東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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ギンテイブラックは不憫枠

地球戦隊ファイブマン』感想・第33-34話

◆第33話「必殺裏返し」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
 「何の真似だ?!」
 「予約したのさ」
 「予約?」
 「艦長の椅子、そろそろ返して貰えそうなのでな」
 シュバリェに挑発されたガロアは憤然と艦長の椅子に座り込むが……なにぶん予告で宙を舞っていたので、風前の灯火……!
 遅々として進まない地球侵略、上司からの厳しい視線、厭味な前任者の出現、と焦るガロアは、空と陸の王者を合身させてジュウオウ……もといゴリワシギンを生み出そうとするが、合身フランケンカプセル(というらしい)の扱いに失敗し、爆発と共に生み出されたのは、銀河闘士が前後でくっついた、これはこれで強そうなタイプ違いのゴリワシギン。
 紫「生兵法は大怪我の元」
 赤「ゴリワシいうより、ほとんどゴリ押しでんな」
 青「……一体あれで、何が出来るというんだろう」
 皆のツッコミがきつい、というか、生暖かい……まあそれはそれとして、“キザな強敵”ポジションを完全に失った銀河剣士は、新しい芸風を募集中です!
 とにもかくにも出撃したゴリワシは、艦長にどやされ、シュバリェに笑われ、裏と表で主導権争いを続けてグルグル回っている内に、回転暴風殺法に覚醒(笑)
 電話ボックスが宙を舞うのはなかなかの迫力で、現場に居合わせた星川兄妹はゴリワシに立ち向かうが、前後に死角なしの思わぬ強さに一時撤退を余儀なくされてしまう。
 「ガロア艦長、瓢箪から駒とはよく言ったものだな」
 「とんでもございません! 断じてあれはまぐれではありませんぞ! 私の才能が一気に花開き、遂にここに、究極の裏表合身銀河闘士が完成したのであります!」
 「ふん、嘘つけ」
 いちいち突っかかるシュバリェがちょっと楽しそう(笑)
 一気に攻勢に出ようとするガロア艦長だが、ゴリワシ対策に頭を悩ませていた学は、メンコを見てひらめキーングすると、ゴリワシにメンコで勝負を挑む。
 「兄貴、どういうつもりだ?」
 ……そ、蘇生の後遺症かもですね。
 ところが、自らのアイデンティティは裏にあるのか表にあるのかゴリラが表でワシが裏なのかワシが表でゴリラが裏なのか貼って貼られて貼り返されて裏は表で表は裏で裏の裏は表なのか、裏表をひっくり返す事に病的に執着するゴリワシは、学の目論み通りに、メンコに夢中になってしまう。
 「すっかりメンコの魅力に取り憑かれたわ」
 「そう、やってみると、面白いもんだ」
 ……もしかすると放映当時にレトロ遊びブームとかあったのかもですが、一体どこへ行こうとしているのですか(笑)
 功を焦る不憫艦長はゴリワシを鉄拳制裁するも反抗を受けて華麗に宙を舞うと、ゴルリン28号を召喚して強制巨大化。巨大ゴリワシの投げつける巨大メンコが星川兄妹を襲い、突き抜けすぎてちょっと面白いの領域には入っていますが、前回配信分との温度差に胃がひきつけを起こしそうです。
 艦長……不憫艦長……第1話の「子供だけでどこまで飛べるやら」は凄く格好良かったのに、どうして全力でコメディリリーフを獲りに走っているの艦長。
 スターファイブが発進すると、当然のようにメンコ対決が始まり、メンコの帝王・学アニキに高まる、不正メンコ疑惑。
 連戦連敗のゴリワシが物理に訴えてくると5くん人形による応援が挟まり、スーパーブラザーズジョイント! 回転メンコ攻撃をものともせずに突き進むSFロボスーパーベクトルパンチが炸裂し、思わぬ強敵だった裏表合身闘士は、その魂の彷徨ゆえに、地球に散るのであった。
 「負けた……ゴリワシギンが負けた……なんという事だ」
 「ガロア艦長、覚悟は出来ておるな」
 がっくりと膝を付いたガロアには陛下からのお仕置きサンダーが炸裂すると、続けて黒ゴルリンにむんずと掴まれ運ばれていき、果たして、ガロア艦長の運命や如何に?!
 「助けてくれぇぇぇぇぇ!!」
 ……最高幹部の情けない悲鳴でつづく、はなかなか珍しい例でしょうか(笑)

◆第34話「人間カン詰」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:曽田博久)
 シュバリェ、バルガイヤー艦長復帰。
 そしてガロア元艦長は、掃除係に転落していた。
 「艦長はん……」
 「ガロア艦長が便所掃除とは……」
 さすがにちょっと、いたたまれない感じの元部下たち(笑)
 「ははははははは! 一から出直すには、便所掃除と相場は決まっておるのだ。ふふふふ……ん? ガロアくん、磨き方が足りないな、磨き方が。もっと心を込めて磨きたまえ」
 「……ぬぅぅぅぅ……無念!」
 ……とりあえず、そのごつい鎧兜は、脱いだほうがいいのでは。
 ガロアが惨めに転落する一方(とはいえ監獄送りや処刑されずに降格で済まされ、意外と人材への意識あり)、艦内の酒場では優雅に弦楽四重奏が奏でられ銀帝軍ゾーンは雰囲気一新。
 「いい音楽に美味い酒……これに美味い食い物が揃えば最高だな」
 早速、部下の人心掌握を図るシュバリェは、就任祝いにこの世で最高の食い物を教えてやる、とサメジゴクギンを送り出し……そう、それこそ、人間カン詰!
 テニスコートを襲うサメ地獄(ワニカエルと同様、頭部はほとんどサメで、胸部から下にアリジゴクが融合したデザイン)は、地中に引きずり込んだ人間を次々と缶詰に変えていき、市民を助けた数美が早くも脱落。
 「一体どうする気だ?!」
 「勿論、食べるのさ」
 のシュバリェの表情が大変良い感じ。
 「お前達も缶詰にしてやる。ファイブマンの缶詰が五つ揃った時、我がパーティは、地球最後の晩餐会となるのだ」
 サメ地獄が青を缶詰にするのに失敗するとシュバリェは一時撤収し、数美ちゃんを早く食べたい、とピンクの缶詰に頬ずりするドンゴロスが、とっても猟奇です。
 「あと四つ……ファイブマンの缶詰、必ず揃えてやるぞ」
 それはそれとしてサメ地獄は今度は陸上部の女子を狙い……どうやら、K・S監督と同じ趣味の持ち主であった。
 銛を撃ち込んで倒そうとするも失敗して青が脱落し、バイクで勝負を挑むも、黄をかばった黒が脱落。追い立てられる赤黄はかろうじて退却するが、サメ地獄は次は女子バレー部を狙い……確実に、K・S監督と同じ趣味の持ち主であった。
 「……そういえば、サメジゴクギンは、ファイブマン以外は女の子しか狙わないわ」
 そして、それに気付くレミ(笑)
 おめかしレミがスカートを翻しながら囮になると、坂本こ……じゃなかった、サメ地獄を罠まで誘導して、鉤針で釣り上げる事に成功。宙吊りになったサメ地獄に赤が斬撃を浴びせると缶詰にされた人々が介抱され、5人揃ったファイブマンはエンドボールを叩き込んでフィニッシュ!
 ゴルリン29号により誕生した巨大サメ地獄と、黒ゴルリンの連携に対し、ファイブロボはスターキャリアの援護を受けると、フライングアタックでサメ地獄を一刀両断し、巨大戦で色々な技を見せてくれるのは良いところ……力強く登場したマックスマグマは、音沙汰が無いですが。
 「なかなかやるな、ファイブマン。また会おう」
 シュバリェと黒ゴルリンは去って行き、シュバリェの脅威を兄妹とナレーションさんとBGMが煽って、つづく。
 初登場から数えること7話、とうとうシュバリエによる宿敵剥奪が発生して司令官交代となりましたが、前任者のファイナルミッションが半ばギャグ回、更迭された前任者が継続雇用、はかなり珍しい印象。元艦長の捲土重来の可能性は残る形となりましたが、「おのれ……! 決してこのまま死ぬ俺ではないぞ……」(←このまま死んだ)の二の舞にならない事を、祈りたいと思います。
 ……ガロアくん人形と合体したら、ガロア完全体とかになれるのではないか。