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奴らに拳を

ウルトラマンコスモス』感想・第7-8話

◆第7話「空からのプレゼント」◆ (監督:小中和哉 脚本:武上純希 特技監督八木毅
 地球に落ちた三つの隕石……その正体は、惑星の技術レベルを判断する“箱”と、怪獣を内部に収めた二つの“卵”。箱はアイズ、卵の一つは小学生の少年に拾われ、箱の分析・卵A追跡・卵Aと子供たち・卵B探索、の4つの流れを同時進行するドタバタ劇風味の味付けで展開。
 苦心惨憺の末に箱の開封に成功するドイガキだが、そんなあなたに文明抹殺をプレゼント! とタチの悪いトラップが発動して、卵から怪獣ガモラン(明らかに『ウルトラQ』のガラモンそっくり)が覚醒。卵Bから覚醒したガモランは頭部に頭飾りが接続されると巨大化して暴れ出すが、子供たちに囲まれていた卵Aから目覚めたガモランは頭飾りとの接続に失敗し、片やガラモンもどき、片やピグモンもどきの二体が誕生。
 一方的で理不尽な文明抹殺宣言、通常は大人しい宇宙生物を怪獣兵器として操るこのやり口……恐らく、背後に銀河共和同盟(『ウルトラマン80』)の存在があります。
 リーダー機とドイガキ機がガモランに立ち向かう中、ビッグガモランとミニガモランを親子と勘違いする少年たちだが、ミニガモランがビッグガモランの攻撃を受けて倒れ、ムサシはコスモスに変身。
 しかし、高度なスペース拳法の使い手だったビッグガモランに突き技からの投げ落とし、ストンピングからの連続蹴りを受けたコスモスは、テクニックにはそれを上回るパワー! とコロナモードに変身。
 逆立つリーゼントからの連続攻撃を浴びせると、勢いに乗せて今必殺のコロナアタックを叩きこもうとするが、少女の声がそれを止める。
 「やめてウルトラマンコスモス!」
 「やめてコスモスー!」
 ……あれ? ここで爆殺したら、SNS大炎上で、私明日から、地球での評判がた落ち? と棒立ちになったコスモスは横から体当たりを喰らい、世間の逆風からの大苦戦。
 ビッグガモランの破壊光線を浴び膝を付くコスモスだったが、ミニガモランが間に入ると攻撃を受けて倒れ、その隙に体制を立て直すとビッグガモランの頭部に貼り付いたコントローラーを破壊。……これにて一件落着となるのですが、ミニがビッグの攻撃を受けてひっくり返る……が大丈夫でした、を2回繰り返すのは、クドくなったなと。
 デザインからしピグモンモチーフなので、2回死んだように見えるがいずれも甦る、自体がifとしての原典オマージュであったのかもしれませんが、だから良いわけではないですし。
 2体のガモランは保護区域で暮らす事になり、子供達と楽しそうなその姿に、思わず頬を緩めるフブキ先輩のガードを削りきるまであと一歩だムサシ!
 予告からサブタイトル、導入の雰囲気までファンタジックなジュブナイル路線かと思わせて、肝心のプレゼントに悪意しかない! という捻り方は面白かったです。
 許すまじ、銀河共和同盟。

◆第8話「乙女の眠り」◆ (監督:小中和哉 脚本:川上英幸 特技監督八木毅
 以前にも触れましたが、登録名で苗字が存在しない世界で「名前+隊員」で呼べば自尊心が満たされる、というのもちょっと無理があると思うのですが、「モリモト隊員と呼んで下さい」と言ったら言ったで今度は「ムサシ問題」と「キャップ→シノブ問題」が浮上するわけで、そもそも名前ネタはやらない方が良かったよな、と。
 そんなわけで男連中からの「ちゃんにピーに呼び捨て」に激怒するアヤノだが、揃って笑い飛ばされた挙げ句……泣きついたキャップは「頼んだぞ、アヤぴょん」を炸裂させ、腹を抱えて大笑いするムサシ・フブキ・ドイガキ、君ら、笑い事にならないレベルで最悪だぞ。
 ここに園田真理が居たら、全員床に正座で3時間の説教を受けた末に強制ファイズギアの刑(ただただ後ろに思い切り跳ね飛ばされる)だぞ。
 私は割と、こういうのが気に掛かる方だという自覚はありますし、20年前の作品である事を考えると、あまり目くじら立てる部分ではないのかもですが、同僚女性を一方的に小馬鹿にする男3人の好感度はストップ安だし、明らかにこの空気を良いものとして先導しているキャップへの不信感は青天井だし、後から来たので状況がよくわかっていないとはしているものの、どう見たって感じ悪く笑い続ける男3人に対して無反応のリーダーの置物感は右肩上がりであり、アヤノはアヤノで上官二人が絶望的に役に立たない事を突きつけられて、誰一人として得をしない地獄のような日常シーンが発生。
 例えばアヤノが明確なミスをした事を茶化されていたとか、或いは部屋に入ってきたリーダーが男3人をたしなめた上で、アヤノに「もっとしっかりするように」みたいに言うとかならまだちょっと印象は変わるのですが、女性リーダーを設定した上でなお、この実質的セクハラ(&パワハラ)の看過が常態化しているのは、あまりにも無邪気というか無頓着というか、率直に、だいぶ引きました。
 この後の展開を見るに、“幼い頃に抱いた夢を胸に頑張る女の子”の話をやりたかったのだとは思いますが、周辺レギュラーの好感度をごっそり削らないと出来ないのかというか、削っている自覚が無さそうなのが、辛い。
 あまりに辛くて、アヤノにはなんの責任も無いのに、話の内容が全く感情の針を動かさないレベル(案の定、男3人はなんの反省もしっぺ返しもないですし)。
 舞台の書き割りのような平面的なものも交えた、悪夢の羊怪獣との戦闘シーンのセットは、面白かったです。
 次回――カオスヘッダーさん久々のお仕事。そして、小僧案件?!