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仮面ライダードライブ』感想・第2話

◆第2話「仮面ライダーとはなにか」◆ (監督:田崎竜太 脚本:三条陸
 ドライブとなって謎の怪物を倒すも胸のつかえが消え去らない進ノ介は、考えるのをやめてサボっていたところを、「ドライブは誰にでもなれるわけじゃないんです」と霧子に連行され、煮え切らない進ノ介の態度に、「なれるものならなってます!」と怒りの感情を向ける霧子が引き続き訳あり感。
 謎の怪物は、人類に破滅をもたらすもの・ロイミュード、ミニカー軍団は人類に奉仕する存在・シフトカー、と説明され、そもそも情報通すぎてベルトさんが一番怪しい、と刑事らしく探りを入れる進ノ介。
 隠し事の気配を感じてアクセルを踏み込みきれない進ノ介は、半年前の事故で刑事の道を絶たれたリハビリ中の元同僚・早瀬の元を訪れ、シフトカーを使って、ごく当たり前のようにそれを盗み見ているベルトさん。
 「俺に悪いと思うなら、動けるおまえが代わりに俺の分まで、市民を守れ」
 その言葉に過去から走り出す覚悟を固め、鎮痛剤を目にした進ノ介のエンジンにガソリン入る。
 「脳細胞が……ヒンズースクワットを開始したぜ!」 (※アルケミースターズシステム)
 ……じゃなかった、
 「脳細胞が……トップギアだぜ!」
 進ノ介は事件現場に残されていた遺留品の意味に気付き、普段は緩めているネクタイをしっかり締めるのが本気のサインというのは、映像的にわかりやすい切り替えスイッチで好きです。
 事件の本質は連続殺人未遂事件ではなく、誘拐事件の食べ残し。人間の健康な肉体を求める犯人は、薬などを持ち歩いている人間をその場に放置していき、真の被害者は、誘拐されていたのだった!
 今の今までそういう世界観ではなかったので、進ノ介の割と突飛な推理を皆がすんなり受け入れるのはやや乱暴になりましたが、進ノ介のエリート時代を知る刑事が動き出すのは、進ノ介の能力に信頼を置いているからこそだろう、というのはスマートな見せ方になりました(特状課には否定的だが、進ノ介の事情は理解しているのは、巧いバランス)。
 進ノ介を中心に特状課の歯車が回り出すと、おにくミュードのアジトは閉鎖された遊園地と判明。無事に被害者たちを発見する進ノ介だが、新たな姿へと進化したおにくミュードが広範囲に重加速現象を引き起こすと、更なる人間の肉体を求めて、街へと向かってしまう。
 追跡しようとする進ノ介の前にはまたも増援としてナンバー093と071が立ちふさがるが、ベルトさんの操るトライドロンが駆け付けて、凄く普通に銃器が火を噴くぜ!
 ……進ノ介、何かの拍子に接触事故でも起こした日には車輌を調べられてブタ箱まっしぐら確定ですが、もしもの時はベルトさんが揉み消してくれるのでしょうか。
 「やってくれるのか、進ノ介」
 「奴に追いつけるのも、走れるのも俺一人。だったらやるしかないんじゃない。……もう考えるのはやめた。俺は警察官だ! 親友の分まで走るだけだ!」
 親友の言葉により過去のトラウマを完全に振りきった進ノ介がアクセルを踏み込むと、急に流暢な英語になったベルトさんの声に合わせて座席でそのまま変身し、トライドロンの形状も少し変形して……ちょっと恥ずかしめの特状ステッカーが、消された(笑)
 立ち上がりの早い内に一回バイクアクション回を入れてアリバイを作るのは《平成ライダー》恒例イベントですが、今作はそれがカーアクションとなり、タイヤ増えーるしたトライドロンは瓦礫を押しのけて激走すると、093と071を、撥ねた!
 そして、念入りに轢き殺した!
 かくしてヒーローのイニシエーションを達成したドライブは、残るスーパーおにくと今回も主題歌バトルに突入し、なにぶん胴体にタイヤが斜めにはまっているので、地面に倒れにくそう。
 おにくミュードの豪腕に苦戦するドライブは、ジャスティスハンター(名前が危ない)にシフトチェンジし……なに……それ? 敢えて言うならラジエーターぽい鋼板は、相手の頭部を殴りつける手持ち武器、ではなく簡易鉄格子キットで、腐ったロイミュードには高圧電流だーーー!!
 ドライブは、パチンコ玉のように自らをタイヤで弾き出しながら加速・回転するライダーピンボールパンチを身動き取れないおにくミュードに叩き込み、今回も、必殺技がエグかった。
 「まさかおまえは……仮面ライダー!」
 サブタイトルに冠された「仮面ライダー」の名称は爆死直前の敵から告げられ、ベルトさんは改めて進ノ介に、ロイミュード撲滅を依頼。
 「敵は全部で、108体。……いや、これで残り、103体だ」
 果たして、「仮面ライダー」とはなにか?
 進ノ介の問いかけに霧子は何故か笑みを噛み殺すような表情を浮かべ、サブタイトルから“仮面ライダーとはなにか”が指し示されるのかと思いきや、まさかの疑問系のまま(笑)
 「悪くないじゃないか。仮面ライダー――ドライブ」
 そして二人のやり取りを、ナチュラルに盗聴しているベルトさんであった。
 冒頭、元人間である事を暗示されたベルトさんですが、ベルトの体は電気羊の夢を見る事があっても、人としての良識は捨ててしまったのか。
 ……このナチュラルにアレな感じは、90年代東映マッドサイエンティスト(脚本:杉村升)の系譜を感じて、嫌いではないです(笑)
 一方、テロップでロイミュード幹部を名乗る、割といかついハート(赤)と、もっさり眼鏡のブレン(緑)が、おにくミュードの覚醒、そして敗北を知り、その前に死神ライダー・チェイス(紫)が姿を見せて、つづく。
 ハートとブレン、美形悪役ポジションとしてはちょっと微妙かな……と思っていたところにどうやら本命が現れ、果たしてどんな絡みになっていくのか期待。……ところで、思ったより筋肉質だったハート様、明らかに名前に引きずられている自覚はあるのですが、なんだか、核の炎に包まれた後の世界で、愛などいらぬ! とかしていそうな印象です。
 おにくミュードの引き起こしたどんよりの下、ハートとブレンが怪物へと変貌して重加速の中を歩んでいき、“常人の認知の外側にいる化け物”の表現としてはなかなか格好いいのですが、(なんだか)(からだの動きが)(ゆっくりだぞぉぉ)と自己申告が繰り返される重加速現象の描写はどうも間が抜けている上に映像的にも今ひとつ面白くなく、今後の工夫を期待したい部分。
 矢継ぎ早のフォームチェンジを最初から“そういうもの”として受け止めると、割とスッキリ見られたのですが……一番印象が変わったのは多分、シフトカー軍団がちょっと可愛く見えてきたところでしょうか(笑)
 今のところ一番、好感度が高い。