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やや体調不良につき軽く一本

超獣戦隊ライブマン』感想・第15話

◆第15話「必殺!死神ガッシュ」◆ (監督:東條昭平 脚本:井上敏樹
 戦隊シリーズ史に残る、記念碑的一本。
 そう……東京ドームさん、初登場。
 毎度お馴染み後楽園ゆうえんち回ですが、この年(1988年)、東京ドームが開業し、俯瞰でワンシーン登場(なお、2003年に「東京ドームシティアトラクションズ」と改名されるまでは、遊園地部分は引き続き「後楽園ゆうえんち」との事)。
 ……エピソードの方は、残念ながらパッとしない出来。
 夜のパトロール中、ずんぐりむっくりした謎のロボットを跳ね飛ばしてしまった丈はとりあえず基地まで連れて帰るが、それはレーザー砲とミサイルを装備し、内蔵された未知のエネルギー鉱石を動力源とする、大変物騒なやつだった。
 「どうするつもり丈くん? はっきり言って、爆弾抱えてるみたいなもんだよ?」
 「そ、一回さ、分解しちゃって、じっくり調べて見た方がいいわね」
 前々回、コロンさんにロボットを越える友情を示した割にはざっくりと酷い勇介とめぐみですが、下手すると、どこかの企業から訴えられるから組織から刺客を送り込まれますからね! その点、パーツに分解してしまえば証拠は残りません!(え?)
 ところが応急修理をほどこしたロボットに情が湧いてしまった丈は「花子」と名付けて可愛がり、しばらく後楽園ゆうえんちでほのぼのシーン。しかし、花子の内蔵したエネルギー鉱石を狙うビアスが、我先にと手柄を争うケンプとアシュラを、最近失敗続きだからダンベル持って廊下に立ってなさい、と叱りつけると、ガッシュとファイヤーヅノーを地球に送り込み、漆黒のガンマン・不死身のガッシュの見せ場たっぷりでお届けするアクション主体回。
 花子を連れて逃げ続ける丈は、ドラム缶を投げつけても囮作戦を仕掛けても、ゾンビのように追いかけてくるガッシュをダンプカーで轢き潰そうとし、ちょうど、最新作『キラメイジャー』で悪の組織が追加戦士をダンプカーで轢き潰そうとしたばかりなので、変な偶然(笑)
 ガッシュはブレイン大開脚ならぬ腕一本でダンプカーを押し戻す凄まじい力を見せ、最後は、丈をかばった花子がガッシュに特攻自爆。
 本来の仇であるガッシュが半壊してしまったので、怒りのイエローライオンは猛然とファイヤーヅノーに攻撃を仕掛け、凄く、とばっちりです(笑)
 特攻を受けて左腕を失ったガッシュはそれでも普通にギガファントムし、頭脳獣の火炎放射を浴びるライブロボだったが、ビームからクラッシュで大勝利。
 そして本日も作られる、東映名物・勝手にお墓。
 ライブマンは花子を戦士として讃え、その勇気を胸に刻むのであった……。
 ロボットとの感情の交流をオーソドックスに描いてストレートに自爆に終わったのですが、2話前のコロン回と要素が被り気味な上、高度なロボットであるコロンさんと日常的に接している戦隊なので、花子の特別性が出せず、軸にしたギミックにこれといった面白みのないエピソードに(東映ゲストロボ的にはトンデモ度が足りないですし……むしろ、コロンさんの方がトンデモ)。
 丈の人の好さを描く、という点では良い回ではありましたが、アクションの見せ場はたっぷりだったものの、3天才+アシュラとは違う立ち位置のガッシュとは何者かもこれといって掘り下げられる事が無かったのも、物足りない出来。
 映画『ターミネーター』を下敷きにしたのかなとは思われますが、日本公開(1985年)から2年以上経っており、どうして急に『ターミネーター』だったのか(まあ、間を置いたからこそストレートにオマージュしやすかったのかもですが)。