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追加戦士! その名をギンテイワン!

地球戦隊ファイブマン』感想・第27-28話

◆第27話「眠れば死ぬ」◆ (監督:東條昭平 脚本:井上敏樹
 「九州だョン」の衝撃から1週間経って気付きましたが、第22話「光る美青年」辺りから、TV欄の都合によるサブタイトル5文字縛りが発生していたのでしょうか。……まあそれにしても、「九州だョン」は投げやりに過ぎましたが(笑)
 Vサターン星から銀河小包でやってきた宇宙一の暗殺者・カマキラーギン。小さな虫の姿から人間大になるや「頭が高い」とわめき出してビリオンと一悶着を演じるとあっさり蹴り倒されるが、その真の能力は、眠りに落ちた標的を夢の世界に連れ込んで一方的に攻撃する事で…………なんか、凄くあっさり、マグマベースに潜り込んでいるのですが。
 コウモルギンとは、本当になんだったのか。
 それはそれとして、学、そしてレミが死を呼ぶ夢の世界に取り込まれ、夢の中で受けたダメージが現実の肉体にもダメージを与える、恐るべき敵のスタンド能力に気付く星川兄妹。
 「この次眠った時、それがファイブマンの最期!」
 最初にカマキリが「俺様を誰と心得る」とかパロディやり始めた時はどうなる事かと思いましたが、カマキリを招聘したドルドラは割と真面目に作戦を展開し、睡眠不足のファイブマンを襲撃する銀帝軍。
 ドルドラの投げつけた催眠ガス弾により路上で眠り込んでしまったファイブマンは、夢の世界でカマキリの攻撃を受けて絶体絶命の窮地に陥るが、学と一緒に虫取りをしていたゲスト少年がスタンド攻撃中のカマキリ本体(虫モード)を発見すると、むんずと鷲掴みにした上で地面に叩きつけ……なんだか、解決手段も第3部ぐらいの『ジョジョの奇妙な冒険』っぽいノリ(笑) (※ちなみに、放映時期と第3部の連載時期が重なっていたり)
 スタンド使いがダメージを受けた事で夢の世界から解放された5人は、小型カマキリを揃ってつつき回すと、学アニキのやたら気合の入った「地球戦隊!」で揃い踏み。
 「夢の中ではいいようにいたぶってくれたな。今度は俺たちの本当の力を見せてやるぜ!」
 さすがに虫モードのままぷちっと潰される事はなく、主題歌に乗せてブラザーコンビネーションが炸裂すると、アースカノンでファイヤー!
 ゴルリン23号が召喚されて巨大カマキリが誕生するが、本体の戦闘能力は弱い設定なので巨大化しても盛り上げようがなく、初使用のシールドを手にしたスターファイブが適度に殴り飛ばしてから、ハングビームエンド(やっと聞き取れた)。
 ファイブマンの窮地を子供が救う → (為に)虫取り少年をゲストで出す → (登場の説得力を上げる為に)環境問題を絡めてテーマ性をまぶす、と逆算で要素が組み込まれているのはテクニカルなところで、最後も、ようやく見つけた蝶を捕まえるがすぐに逃がす、と手堅いオチ。
 安心して眠れるようになった兄妹が家路につくほのぼの大団円から、次回――宇宙から来たのど自慢?

◆第28話「地獄の合唱(コーラス)」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:曽田博久)
 地球に突如として飛来した謎の宇宙船から大音量で歌声が響き渡り……迷惑さ加減が、なんだかボーゾック。
 だが市民は何故かその歌声に聞き惚れ、地上に降り立ったのは、鎧姿の男とコオロギ型の異星人、そして、ギ、ギンガマン?!
 「わぁ~、格好いい!」
 「ほんと……なんて素敵な歌なんでしょう」
 レミと数美までうっとりした視線を男に向け、女性陣には投げキッスを、男性陣にはトランプを飛ばす、謎のキザ男。
 「ウェルカム、ファイブマン
 「俺たちを知っているとは、何者だ!」
 「バルガイヤー初代艦長、シュ~バ~リェーーー」
 キザ男は朗々と美声を響かせ、これは、つまり、ジュリーなのか……?
 「バックコーラスを務めるのは、ギンガマーーーン」
 そして、本当にギンガマンだった(笑)
 開幕からフルスロットルで奇天烈が絨毯爆撃されていき、銀帝軍の第一次銀河遠征作戦で得た褒賞を手に、故郷の星において優雅でただれた生活を送っていた初代艦長は、ひたすらマイペース。
 「美味い酒に美しい女。まさに薔薇色の日々であった。だが、そんな生活にも、退屈した。そこで銀河の歌手にでもなろうかと思ったという説明では、いかがかな~~~」
 星川シスターズが敵意を全く見せずに熱視線を送り続ける中、銀河闘士コオロギンのバイオリンに合わせてシュバリェが美声を響かせると星川ブラザーズの脳に激しい痛みが走り、変身する赤青黒だが地獄のコーラスにより近付く事も出来ずに叩き伏せられ……色々出鱈目・イメージカラーが白・手持ち装備がステッキ・キザ……ともしかして、かの“白い鳥人”ビッグワンがモチーフだったりするのでしょうか。
 つまり、ビッグワン=宮内洋=歌が……=じ、地獄のコーラス?!(手記はここで途切れている)
 近い作品では、キロス→ヤミマル、の流れを感じますが、いまひとつ上手くはまらなかったキザ系悪役へのこだわりがあったのか、或いは“鎧もの”の取り込みのように、当時の流行が何かあったのか(この点では、キロスもヤミマルも、ヤンキー要素を持っていたのですが、今のところシュバリェは、そこから離れた感じ)。
 バルガイヤーではザザとドルドラも骨抜きに魅了され、最近なにかとストレスの溜まりがちなメドー様は、歌の力でコオロギを巨大化させたシュバリェに洗脳ソング大作戦をプレゼンされると歓喜の涙をこぼし、俺、会社辞めて歌手デビューするんだ、と言い出したOBの帰還で銀帝軍に走る大激震。
 とりあえず、新たな強敵なのか、猛暑が生んだ夏の幻なのか判断に悩みますが、シュバリェは巨大コオロギの肩に乗って「HERO(ヒーローになる時、それは今)」(甲斐バンド)を熱唱し、それを阻止するべくスターファイブを発進させるファイブマン。コックピットでは赤青黒の後ろに座る数美とレミが、相変わらず両手を組み合わせてシュバリェを見つめ続けているのが、なかなか突き抜けた演出。
 「シュバリェ! 地獄の歌など歌わせるものか!」
 「……折角いい気持ちで歌っていたのに、邪魔をするか。無粋な奴め!」
 殴りかかるスターファイブだったが、音波攻撃に行く手を阻まれた上、シルクハット攻撃を受け、スーパー合体も失敗。その際の衝撃でシスターズが正気に戻るもスターファイブのダメージは大きく、代わりに立ち向かうのは、アーサーが乗ったファイブロボ!
 なんだかもうすっかりファイブロボを操縦してしまえるアーサーですが、おそらく星川博士は科学アカデミアに在籍していた事があり、星博士の下でプロトコロンさんの開発プロジェクトに参加していたに違いありません。
 「兄弟ロボットのチームワークを見せてやるんだ!」
 スーパー合体不能の危機に、学アニキがファイブロボに乗り込むと二大ロボの物量で逆襲を目指すが、地獄のコーラスの前に立ち往生。
 「歌だ! 歌には歌で対抗するんだ!」
 近距離でナパームを浴びて脳細胞がエマージェンシーの学アニキは矢継ぎ早に対抗策を思いつき、コックピットで始まる主題歌の大合唱。劇中人物による主題歌の歌唱はメタすぎて少々乗りにくく(以前に『チェンジマン』でもやってますが、ストーリー上の重要回では無かったですし)、この辺り、ドレミファイト回は改めて選曲が良かったな、と。
 他に何を歌うのか、と考えると難しいですし、既に、5くん人形(第四の壁を越え気味)が居るといえば居るのですが。
 兄妹コーラスvs地獄のコーラス、もはや音量勝負の歌合戦に勝利したファイブマンは、主題歌2番の歌詞をバックに、スターファイブがキャリアに変形すると、その上にファイブロボが乗るライディングファイブロボを発動し、兄弟ロボフライングアタックでコオロギ闘士を一刀両断(これは面白いアイデアでした)。
 「見たか! たとえ合体できなくても、二つの力を一つに合わせる事ができるんだ!」
 「……ふふっ、ファイブマン、帰ってきた甲斐があったぞ。おまえたちとの戦い、面白くなりそうだ。ふっ」
 パラボラアンテナ型宇宙船に乗ったシュバリェはギンガマンを背に従えて離脱していき……どうやら銀帝軍に新戦力登場! なのですが、勢いに任せてギンガマン復活! のインパクトが(今見ると)かなり大きく、初代艦長とコーラス部分のハッタリに加え、サー・カウラーとエイリアンハンター部隊(『超新星フラッシュマン』)みたいなイメージもあったのでしょうか。
 なお、シュバリェを演じるのは、その『フラッシュマン』で、ダイ/グリーンフラッシュを演じた植村喜八郎さんですが、衣装と化粧があるにしても、全く同じ役者さんに思えなくて凄い。
 九州の地で解体寸前となったギンテイジャーに濃いめの味付けの追加戦士が助っ人に現れ、故事に則り宿敵強奪は発生してしまうのか?! 果たしてガロア艦長は20年越しの因縁を活かしきる事が出来るのか、それともスーパーマルチタクシードライバーへの転職を余儀なくされてしまうのか……予断を許さぬ緊迫した状況の一方で、合間合間に挿入される5くん人形の気の抜けた感じが如何ともしがたいですが、次回――更なる衝撃?!
 ところで、文矢と子供たちによって愛情を込めて作られたのは同じながら、“悪役”の人形であったが故に悪として振る舞う事を余儀なくされ、毎度5くん人形に折檻を受ける羽目になるガロアくん人形の扱いがなかなかに不条理で気になってしまうのですが、風よ、雲よ、太陽よ、心あらば教えてくれ。なぜこの世に産まれたのだ!
 どう生きるかを決めるのは、自分自身だ!