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『80』貯金

ウルトラマン80』感想・第30-31話

◆第30話「砂漠に消えた友人」◆ (監督:湯浅憲明 脚本:若槻文三
 地球に謎の物体が飛来し、矢的たちが戦闘機で現地に向かうと、いきなり廃墟の街並みが広がっているのが、掴みとして物凄い格好良さ。
 街を破壊した存在の姿は既に見当たらず、似たような事態が度重なる事から、キャップとチーフは防衛隊の内部にスパイが入り込んでいる事を危惧……その正体は、基地に出入りする新聞記者であり、広報のセラにとっては中学の先輩にあたる人物と同僚のカメラマンの2人組なのであった!
 冒頭の特撮映像は強烈でしたが、正直セラがあまり好きなキャラではない上に、いつの間にやらセミレギュラー扱いはまだともかく、ハラダとタジマが消えたこの次元でセラにメイン回、というのが素直に楽しみにくかったエピソード。
 謎の装置を仕掛けられた事でシルバーガルが暴走し、九死に一生を得た矢的が、機内に残されていたハンカチから問題の記者を疑ってマンションに忍び込むサスペンスが盛り込まれるのですが、「猛は、ウルトラアイで透視した」がこれといって何も見つからず、そうこうしている内に全く猛と関係ないところで宇宙人である証拠があがるという、要素の分裂具合が凄く『80』で、毎度毎度、どうしてそうなってしまうのか……。
 80変身カプセルをサイレンサーの様に光線銃に取り付けると威力が上がる新ギミックが二回ほど活躍し、追い詰められた侵略宇宙人は、全身銀色の怪獣ザタンシルバーを召喚。
 表面にザタンコーティングを施された怪獣はレーザー攻撃を無効化し、新兵器のGZ爆弾が投入されるも、これも無効。至近距離から爆弾を落として撃墜されると矢的は80に変身し、怪獣の溶解液に苦しめられるも、キック、キック、怒濤のキック!
 侵略ロボット兵器だと判明した怪獣の内部機構を凍結させ、ウルトラ念動波でこれを撃破するのであった。
 敬愛する先輩が宇宙人に殺害されて成り代わられていた真実にセラは号泣し……セラの少年期の思い出とか描かれてもな……しかも、長い……。
 その後ナレーションで、「ザタン星人は地球を諦めていないから、君の近くでも被害者が出てるかも……」みたいなシリーズ古典めいたオチになるのですが、直前にセンチメンタルを煽ったのと全く噛み合わず、非常に蛇足めいてしまいました。
 次回――予告時点で、特撮が凄い!

◆第31話「怪獣の種飛んだ」◆ (監督:外山徹 脚本:阿井文瓶)
 病気の母親の為に、病室をいっぱいの花で飾ろうとする少女マリコ。花壇に飛んできた見たこともない種を植えて育てると、それは見る見るうちに巨大な芽へと成長するが、巨大な花が咲くかもしれないと期待するマリコの気持ちを慮るあまり、矢的はその明らかにヤバい感じの植物を処分する事が出来ず……。
 教訓:人情に負けて、安易に外来種を育てるの、良くない。
 不気味に蠢く宇宙植物の見せ方に加え、巨大な植物怪獣の造形が大変格好良く、特に怪獣は、見た目も蔦を振り回す迫力も、ここまで屈指の出来の傑作怪獣。
 80との戦いも、まさかの飛び蹴り合戦が展開し、花粉攻撃から蔦による拘束を受けた80はウルトラ電流でこれに反撃。滅茶苦茶打点の高いウルトラニードロップを浴びせると、最後は触手を切り飛ばしてから必殺光線でフィニッシュ。
 枯れた花壇の花は80が生き返らせる奇跡をサービスし、少女周りはハッピーエンドで終わるのですが、80年の作品なので流すべきだろうとは思いつつも、主人公に「もしヤバい事になったら僕が責任取ります」と言わせた後で、防衛隊の戦闘機が立て続けに無惨に撃墜されたりするのは、どうしても引っかかってしまうのでありました(今作に限った話ではなく、昔からこういう話運びが苦手)。
 次回も、なんだか特撮が凄い。