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必殺光線は二度撃て

ウルトラマンG』感想・第1話

◆第1話「銀色の巨人(signs of life)」◆
 人類の火星調査隊によって火星の荒野で目撃される超巨大生物――その名を、ゴーデス。
 剥き出しの脳めいた頭部に芋虫のような胴体というグロテスクなデザインは知っていましたが、改めて今見るとクトゥルフ神話感もあるというか(脚本陣に小中千昭さんが入っているバイアスがあるかもですが)、火星で古代の遺物らしき彫像を拾う→謎の超存在を目撃(?)→宇宙船が壊れて帰還不能に→夢うつつの中で火星の荒野を彷徨う→先史文明?の遺跡に迷い込む……とかだと、まんまラヴクラフトめきますが、古典タコ型火星人のアレンジとしても面白いデザイン。
 ゴーデス、そしてゴーデスと戦う人型の銀色の巨人の映像を収めて地球へ帰還しようとする調査隊だが、銀色の巨人は触手にはたき倒され、ゴーデスの攻撃により宇宙船は木っ葉微塵。
 立ち直った巨人が攻撃を再開してゴーデスを撃破し、自らは後に残って同僚を脱出させるつもりが、逆に火星の荒野で一人生き残ってしまった調査隊メンバー――ジャック・シンドーはこの未知なる存在と見つめ合い……一方、地球を怪しげ緑の光が覆い、それこそがゴーデス来襲の前触れだったのである!
 今作は、日本・オーストラリアの共同制作で、今回の公式配信は字幕版なのですが、ナレーションさんが、がつがつと固有名詞を説明してくれてわかりやすい(笑)
 ナレーション「これから始まる事を知る者が地球上に1人だけいた」
 「また会えるな、ゴーデス」
 ゴーデスが火星で爆発したのに次いで、地球に降り注いだ緑の光の正体は、寄生した有機体を操る宇宙細菌。その影響により地球では様々な異変が起こり始め、遂には二つ頭の巨大怪獣が出現。
 防衛隊ポジションらしきユーマの戦闘機が出撃し、しじゅう軽口を叩いていないと気が済まないのが、海外ドラマ的であります(笑)
 怪獣の攻撃により不時着したヒロイン・ジーンを助けたのは、火星に取り残された筈のジャック。怪獣の生態を説明して夜を待つように助言するジャックだが、市民を守ろうとするジーンはそれに頷かず、ジーンが気を失った後に、ジャックは銀色の巨人へと姿を変える!(映像表現的に、ジャックそのものが巨大化しているのか、宇宙空間から銀色の巨人が憑依しているのか微妙)
 「何者です」
 「……“ウルトラマン”と呼んでた」
 基地から指示を出すユーマ指揮官(たたき上げの軍人感溢れる風貌)が、現場の隊員とは別口の情報を持っているらしく、怪獣や巨人について一定の認識をしつつ攻撃を指示するのですが、字幕の情報量の問題なのか、今後の布石なのか、情報の錯綜が若干わかりにくい事に。
 「ウルトラマン」の名称は火星からジャックがもたらした情報らしいのですが、火星調査隊のデータがどうやって伝わったのか、ハッキリしないですし(宇宙船の破壊前に一部のデータがリアルタイムで地球に送信され、上層部が隠蔽した、という事なのかもですが)。
 あまり字幕の作品を見慣れていないので、私の脳が情報の処理を巧く出来ていない部分もあるとは思いますが、とはいえ最近見た古い字幕の映画は特に混乱せずに見られたので、字幕と映像がちょっと独特の間合いになっているような印象あり。
 ジャックの変身した銀色の巨人――ウルトラマンは、火星に続けて怪獣の触手にぺちぺちはたかれ、ガス攻撃に苦しみながらも両の拳を突き出して放つ必殺光線で逆転勝利し、怪獣は消滅。
 火星のゴーデス戦に続き、必殺光線を連続で二回叩き込むのが独特ですが、これはつまり「銃爪は必ず、二度引け」「脳幹に二発」的な、光の国のウルトラ射殺マニュアルに基づく、標的を確実に仕留めるスタイルでありましょうか。
 ナレーション「ジャック・シンドーは火星から帰ってきた。だが、その生還は謎に包まれている。彼は誰にも告げられない。自分こそがゴーデスと戦うウルトラマングレートなのだと」
 アニメ『デビルマン』みたいな事を言い出し、バイクで走るジャックの姿で、つづく。
 字幕版の間合いが掴み辛かったのも含めて、大興奮で引き込まれるといったほどの第1話ではなかったですが、脚本担当の會川さんが「代表作の一つ」と述べているなど前々から興味のあった作品なので、誰も知らない知られちゃいけないジャック・シンドーの戦いを見ていきたいと思います。
 感想記事としては、配信の公開期間が2週間なので、『80』と交互に隔週2話ずつで書ければぐらいな気持ちの皮算用