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諸事情で先にハリケーン

忍風戦隊ハリケンジャー』感想・第39-40話

◆巻之三十九「七の槍と謎の石」◆ (監督:舞原賢三 脚本:宮下隼一)
 注目は、路上で片手腕立て伏せを始める鷹介。
 シュリケンジャーが統一感皆無で謎だらけなのは、物語の鍵を握る人物だからだ! と間違っていない気はしますが超強引なスライドが行われ、シュリケンジャーの正体を突き止めようと突然躍起になる鷹介たちは、トレンチコートの男(演:タイムイエロー/ドモン役の和泉宗兵)に変装したシュリケンジャーを尾行するが、まんまとまかれてしまう。
 サーガインの放った最高にして究極の傀儡・腐食忍者が金粉の雨を降らせるが、ハリケンジャーの攻撃でいきなり大爆発? ……と思いきや、爆風に乗って金粉が広範囲に広がった上に、腐食忍者は再生復活。駆け付けたゴウライジャーも力一杯倒してハリケンジャー同様に被害を広げてしまい、都市部では手の出しようがないと「とにかく、人の居ないところへ」誘導する5人だが……いや、あの、ジャカンジャ側に、ハリライジャーを追う理由が、無いのですが。
 復讐を第一に動いていたマンマルバを除くと、基本ジャカンジャの行動目的は“アレ”出現の為に「地球を腐らせる」事であり、作戦の明確な障害になる場合を除いてハリライジャー撃破にこだわる理由がないので、かなりの大穴に。
 一方、ムカデ城にはクワトロ、もとい、眼帯サメの七之槍・サンダールが参上。
 その実力を見せつけたサメが「同志として力を一つにしよう」と胡散臭い事を言い出すとサーガインを除く幹部陣がまんまと乗せられるのもかなり強引で、そろそろ残り話数が見えて描くべき要素とジャカンジャの整理を順々にしていく段階に入ったのでしょうが、雑さの目立つ展開になってしまいました(初登板の舞原監督が、いきなり新キャラを見せる事にもなって、ジャカンジャ側のテイストを掴み損ねていた部分もありそうですが)。
 特に、お調子者でふざけているが実力者ポジションだった筈のサタラクラが、ドラマ性の部分をゴウライジャーと因縁のあるマンマルバに持っていかれている内にすっかり埋没してしまっているのですが、果たしてもう一花、咲かす時間は残っているのか?!

◆巻之四十「オトリと忍の掟」◆ (監督:舞原賢三 脚本:宮下隼一)
 超忍法・影の舞、更には劇中ほぼ最強といえる空蝉の術さえ打ち破る、桁違いの力を見せつけるサメ。
 「こんなに早くエンドマークとはな。所詮この程度か。この星の忍者とは」
 謎の石が6人の怒りに反応している事に気付いたサメは、それにより生体エネルギーを吸収。赤青黄紅蒼は緑を逃がそうとスクラムを組むが、第一段階終了に満足したサメが扇から巨大怪獣を繰り出した事でなんとか撤退。
 「いいだろう。収穫は十分だ」
 謎めいた行動を取るサメは6人を見逃し、情報を求める赤青黄紅蒼に詰め寄られるも御前様については口をつぐみ続ける緑だが、腐食忍者が金粉攻撃を再開。おぼろ経由で御前様から届けられた防腐剤を使って対抗するハリライジャーだったが、実はそこには非情な罠が仕掛けられており、腐食忍者撃破の為の囮にされて……と忍者の闇が久々に表に出るのですが、「既に腐食忍者の再生能力を見破った後」「明らかに損耗する戦力の天秤が合わない」ので、囮作戦そのものが頓珍漢な事に。
 勿論、御前様が防腐剤を用意して囮作戦を仕込んだのは再生能力を見破る前なのですが、それはそれで「囮作戦で倒せる根拠が皆無」なので、第一目標は「目障りになってきたハリライジャーの始末」にしか見えず、しかし現状でそれをやるとまともな戦力が居なくなるので、御前様の行動が午前様。
 (……忍者は、命令のまま動いてこそ、忍者。命令のまま)
 結果として、シュリケンジャーの葛藤が、上司の明らかな作戦ミスに唯々諾々と従うべきか、という重いは重いものの大変微妙な事になってしまい、これなら、強敵撃破の為に命令で自ら囮になろうとしたシュリケンジャーを、ハリライジャーが止めるとか逆の方が良かったのでは。
 悩んだ末に緑は超忍法・分身魔球でハリライジャーを救い、千本ノックからビクトリーで、正面から堂々撃破で成敗バイ。心を一つに難敵に勝利する6人……は、トライコンドルの時にやっておく要素だったのでは? と、どうもシュリケンジャー関係は、イベントがズレ気味。
 「みんな、すまなかった。but、もうミーは、迷わない」
 豪雷旋風神がサメにエネルギーを吸い取られて危機に陥ったその時、緑が三味線をかき鳴らし、マンモスは初めて、劇的に参戦できたような気がします。
 究極必殺ガシャポン地獄により巨大腐食忍者を葬り去り、5人に友情を感じながら飛び去っていくシュリケンジャーだが、果たして、御前様とは何者なのか……地球忍者と宇宙忍者、どちらにも不穏の種が蒔かれながら、つづく。