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ちからをひとつに

超獣戦隊ライブマン』感想・第27-28話

◆第27話「娘よ!ギガ計画を射て」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 ビアス様、家出。
 大教授の失踪に、まとめて愛想を尽かされた?! とパニックとなるヅノーベースだが、当のビアス様から作戦指示書がFAXで届いて一安心。それを読んだギルドスとブッチーが出撃していき、既にコンビ扱いなのですが。
 地上では、ビアス様の高笑いに続いて激烈な地震が発生。次々と地震を引き起こしながら地下を移動する震源を観測したライブマンが、「もしかして……いよいよギガ計画が始まったんじゃ?」と出撃すると、その前に現れたのはドリルを付けた地震ヅノー。
 頭脳獣の強力な地震攻撃に加え、増援に加わったギルドスとブッチー(見た目に反して現在のところ作中最強の戦闘力かもしれない、ブッチー)の攻撃で変身解除級のダメージを3人が受けると、戦いを見つめていたジープの男が割って入り、めぐみだけを助けて走り去る(笑)
 「お父さん熊本におったんじゃなかと? なんしにきたんね?」
 「しれたこと。ボルトを倒すとたい。あぎゃん奴らにいつまで手間取っとる。見ちゃおられん」
 野郎二人が置き去りにされた事を忘れ去る勢いで繰り出される、凄まじい戦士脳(笑) 伊達に宇宙人の背後から思い切りアクセルを踏み込んでいません!
 「またんかーい! この世に悪の栄えた例しはなか! 肥後バッテン流弓術・岬与一郎、天に代わって、成敗いたぁす!」
 めぐみの父・与一郎(演:『科学戦隊ダイナマン』夢野博士の島田順司!)は、ジープで頭脳獣を追いかけると走行中の車上から狙撃しようとするが敢えなく転落。成り行きで幼稚園バスをジャックした頭脳獣のドリルミサイルを回避しためぐみはそのままバスの屋根のに飛び乗り、「お父さんがやってきた!」ネタから全く予想外のアクション巨篇がノンストップで大変な事になっております(笑)
 リアルハンターめぐみパパは斜面を利用してバスの前に回り込むと矢を射かけるも狙いを外してしまい、めぐみと共に人質に。頭脳獣にギルドスとブッチーも加えて走り去る幼稚園バスだが、何故か頭脳獣と関係なく地震が起こり……いずことも知れぬ場所で巨大な黒い影を見上げるビアス様、なんとなく某悪の組織の「ジャイアントデビルよ……ジャイアントディビルよ……おまえが存分に暴れられる日は近いぞ。おまえは全世界を征服できる」を思い出して、不安です。
 バスの後部に並んで縛られ、本当はめぐみに大量のお見合い写真を持ってきていたお父さん、ボルトのギガ計画が進行中に何を考えているのかと怒られて、反省。
 「戦士になる時、親子の縁は切ったのよ」と言いながら隠し持っていた(お父さんの荷物に入っていた?)ライターでロープを焼き切り自由を取り戻しためぐみは、体当たりで敵をまとめてバスの外に叩き落とし、強い。
 「だが喜ぶのは早いぞ。儂は腕は落ちても、目までは腐っておらん!」
 ここまでひたすら困ったおじさんだっためぐみパパが、バスに乗っていた保育士・運転手どころか園児らまでがモヒカン兵の変装だった事を見破り……今作の設定上は厳密にはおかしいのですが、ビアス様の指示によりマゼンダからダミーマン技術が提供されたという事で一つ。
 全てはギガ計画の本体から目を逸らす為、ライブマンを引っ張り回す陽動作戦であった事をめぐみパパが指摘し、バスから飛び降りたところで一同勢揃いしてバトルに突入。
 珍しくED曲を用いたバトルとなり、ブルードルフィンの戦いぶりに、確かに弓の技が伝わっている事を感じ取るめぐみパパ。ドルフィンバイクにまたがった青は、かつて父が船上から的を射たように、走行中のバイクからの射撃を頭脳獣に的中させ、めまぐるしいドタバタ劇のクライマックスにおいて父と娘のアクションが重なるのは、格好いい見せ方でした。
 巨大戦では頭脳獣の振動攻撃にひっくり返されるライブロボであったが、カウンターの掴み投げで形勢逆転し、スーパーライブクラッシュ。
 めぐみパパは、娘は大自然に嫁にやったのだ、と自らを納得させて熊本に帰っていき、アイドルと武闘派の欲張りなダブル特性のめぐみさんの魅力満載のエピソードとなりました。……やたらめったら戦士脳なめぐみパパは多分、10年ほど前は、鉄山将軍の下で戦っていた猛者。
 「ギガ計画……準備完了」

◆第28話「巨大ギガボルトの挑戦」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
 いよいよボルトのギガ計画が発動し、不吉な予感を覚える勇介たちの前に地の底から姿を見せたのは、夏休みの宿題、もとい漆黒の巨人――ギガボルト!!
 「はははははははは!! 武装頭脳軍ボルトの、偉大な科学力の象徴、その名も、ギガボルト。真の天才、大教授ビアス様自らお造りになった、天に二つとなき科学の最高傑作、ギガボルト。ドクター・ケンプ、今ここに賜り、世界征服の第一歩を踏み出すのだ!」
 ケンプは得意の早口で朗々とまくしたて、知能もプライドも図抜けて高いドクターケンプ(ら)が、「真の天才」であり“自らがかなわない存在”として心酔、忠誠を誓う事により、動きの少ないビアス様の格を上げると同時に、自らを天才と称し傲慢に振る舞いながらも、より上位の存在に唯々諾々と隷属してしまう事でケンプ(ら)の限界が示されているのが、武装頭脳軍ボルトの組織デザインで面白い所。
 「いよいよ始まったか……」
 ヅノーベースに帰還したビアス先生は、宇宙空間からライブロボvsギガボルトの戦いを見つめ、ギガ大胸筋に跳ね返されるライブロボパンチ! ギガ腹筋に弾き飛ばされるライブロボビーム!
 「ライブマン、これまで乏しい能力でよくぞここまで戦ってきた。誉めてやろう。だがそれもここまでだ。しょせん我ら天才に勝てるわけがないのだ。ははははは!」
 ギガボルトは、みんなの頭脳の結晶だ!
 ドクター・ケンプ、天才カテゴリの中では〔ビアス様-俺-その他の天才〕だけど、人類カテゴリになると〔選ばれた天才-愚民ども〕視点でスムーズに勝ち誇れるのが、時々、根っから悪い奴ではないのでは、という気がして困ります(笑)
 豪における「親」の要素のように、真っ当な「教師と友達」に出会っていたら、意外と「さあ! 野球やろうぜ!!」な道があったのかもしれません(それを、悪の組織の幹部という形に具象化された“歪み”として描くのが、今作のテーマの一つといえますが)。
 必殺の切り札・スーパーライブクラッシュ縦一閃も、天才達の友情の三叉槍に軽々と受け止められ、ライブロボ、遂に完敗。コックピットから投げ出された勇介たちにはアシュラが襲いかかるが、大地を揺るがし地平線の向こうからやってきた巨大メカ・バイソンライナーがギガボルトを攻撃すると3人を回収し、“バイソンのテツ”を自称するパイロットの青年は、弟分と共にボルトと戦う事を宣言。
 「二人揃えば天下無敵、ボルトなんか目じゃねぇんだ!」
 勇介らに対してはすげない態度を取る青年だが、負傷を手当しためぐみのヒロインムーヴがクリティカルヒットし、態度が多少軟化。
 「あんた達は、どうしてそんなにまでして、ライブマンを……?」
 「あたし達には、矢野卓二と、相川麻理という親友が居たの」
 めぐみの口から第1話が振り返られ、卓二と麻里、またも念入りに殺害される。
 「その時、あたし達3人は誓ったの。地球の平和を守り、卓二と麻里の仇を取ると……あのライブロボで。……だからあのライブロボを見捨てるって事は、二人への誓いを破るって事になるの」
 「いいか。もう一度だけ言う。ボルトはそんなに甘くないんだ」
 謎の青年に忠告を残して3人はライブロボ奪還の為に駆けていき、その背に向けて呟く青年。
 「……二人の事こんなに思っていたのか、ライブマンは」
 OPのクレジット時点で正体はだいたい判明しているのですが、ここまで戦ってきた戦士たちに対して後から出てきたキャラクターが「お前達はだらしない」みたいに一方的に突っかかってくるのはやはり感じが悪いので、早めに雪解けの道を用意してくれたのは良かったところ(基本的に、最初の段階で助けてくれてはいるのですが)。後、勇介と丈はめぐみと距離感が近すぎるので、ハンカチにちょっとよろめく男子、の今後にちょっぴり期待したいです(笑)
 勇介たちはマゼンダとアシュラに囲まれ、搭乗者の居ないロボットに攻撃を繰り返して高笑いするケンプ……ケンプ……
 「見たかライブマン。これが空中磔の刑だ。ふふはははははは、ふはははははは!!」
 小さい……某ハカイダーばりに小さいぞケンプ……。
 「取り戻すぞ、俺たちのライブロボ……」
 「ははははは、そんなにライブロボのとこへ行たきゃ一緒に送ってやるぜ。ただし、地獄へな」
 その時、再び戦いに割って入るバイソンライナーだが、ギガボルトの迎撃を受け、崖下へと落下。
 「どうしてそんなに」
 「アニキの、アニキの仇だぁ!」
 コックピットを降りた青年は、止めようとする勇介たちをふりほどいてギガボルトへと走るが、ギガボルトから放たれるビームで激しい爆発が巻き起こり、近い! 近いよナパーム!!
 でつづき、前半のライブロボ搭乗時以外、変身なしという思い切った変化球。
 夏休みの宿題完成に始まり、ライブロボ完敗・謎の新型メカ・謎の青年・そして爆発&爆発、と怒濤の展開となりましたが、次回以降に予想される展開を考えると、オブラー退場で第1部が終了し、準備編を挟んで第2部開幕を告げる、意図的に近い(第1話と重ねた)爆発?!
 卓二の弟は第5話で既に登場しているので、「上の弟」なのか「年下の従兄弟など」なのか「血縁関係のない弟分」なのかわかりませんが、予告にクーガーの姿が見えた気がするので、巧く繋がってほしいところです。
 そして次回――いよいよ姿を見せる2号ロボ! 『フラッシュマン』第18話、『マスクマン』第21話と比べるとかなり遅い登場となり(それ故のトリプルバズーカ投入でしょうか)、前2作では使いこなせていたとはいいがたいロボット二台体制を、今作がどう見せてくるのか、楽しみにしたいと思います。