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アニメ『鬼滅の刃』雑感想

アニメ『鬼滅の刃』雑感想

 世相に乗って、ここしばらく、気分転換にちょこちょこ見ていたアニメ『鬼滅の刃』が見終わったので、ざっくり箇条書きの雑感(原作は未読)。

 ・スッキリしたキャラクターデザイン。
 ・モノローグ滅茶苦茶多い。
 ・割と顔芸路線。
 ・原作未読なので、アニメ版でどのぐらい再構成しているのかはわかりませんが、土下座したら全力で罵声を浴びせられた、悩んでいたらビンタされた、試験に行ったらなんかとんでもない鬼が出てきた、と序盤の要所要所で世界観で殴りつけてくるタイミングが巧い。
 ・当たり障りの無い流れになりそうなところから、今作はこういう物語なんです! とぶつけてくるポイントが良くて、立ち上がり5話の構成が、リズミカルでお見事。
 ・ゲスト悪役鬼に、いわゆる実力派声優をあてる事で、毎回毎回、悪役の存在感をしっかりと出す作りも巧い。
 ・山の鬼はかなり強烈でした。
 ・そしてそこから、そんな鬼の因果をも汲み取る炭治郎へ繋げてくるのが手堅い。
 ・それにしても鬼殺隊上層部は、「この十数年、なんか合格者少なくね……?」と思っていたのか、「どうせ生半可な奴は入隊後にすぐ死ぬし、まいっか」で済ませていたのか。
 ・そんな鬼殺隊のお仕事、現地で情報員と接触するとか、無いのか……。
 ・状況上、やむにやまれぬ面があるとはいえ、鱗滝さんの暗示により、立派な鬼蹴りウォーマシーンと化す妹。
 ・人は襲わないし一緒に居られるからまあいいかノリがちょっと怖いぞ炭治郎。
 ・……とはいえ続く浅草編も含め、周囲の人間を家族に見立てる事で守ろうとする姿は、鬼である妹のヒーロー性をあげつつ(改造人間テーゼ!)、始まりの惨劇――同時に兄妹の芯――を折に触れ物語に組み込む機能も有していて、シンプルだけど効果的。
 ・沼の鬼編で生き残った男の人、あのまま遺留品を提出したら、連続殺人鬼として逮捕されそうな気がしてならないのですが、鬼殺隊にはアフターサービス部門とか有るのでしょうか……。
 ・その勢いで、ど田舎の少年を東京浅草に送り込んで丸投げする鬼畜組織。
 ・噂の無惨様が登場し、この人が何故、ど田舎の雪山に出没したのかが気になります(笑)
 ・景気良く首が飛んだり、体が破裂したりする一方、主人公は感情表現がストレートで思っている事を全てモノローグで説明してくれて頻繁に顔芸するので、その辺りが割と広い年齢層に掴みやすいフックになっているのかなとは思ってみたり。
 ・……あ、妹に暗示かかっているの嫌だったんだ……良かった、ちょっとホッとしたよ炭治郎……。
 ・で、浅草ミッションはあれで達成した事にして良かったのですか!? あまりにも事前情報が少なすぎて、要請されたミッションを達成したのかどうかさえわからないぞ鬼殺隊! ……鴉が次のミッションを持ってきたのがサインという理解でいいのかもですが。
 ・善逸……尺を稼ぐのに便利な奴……。
 ・炭治郎の、「生真面目で感情表現が素直」ゆえに、「時折、凄まじく酷い事を口にする(考える)」は、主人公としてポテンシャル高いな……。
 ・なんか、凄いの(猪)、出てきた。
 ・稲田さんはやはり、プロレスラー枠。
 ・なんか、えげつない人(蟲柱)、出てきた。
 ・……これはつまり、「おまえが今まで朝食に食べたパンの枚数を教えろ」。
 ・妹も容赦なく吊して刻むスタイル(今作のゴア表現系では、一番のインパクトでした)。
 ・原作との兼ね合いで、どこで区切るか、から逆算して構成はしているのでしょうが、1クール目に比べると2クール目はややテンポが悪く、一つ一つの戦闘が冗長になった印象。
 ・まあこれは立て続けに見た為というのはあって、週1ペースでは印象の変わる所ではありましょうが。
 ・炭治郎、妹と一緒の箱に詰められて東京湾行きの危機。
 ・セクシーボイスでフワフワさせている間に「うちの組で認めてもらいたけりゃあ、下弦の一匹ぐらい、弾いてこい」と鬼畜命令をねじ込む御館様……まあ、鬼畜組織の親分だしな……。
 ・アフターフォロー部隊(というか、清掃処理班……?)とか、御館様はなんとなくお見通し(鴉パワー?)とか、幹部が出てきて組織の輪郭が見えてくると共に、幾つか穴が埋められつつ、火の呼吸と炎の呼吸? を紐付けて次なる戦いへ、というのは成る程。
 ・今作のキャスト傾向から、三木眞一郎さんはいずれ“悪い鬼”役で出てきそうだな……と思っていたら、お父さんでした。
 ・無惨様……めんどくさ…………。
 ・炭治郎は、一応、女性に「照れる」機能が残っていて、安心します(笑) この点、恋柱さんはリアクション要員として非常に優秀。
 ・そんな炭治郎、蟲屋敷を去り際に女の子を二人引っかけて、力強く走り去るのであった。
 ・アニメ最終回にして明かされる、やはり平然と日本刀を差して歩いていてはいけなかった件。
 ・……そして、メインのキービジュアルになっている、炭治郎・妹・善逸・猪、が揃い踏みするような関係性は、この26話の中では成立しなかったような……(笑)
 ・そういうところ含めて、原作を巧く咀嚼して作ったのだろうな、という印象。
 ・アニメとしては、主観映像を頻繁に活用 → 矢印鬼 → 鼓鬼 → 無惨様アジト、という、流れで用いられる「回転」の演出が面白かったです。

 そんなわけで、凄くツボに突き刺さるという程でもなかったのですが、最後まで飽きずに見終えられるぐらいには、楽しめました(なにぶん、きちっとアニメを完走できるのが、○年に一度、ぐらいの人間なので)。キャラクター同士の化学反応はここからが本番、といった雰囲気なので、この先の方が刺さってくる可能性は高まるのかな、とは思うところであり、劇場版への引きとしても、最終的には非常に巧いところで区切れたのだな、と成る程。