『魔進戦隊キラメイジャー』感想・特別編2
格納庫で暇を持て余す魔進たち……君ら、普段、トークバラエティ、見ているのか(笑)
そんなわけで……
「相方が輝く時、石も輝く。今日は、相方大好き魔進が、熱く語ります――」
◆「キラメイジャーが10倍楽しくなる 魔進トークバラエティ キラトーーク(前後編)」◆ (監督:葉山康一郎 脚本:荒川稔久)
新型コロナウィルスの感染拡大にともなう撮影中断期間の穴埋め企画・第2弾。
各魔進がそれぞれの相方の好きなところを語りまくる、という体裁の総集編(なお、元ネタの番組は見たことない)で、改めて、怪人の特殊能力と一切関係なく、「頭を打って心が5歳に戻っちゃた時」凄いな……。
誉め倒す相方に対し、口じゃんけんに負けてMCを奪われた事でひたすら感じの悪いファイヤが、でもこんな所もあるよな……と難癖をつけて負の面を取り上げる事でオチにするのですが、「画伯と論外」については、闇に葬り去って欲しかったな、と正直。……それどちらかというと、充瑠の駄目な所だからな、ファイヤ。
そして、
「だってあいつ、すぐ投げ飛ばすだろ」
女帝を恐れぬ爆弾発言。……まあ、石は、投げ飛ばされる不安は薄そうですが……その代わり、医療用ドリルで砂になるまで削り尽くされるかもしれない。
めっちゃ感じ悪いファイヤは更に、ジョイスティック作戦の裏側までバラしてしまい……おかしいな……日曜朝の楽しいトークバラエティの筈が……大変空気悪いな……。
なおこの件は、「やっぱ為朝は凄いわ! チームのバランスの為に、儂をも欺くとは、さすが! 儂の相方! 改めて見直したわい」と、ショベ爺が為朝を好きすぎて大事には至らず。結果的に、タメくんの株がまた上がりました。
このエピソードは若干の引っかかりを残す解決手段だったので綺麗さっぱりして良かった部分はありますが、番外編で処理してしまった事で、今後、為朝がショベ爺に遠慮してる部分の掘り下げは、ちょっと望み薄になったでしょうか(為朝が爺ちゃんに対して抱える罪の意識を乗り越えてショベ爺と向き合えるのかどうかは、あってもなくてもどちらでもという要素ではあり、真面目にやりするぎると重くなりすぎそうな部分ではありますが)。
間に音楽コーナーを挟んで、キラメイジンの活躍ダイジェストを見せつつ、挿入歌をたっぷり聴かせてくれたのは嬉しかったです。挿入歌、ボーカルアルバムでも買わないとしっかり聴く機会が無いので、これに関しては、毎年やってほしいぐらい(笑)
Bパートは、マッハこいつ……間違いなくカラットの映像アーカイブから瀬奈お嬢様の映っている所だけ抜き出してメモリアル映像集作ってるな……と皆がどん引きし、最後はファイアが「充瑠は可愛い」を連呼しまくるちょっと意外な推しポイント。
充瑠とオラディンの関係性に触れられ、拗ねていたファイヤが皆からリーダーとして改めて認められて、なんかいい話風でオチ。
2回に渡るトーク後編は、ファイヤがMCとなってこれまでのバトル(敵)を振り返り、改めて邪面師はいい、邪面師はいいなぁ……今年はホント、怪人ポジションが大豊作。
そして、EDおまけ映像において珍獣みたいな扱いでちょっとずつ紹介されていた追加戦士が素顔を見せていよいよ名乗り、その名を、クリスタリア宝路(たかみち)。
……た……宝……路…………ほ……ホ……ホージーーーーー?!
下の名前より苗字(?)に注目するべきでは感がなくもないですが、果たして追加戦士は、SupercoolでWanderな男なのでしょうか。
なお変身後も含めた見た目の第一印象は、ヒゲを剃ったゲキチョッパー(久津ケン)がスクラッチを辞めてサージェスに就職。
とんでもないミサイルが投げ込まれ、次回――まさかのヨドトーーク。
◆「ガルザとクランチュラのジャメンタル研究所」◆ (監督:竹本昇 構成・脚本:荒川稔久 7・8話脚本:三条陸)
「ジャメンタルの事を教えに来てやったんだぞ」
と、親切極まりないクランチュラさんの用意した映像記録により、ガルザ覚醒について掘り下げながらガルザとクランチュラ視点でお届けする、7-8話(キングエクスプレス誕生編)の総集編。
さすがにそろそろ、穴埋めのネタも苦しくなってきた感はありますが(関係者の皆様、本当にお疲れ様です)、「ジャメンタルを使いこなす為の3つの要素」という本題はさておいて、クランチュラ回としては、非常に満足度が高かったです(笑)
-----
「兄弟だから力を合わせて戦えると思ったのに……」
「そんなもの哀れな幻想に過ぎん」
-----
「おまえ、ほうれんそう、って知っているか?」
「フン、バターソテーにすると美味い野菜だろう」
-----
「この時はおまえにも優しいところがあるんだなーと思ったが、完全に騙されたわ!」
「フン、甘いな。部下は手駒に過ぎん」
-----
「酷いねホントに。キラメイジャーもどん引きだ。なんで味方を斬っちゃうの」
「邪面師など、闇ゲートを開く為の消耗品に過ぎん」
-----
もはや所属組織が違う勢いですが、クランチュラさんはきっとガイアーク三大臣と仲良くなれるので、殉職の暁には、三途の川の底でいつまでも酒を酌み交わしていただきたい。
優秀な戦闘員にクランチュラが邪面を与えて邪面師になる事が明かされ、ウスギタゴールドはクランチュラでも年に2、3回しか飲めない超高級品という小ネタが挟まれ、3つの要素は、怒り、憎しみ、あと一つなんだっけ……? という話になり、「思い出せ。それが駄目なら考えろ」は、大変素晴らしかったです(笑)
そして、屈辱の強制連結シーンを再び見せつけられたガルザは、己の内に煮えたぎる感情から、最後の一つに辿り着く……。
「今再び屈辱を味わった事で、更にジャメンタルがたぎるのを感じた。これが三つ目の要素に違いない!」
つまり……Mパワー?
「教えてやろう、それは――嫉妬だ」
ガルザはわざわざクランチュラさんの首を絞めながら、それを宣言。
「キラメイジャーは更に強くなっていくだろう。だが、それを怒り、憎み、そして嫉妬すればするほど、ジャメンタルが俺を強くさせる!」
悪のライバル幹部が、(実質的に)「負ければ負けるほど俺は強くなる!」と言い出す飛び道具が放たれ、そんな発想の転換があったのか……とほとほと感心(笑) 同時に、ガルザが充瑠のひらめキングや、周囲の仲間の存在に嫉妬している事を認める、というのはちょっと面白い要素。……ガルザは多分、誰かに誉められたい。
ガルザのスモッグジョーキーへ向けるやや病的な愛着など、本編外での設定説明以上にキャラの掘り下げが行われた特別編でしたが、今年は話数削減の可能性が高そうな事を考えると、本編に準ずる扱い(本編5話分の補足情報)として受け止めておく方が良さそうでしょうか。自分のお気に入りのイラストを、いやここ、色は白の方がよくね? とか勝手に塗り替えられたら、それは怨念も渦巻こうというものです。許すまじ、暴君オラディン!
今回のおまけでは、ガルザがクリスタリアホージーに見覚えがあるらしい発言が挟まれ、次回いよいよ、煌めき、再び。
困難な状況下、それぞれ工夫を凝らした特別編で、面白かったです。