 メインライターの平均執筆本数は、約28本で、30本超えしているのは『タイム』『ガオ』『シンケン』のみ。少なくとも00年代~10年代初頭の《スーパー戦隊》においては、どちらかといえば分業体制が意図されていると考えてよさそうで、劇場版絡みと思われる小休止区間を除いて、ほぼ全話執筆体制の『シンケン』小林靖子のパターンは例外であった、というのはハッキリと見て取れます。
 二桁以上の参加は、以下(本数順)。

荒川稔久:125本 9作(内メイン3作)
小林靖子:93本 3作(内メイン2作)
武上純希:80本 4作(内メイン2作)
横手美智子:73本 4作(内メイン2作)
會川昇:47本 4作(内メイン1作)
前川淳:34本 3作(内メイン1作)
宮下隼一:28本 2作(内メイン1作)
大和屋暁:21本 4作
香村純子:20本 3作
酒井直行:14本 2作
下山健人:12本 2作

 トップは、集計12作品中4分の3に参加し、半分の6作品で二桁書いている圧倒的物量で荒川稔久。実に順当な結果となりましたが、本数が本数だけに出来不出来は当然あるものの、キャラの魅力を引き出すスタイル・多様な作品への適応力・基本的な技術レベルに裏打ちされたアベレージの高さ、とその貢献度が光ります。
 荒川さんに関しては、参加していない作品をあげる方が特性が出そうですが……『クウガ』と同期の『タイム』、居ても良さそうなのに居なかった『ガオ』、小林靖子が大半を執筆した『シンケン』の3本が不参加。
 こう並べると小林靖子メイン作品にあまり入っていないのですが、『ギンガマン』の際にちょっと書きにくそうな雰囲気はあったので、小林さんの作品世界とは、いまいち相性の悪いところがあるのかもしれません。……うがった見方としては、双方、女性キャラの描き方にこだわりがあるタイプなので、そこでバッティングする部分はあるのかも。
 ついで、メイン担当作品がいずれも40本超えの小林靖子。メインライター作品2作での生産力が目を引きますが、『ボウケン』のサブは大変いい仕事で、會川さんが一時離脱した作品を支えてくれました。
 3番手に、90年代後半から約10年、主力脚本家として活躍した武上純希
 小差4番手は横手さんで、劇中要素のまとめが得意で終盤に力を発揮する一方、作品のテーゼ構築の手腕は微妙なので印象がやや弱いのですが、この時代の主力の一人。
 逆にテーゼ構築に強いこだわりと個性を発揮するのが會川さんですが、渾身の『ボウケン』もさる事ながら『ゴーオン』のサブは大変良い仕事でした。あと、映画フリークとしての引き出しもあってか、『ボウケン』『ゴーオン』の劇場版がいずれも出来が良かったのが高ポイント。

◇レッドのメイン回
 レッドのメイン回を比べてみたら何か見えるか見えないか……全くの思いつきですが、()内は、(単独メイン+コンビメイン回)。
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 『タイムレンジャー』:タイムレッド17(6+11)回
 『ガオレンジャー』:ガオレッド5(5+0)回
 『ハリケンジャー』:ハリケンレッド8(4+4)回
 『アバレンジャー』:アバレッド9(6+3)回
 『デカレンジャー』:デカレッド16(8+8)回
 『マジレンジャー』:マジレッド14(10+4)回
 『ボウケンジャー』:ボウケンレッド9(6+3)回
 『ゲキレンジャー』:ゲキレッド13(10+3)回
 『ゴーオンジャー』:ゴーオンレッド11(5+6)回
 『シンケンジャー』:シンケンレッド12(4+8)回 
 『ゴセイジャー』:ゴセイレッド9(5+4)回
 『ゴーカイジャー』:ゴーカイレッド10(6+4)回
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 とりあえずわかる事は、前傾型(単独メイン多め)と後傾型(コンビ回多め)があって、
 明らかな前傾型は、ガオ、アバレ、マジ、ボウケン、ゲキ。
 逆に明らかな後傾型は、タイム、シンケン。
 作品全体の傾向とも関係するので、レッドだけ抜き出してもいまいちわかりにくい気がしてきましたが、『タイム』『シンケン』については、レッドを中心にしつつコンビ回重視、は明確な作品の特性かなと思われます。

◇16話ごろ、何してた?
 その年のカレンダーや、ゴルフや駅伝休みも関係するので必ずしも同タイミングとは限りませんが、2月半ばのスタート作品(集計12作品全てが該当)における、定番の大きなイベントタイミングで何をやっていたか一覧。
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 『タイムレンジャー』:蕎麦を打っていた(CaseFile.16「そばにある夢」 ※タイムシャドウ登場編は第19話から)
 『ガオレンジャー』:ロウキが出てきた(Quest16「魔笛、轟く!!」)
 『ハリケンジャー』:ハリケンジャーとゴウライジャーがバトルファイ島で死闘を繰り広げていた(巻之十六「霧と予言装置」-巻之十七「暗闇と死闘の島」)
 『アバレンジャー』:アバレサーフィンしたり梅雨前線山脈が噴火していた(第16話「乗ってけ! アバレサーフィン」-第17話「戦場のアバレかっぽれ」 ※アバレキラー登場編は第18話から)
 『デカレンジャー』:デカベースロボが起動していた(Episode.16「ジャイアント・デストロイヤー」 ※デカブレイク登場編は第22話から)
 『マジレンジャー』:ルナジェルが登場してブランケンとの激突の気運が高まっていた(Stage.16「門の鍵」 ※マジシャイン登場編は第20話から)
 『ボウケンジャー』:高丘映士がセロリを食べていた(Task.17「アシュの鏡」)
 『ゲキレンジャー』:マスターシャーフーにスキャンダルが勃発したり孤島で連続殺人事件が起きかけていた(修行その16「ジリジリ!臨獣拳、課外授業」-修行その17「ゴロゴロ!師弟愛」 ※理央との対決編は第19話から)
 『ゴーオンジャー』:ウイング族が登場しキラキラ世界が始まろうとしていた(GP-16「名誉バンカイ」-GP-17「正義ノツバサ」)
 『シンケンジャー』:野生の寿司屋が現れた(第十七幕「寿司侍」)
 『ゴセイジャー』:星を浄める宿命の騎士が断罪!鉄槌!(epic17「新たな敵! 幽魔獣」)
 『ゴーカイジャー』:凄い銀色の男が絡んできた(第17話「凄い銀色の男」)
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 ……いきなり『タイムレンジャー』が蕎麦を打っていましたが、
 新展開の端緒が『ガオ』『ボウケン』『ゴーオン』『シンケン』『ゴセイ』『ゴーカイ』。
 前章のクライマックス近辺が『ハリケン』『マジ』。
 その他が『タイム』『アバレ』『デカ』『ゲキ』。
 ……で、概ね大きめのイベント回と言っていいような微妙に言い切れないようなとなりましたが、『タイム』は作劇として90年代と00年代の中間的作品であり、『アバレ』は誤差の範疇として、第13話でデカマスターが登場している『デカ』、表裏ダブル戦隊構造の関係で追加戦士の登場が遅い『ゲキ』が、00年代に構築されていったセオリーの中では、やや変則的といっていいでしょうか。
 逆にいうと、パターンがあるようで内実はかなり色々やっている戦隊シリーズにしては、商業展開と直接絡む事もあって、第16話前後には大体なにかしら起きている、という方が適切かも。

◇第32話で、何してた?
 近年は割と夏休み中にも大きめのイベント回があったりする印象ですが、いわゆる夏休み進行を過ぎて、秋口に入り年末商戦を控えた30話台前半は大きめのイベントが起こりがちであり、集計12作品、第16話から約4ヶ月後の第32話に何をしていたのかを機械的に抽出してみました。
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 『タイムレンジャー』:ロンダーズに非協力的な犯罪者の身柄を巡り、タイムファイヤーとすれ違っていた(CaseFile.32「犯罪者を救え」 ※タイムファイヤー初登場は、第29話)
 『ガオレンジャー』:第三のハイネスデュークオルグ・ラセツ復活(Quest32「三匹が喰う!!」 ※第31話が、ガオイカロス誕生回)
 『ハリケンジャー』:宇宙サソリが解毒されて一甲復活(巻之三十二「死神と最終奥義」)
 『アバレンジャー』:ジャンヌとマホロの関係性が明らかになり、アスカとジャンヌが大爆炎に消える(第32話「アバレ爆竜フルスロットル」 ※第31話がアバレマックス誕生回)
 『デカレンジャー』:「おまえらの評価は簡単だ。グズでノロマなウスラトンカチ、 それが全てだ」(Episode.32「ディシプリン・マーチ」)
 『マジレンジャー』:レジェンドマジレンジャー誕生編が一段落し、窓際のウルさんに再び日光が当たる(Stage.32「父の言葉」)
 『ボウケンジャー』:「あっはは、別の人生って。明石から冒険取ったら、何が残るんだっつーの」「ナニが…………ナニが残るんだろう」(Task.32「ボウケン学校の秘密」)
 『ゲキレンジャー』:究極のパワハラvs至高のパワハラ、開戦(修行その32「ゾワンギゾワンゴ!集結、獣源郷」)
 『ゴーオンジャー』:「うつみ宮土理はぁ、キンキンの奥さんドリぃ!」……じゃなかった、古代炎神が発掘される(GP-32「秘宝ヲサガセ」)
 『シンケンジャー』:牛折神、出現(第三十二幕「牛折神」)
 『ゴセイジャー』:ゴセイアルティメットが降臨し、幽魔獣と決着(epic32「究極の奇跡を起こせ!」)
 『ゴーカイジャー』:ゴーカイガレオンバスター完成(第32話「力を一つに」)
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 概ね大型イベントの前振りないし真っ最中に、一つだけ燦然と異彩を放つのが不滅の牙ですが、続く第33-34話は新ロボ登場のレムリアの太陽編。
 『タイム』は上述したように、00年代に完成していくセオリー以前の作品なので少しズレがあるのですが、他に目立つところとして敵が巨大な悪の組織ではない『デカ』では、このタイミングがSWATモード修行編にあてられています。
 とはいえそれに合わせてデカウイングロボが登場するので、基本的にはだいたい、新ロボ追加タイミング(『タイム』も第30話でVレックス登場)。
 そう見ると最も異質なのは、新ロボの代わりに合体バズーカが完成する『ゴーカイジャー』でありましょうか。

 ……以前から、ある程度資料が揃ったら、こういった並べて比較をしてみたかったのですが、思いつきで適当な項目をやっていたら結構な分量になったので、むしろそちらの方が本題感のある〔ロボットと強化展開〕〔追加戦士エトセトラ〕に関しては、また次回にしたいと思います。