『地球戦隊ファイブマン』感想・第42話
◆第42話「カンフー魂」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
話数的にそろそろ最後のメイン回という事でか、綺麗な刺繍の入ったカンフー道着に身を包んだレミが冒頭から立ち回りを見せる一方、バルガイヤー艦内の掃除中に見知らぬ通路を発見したガロア艦長は、噴き出した謎のエネルギー波によって今日も宙を舞っていた。
すると中空に浮かぶメドー様の髪が朱色に、化粧がより凶悪なものへと変貌し、基本的に「魔女」や「化け猫」を彷彿とさせるデザインでしたが、“美しさ”よりも“恐ろしさ”を前面に出した「夜叉」の形相へとグレードアップ。
さしものシュバリェも胡座をかいてはいられずに、自らカンフー道場へ殴り込んでレミを襲撃すると、レミが変身しようとした瞬間、そのエネルギーがヒルアゲハギンに吸収されてしまい、傍らに控えていたギンガマンが、マフラー巻いた偽ファイブイエローに銀河○生!
「レミ、ファイブイエローに殺される気分は、どんなものかな。ふふふ」
偽黄がレミを崖から投げ落とすと、トドメのレーザーを撃ち込むシュバリェ、さすがシュバリエ。
続けて偽黄がゾーンに追われているように見せかけて残り4人を誘き寄せるとそのエネルギーをも吸い取り、星川兄妹が全員変身不能な上に、そのエネルギーを借用した偽ファイブマンが誕生する、シリーズ史上でも屈指の大ピンチ。
「銀河皇帝メドー様! ファイブマンを使ってファイブマンを倒す! これこそが私の作戦だったのです!」
足下に火はついているものの引き続き有能さをこれでもかと見せつけるシュバリェにメドー様はにんまり笑い、絶体絶命となる4人だが、ジープで突っ込んできたレミに助けられ、辛くも逃走。
だが5人がベースで傷を癒やしている間にアサルトライフル片手に偽ファイブマンは大暴れを繰り広げ、もういっそ、突撃レポーターが再登場してインタビューを試みてほしい勢いでしたが、レミ回といえば八百屋、ギンガマン回といえば商店街、という事で、商店街で八百屋の軒先をひっくり返す嫌がらせに収束し、どうしてそうなった(笑)
純粋な少女が偽物を指摘し、その声に懸命に立ち上がったレミは飛び蹴りの一発で偽赤を変身解除に持ち込むと残りの偽物を相手に激しい立ち回りを見せて、これでもかの生アクション祭。
なお背後に、明らかにギャラリーの為の観客席が出来ています(笑)
偽ファイブマンが全員正体を暴かれると建物の影から顔を出すシュバリエだが、そこに、学たち4人が合流。
「ふん、変身できないおまえ達に、何ができる!」
「レミが教えてくれたさ。変身しなくても戦える事を!」
そう、戦士に必要なのは、鍛え上げた筋肉と、折れぬ精神(復讐心)!
そして数美は、敵のスペース拳銃を奪うのがちょっと癖になっていた。
5人が生身でギンガマンを叩きのめしたところで、ブレスのエネルギーチャージ完了。復活したファイブマンは、SFボールで今までの恨みをたっぷり晴らして、フィニッシュ!
ゴルリン34号が召喚されて、巨大ヒルアゲハに立ち向かったファイブロボは超次元ソードを奪われてピンチに陥るが、スーパーブラザージョイントからのスーパーベクトルパンチによりこれを抹殺するのであった。
基本、生アクションありきの内容で、そこに純粋な子供の眼差しと声援・大事なのは健全な精神と肉体、と繋げ、可も無く不可も無く、といった出来でしたが、なんとなく生アクションにするのではなく、必然としての「変身できない」を最大の危機と繋げてくるのは綺麗に収まりました……だけに、偽ファイブマンの行動が宿場町のヤクザレベルに落ち着いてしまったのがちょっと残念(笑)
次回――なんだか随分と珍妙な……。