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ウルトラ強化週間

 なんだか現在、円谷脳につき。

ウルトラマンコスモス』感想・第52話

◆第52話「変身不能!?」◆ (監督:根本実樹 脚本:林壮太郎(原案:梶研吾特技監督:佐川和夫)
 突如、市街地のど真ん中に出現した怪獣ザゲル。捕獲を試みるチームアイズだが、今日も効かない麻酔弾に続いてあっさり撃ち落とされた上、それを救助すべくコスモスに変身しようとしたムサシは、怪獣に呼びかけていた謎の少女に不意打ちを受け、魔法のステッキを奪い取られてしまう!
 「あなたと青い巨人は、異星人や怪獣を、容赦なく攻撃する、地球人の手先でしょ」
 「それは誤解だ! コスモスも地球人も、意味もなく異星人や怪獣を、攻撃したりはしない!」
 「私は騙されないわ!」
 こと異星人に関しては、先制攻撃が当たり前でしたからね!!
 というか、『コスモス』宇宙は、何かと因縁つけてきては地球を消そうとする宇宙人多数ですからね!!
 少女から攻撃を仕掛けてきたと名目は立つものの、思いっきり光線銃で撃ち返しておいて(出力は絞っているのでしょうが)、倒れた少女に「大丈夫?!」と駆け寄るムサシも大概ですが、目を覚ました少女に、殺すつもりなら気を失っている内にとっくにやってるぜ、と凄んだのが効いて説得に成功し、宇宙旅行中の事故で地球に不時着した、と知る事に。
 「地球は恐ろしい星だと聞いていたから、本当は来たくなかったんだけど……」
 先輩たちの武勇伝がとんだ風評被害を……!
 「恐ろしい星?」
 「だって、地球人は争いを好み、平気で自然を破壊し、怪獣たちを排除しようとしてるんでしょう?」
 そこから文明風刺に持っていくのですが、現実へのフィードバックを意識した台詞の中で一続きにされると、そもそも各文明において「怪獣」と定義される存在は違うのではないか……と枝葉の部分がちょっと気になってしまいます。
 この「「怪獣」自体が比喩であり寓意である」為に「劇中で二重の例え話が発生してしまう」のは、『コスモス』でままある躓きで、もう少しずつ細部が丁寧ならな、と思うところ。
 怪獣と共存共栄が当然の惑星から来た少女に対し、アイズとコスモスについての誤解を解いたムサシだが、地球の環境から怪獣と少女を保護していたバリア装置のエネルギーが限界に達しつつあった。
 ムサシがアイズに連絡すると、アイズでは既にバリア発生装置を分析して地球人類の技術で可能な補強手段を探り当てており、二機の戦闘機から放射したエネルギーで怪獣のバリアの補強に成功するのはアイズの使い方として良かったですが……これはこれで、宇宙人のバリア発生装置を見た瞬間、ほとんどエネルギーが残っていない事がわかるなど、ドイガキが異常に有能になってしまうのは、悩ましいところです。
 まあ、スーパー科学者ポジションといえばそうなのですが、今作そのポジションは割と、一部ゲストに振られる作りだったので。
 作戦の成功も束の間、送電線に触れた途端にバリアが消滅してしまい、暴れ出した怪獣を止めるためにコスモス変身。
 宇宙に悪名を轟かすスペースヤクザ一家出身でお馴染みコスモスさんは、受けと回避に徹して怪獣の沈静化とバリアの回復に成功すると、折良く現れた救助船に連れられて、少女と怪獣は無事に宇宙へと帰っていくのであった。
 ……これ、ちょっとタイミングが悪いと、「愚かな地球人め(ぴーひょろろろろ~)」って、宇宙戦争が起きていたやつなのでは。
 次回――ラグストーン、チャージアップ!