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気! 気! キラメンタル!

『魔進戦隊キラメイジャー』感想・第8話

◆エピソード8「エクスプレス電光石火」◆ (監督:竹本昇 脚本:三条陸
 「俺以外にも……キラメイレッド! 奴にも見えている! そうだ……奴は確か魔進を生み出した。だとしたら、兄上と同じ力を……」
 戦場に現れた光の巨神は赤とガルザにしか見えず、それに気付いたガルザは赤を特別視するように……となると、やはり前回のキラメイジン撃破にこだわったガルザの作戦がやたら回りくどかった事になってしまい――ジョーキーがキラメイジンに力負けした事はないので――第4話~第8話に至る流れで、修正の間に合わない急な変更でもあったのでは、と勘ぐりたくなってしまいます。
 「ジェッタ! ヘリコ! まだ飛べるか?!」
 「それは飛べって意味だよねアニキ……!」
 は、青とジェットの関係性がビシッと示されて格好良かった。
 分離合体したスカイメイジが牽制している間に消防車に戻ったファイヤーが気絶した赤を乗せたまま逃走し、追撃しようとするガルザだが、二首タガメ怪獣がエネルギー切れで活動を休止した事により、キラメイジャーは撤退に成功。
 「ふざけんなおまえら!」
 充瑠はそのまま医務室に運び込まれ、目覚めたら更なる特訓だ! 私は特訓が大好きだ! 泣いたり笑ったりできなくなるまで特訓してやる! 君なら引き出す事ができる、オーラーパワーを! と燃え上がる為朝らを、ファイヤーが一喝。
 充瑠が ちょっとM 喜んで特訓を受け入れているとばかり思い込んでいた4人は仰天するが、充瑠は4人の気持ちが嬉しいあまりに無理をして特訓を続けていたのだ、と言葉を挟んだマブシーナは、同じように他者の為に身を削っていた父オラディンの事を思い出す。
 「私は全ての民を幸せにしたい。苦しんでいる者は助けたい。休んでいる暇などないよ」
 「兄上! なぜそこまで民の為に自分を犠牲にするのです?!」
 「ふふ。ガルザ、逆に私が聞きたい。人を助けるのに、理由がいるかね?」
 王様は、回想シーン(姫様主観)で名君アピールしてくるやり口がいやらしいな……!
 どうやら、若干ワーカーホリックの気があったらしいオラディンと、傲岸な階級主義者の面が垣間見えるガルザの関係が掘り下げられ、やがてそれは、王弟による叛乱劇へと繋がっていく……。
 「誰だって自分の時間が必要なんだよ。充瑠君の場合はね、イメージしたりこう、絵を描いたりする時間がね。その時に、彼のキラメンタルが、蓄積していくんだ。今回は、その時間が取れなくて、まぁ、ガス欠起こしたーみたいな感じ?」
 最後は年長者として博多南が諭し、それぞれが充瑠の為になればという気持ちが行きすぎてしまった事を強調した上で、4人は反省。
 戦隊シリーズの一つの伝統的要素(80年代半ばぐらいからでしょうか)として「若さ」をキーにする傾向があり、その青臭さをどこまで出すか、どうやって見せるのか、はシリーズ作品の思案のしどころとなっていますが、長官ポジションの存在感と繋げつつ4人の「未熟な一面」をひとまとめに描く形にした結果、どうにもインスタントな印象に。
 特に今作の場合、充瑠が「若さ(とそれに基づく自由さ)」担当で、残り4人がそれを取り巻く一流の面々、といった構造だったので、その一流の持つ隙や陥穽を具材の性質と関係なく一緒の鍋にざっくりまとめてしまった感は否めません(塚田P作品×三条脚本の組み合わせでは、『仮面ライダーフォーゼ』第10話(監督:諸田敏)の失策がちらつきます)。
 背後で魔石たちがダメージを修復し輝きを取り戻す為の研磨作業を受けており、主題歌に歌われる「傷つき 磨き上げ」の意味づけと重ねて見せる意図は感じられ、また今回後半まで見ると、こうしなくてはならなかった事情は伺えるのですが、本来は4つに分けて丁寧に扱っても良い要素を、前編と後編の一部に圧縮してしまったような事にはなってしまいました。
 ……余談ですが、私が前回の特訓タイムそのものにあまり引っかからなかったのは、「特訓」=多少オーバーなもの、という認識を持っているからなのでは、と自己分析(笑) そう、「強くなるのよ……サイボーグ手術よりは、遙かに楽よ」……!
 一方、意識を失っていた充瑠は気がつくと黄金に輝く王宮の中に入り込んでおり、そこでイーゼルに向かうオラディン王と出会っていた。
 「肉体が極限まで疲労した時、人の精神は研ぎ澄まされる。結果がオールライト!!」
 精根尽き果てる寸前にこそ人は忘我の境地に至る事ができ、いわゆる修羅場モードで脳内麻薬がドバドバ出ている時が最高に煌めいているって感じがするだろう? とVサインを掲げる王様ですが、前回から白い魔石の存在が繰り返し強調されている事もあり、充瑠の疲労が激しいのは、度重なる特訓ばかりではなく、白い魔石による脳波への干渉が原因な気がしてならず。
 ……つまり、ファイヤーと博多南(と姫様)は結託して事態の真相を隠蔽している?!
 「……気付いてしまったか充瑠くん。そう、君の脳の中には、亡きオラディン王の人格をラーニングした人工知能チップ(Presented by CARAT)が埋め込まれているんだよ。おかしいと思わなかったのかい? なぜ君が、ガルザの顔を知っていたのか。なぜ君が、魔進を生み出す事ができたのか。なぜ君が、キラメイジャーに選ばれたのか。――全ては、この博多南無鈴のシナリオ通りだったのさ」
 クリスタリア陣営への根深い不審はさておき、王様は充瑠との出会いを歓迎。
 「はっはっははは! 君になら、私の残した夢を、託せるかもしれないな」
 王様は充瑠の手を取るとキャンパスに一緒に線を引いていき……目覚めた充瑠が、手元のスケッチブックに、夢の中で王様と一緒に描いた絵が存在する事に気付いて、第4話ではどうにも唐突だった夢の要素を改めて劇中に落とし込み直し――いつから、地球侵攻が始まっていたと思ったのかね?
 スケッチブックを手にした充瑠は着の身着のまま医務室を飛び出していくが、直後にオーブン邪面が街に現れ、為朝たちはやむなく4人で出撃。絵と同じ風景を夢中で探していた充瑠はCARATの施設に辿り着くがそこにガルザが現れ、チェンジャーさえ忘れて変身できないにも拘わらず、充瑠が躊躇なく警備員をかばうのはヒーローの姿として非常に良かったです。
 「……わからん。どういう神経をしているんだ? なぜ自分がこれから殺されるという時に、他人の心配をする?」
 「こっちが聞きたいよ! 人を助けるのに、理由がいるの?!」
 はからずもオラディンと同じ言葉を口にした充瑠が改めて正統派のヒーロー像を打ち出し、それはガルザのコンプレックス回路をスイッチON。
 「……判ったぞ。おまえを見た時に湧き起こる、この怒りの根源がぁ!!」
 闇のオーラを放出しながら充瑠に切りかかるガルザだが、レールの上を滑ってきたキラメイチェンジャーを装着した充瑠の変身がギリギリで間に合い、思わぬ投擲スキルを発揮した姫様は、本当にアクティブ(第1話から一貫してアクティブなので、都合が良すぎないのが良い積み重ね)。……は良いのですが、その白い魔石はガルザに狙われている設定なので、堂々と振り回さないで下さい!
 車両基地に偽装されてCARATが警備していた建造物の中には白い魔石の本体が隠されており、まとめて消し飛ばそうとするガルザの攻撃を防いだマブシーナと赤は一時的に白い魔石の中に入り込むと、その内部でひらめキングする事により、魔進エクスプレスが誕生。オラディン王の想いも乗せた夢の超特急に乗り込んだ赤とマブシーナは追いすがる恐竜レッシャーを振り切ってオーブン邪面に苦戦する仲間達の元に駆け付け、気まずい4人から次々と特訓について謝罪を受けた充瑠は、溜め込んでいた不満を少々わざとらしい感じで表明。
 「……そうだよ! もう最悪!」
 「「「「え?」」」」
 「……いや、確かに悪かったのは俺達だが、ここ普通、もう気にするなよ的な場面じゃね?」
 首をぽりぽり掻きつつ、思わず充瑠を振り向かせて訴えかける為朝の台詞回しが実に良いテンポなのですが、現状メンバーの中では頭一つ抜けて芝居が出来る感じであり、つい為朝に台詞を回してしまうのがわかる一方で、頼りすぎてひずみが蓄積しないと良いなとは思う部分。
 「いいや、気にしてくんなきゃ! 文化系の体力の無さ、甘く見ないでほしいよ! ……でも、みんながへとへとにしてくれたお陰で、光が見えた! 王様にも会えた! この新しい魔進も出来たんだ! だから結果がオールライト!」
 王様の言葉を真似てVサインを出しながら、ちょっとヤバい薬をキめた人みたいな事を言い出す充瑠。
 「……なに言ってんのかひとっつもわかんねぇけど、とにかく……元気そうで安心したぜ」
 4人は改めて、自由な発想で戦う充瑠をリーダーに、それを支えていく事を宣言し、心の赴くままに飛んでいく充瑠-それを支える4人、という構図で2段階目のチームアップが描かれるのですが、どちらかというと並列型のチームと捉えていたので、作戦参謀を自認する為朝はともかく、他の3人も「充瑠を支える」という意識があったのはちょっと意外。……まあ「部活のキャプテンをチームメイトとして支える」ぐらいの感覚、だと思えばわからなくもないですが(この辺り、年上-年下のニュアンスも入っていそうですが、今作ではむしろフラットに見せようとしてきた部分であり)。
 5人揃ったキラメイジャーは、立ち直ったオーブン邪面を前にフル名乗りを決め、レスでちょっと触れましたが、最終盤恒例の顔出し名乗りをするとしたら、組み体操は抜きで、「煌めきスパークリング!」とかの部分を行う、というのがありそうでしょうか。……充瑠がバック宙を要求されるのと、地味に複雑な手の動きを小夜さんが出来るようになるかが心配ですが(笑)
 「4人が5人になっても変わらんわ!」
 「それはどうかな!」
 煌めきを増した5人はオーブンに怒濤の連続攻撃を仕掛け、ここで5人にキラキラエフェクトが入っているのは、ストレートな表現が綺麗にはまりました。
 「生憎、4人と5人じゃ大違いなんだよ! 俺達は!」
 赤の肩に腕を乗せてハイテンションな身振りで語るタメくんは多分、友達認定している相手に冷たくされると凄くへこむタイプであり、ここで、赤に寄りかかりつつ、前のめりで左手を広げるポーズ、今回の地味に好きなポイントです(笑)
 5人は一斉攻撃ラッシュストリームでオーブンを撃破するが、キラメイジンを挟撃するタガメと蒸気恐竜。タガメがキラメイジンを押さえ込んでいる間に恐竜はエクスプレス破壊を目論むが、キラメイジンを一時離脱した赤がエクスプレスに乗り込んで光線を発射すると、それを浴びた蒸気恐竜はコントロール不能になって列車形態へと戻り、強制連結したエクスプレス、タガメを轢く(ヒーローの重要なイニシエーション)。
 「そして、もう、ひらめいてたキーング!」
 「なんだとぉ?!」
 オラディン王の夢を引き継いだ赤は、恐らく白い魔石から発するキラメイ電波により夜な夜な深層心理に刷り込まれていた光の巨神のビジョンを絵に具現化し、連結した恐竜レッシャーを巻き込んで魔進合体。ここに、白輝のボディと漆黒の手足からなる白黒合体キングエクスプレス――白が胴体部分(上半身)で、黒が手足(下半身)というパーツ構成が、ガルザの心境を考えた時にかなりえげつない――が誕生する!
 「あの白の宝石は、お父様の残した安全装置のようなものだったのですね。ジョーキーが悪の手に落ちた時の為の。だから、ガルザはあれを破壊しようとしていた」
 白の魔石は御用列車の上位コマンドであった事が明らかになり、内部(右腕の辺り?)に変な体勢のガルザを乗せたまま、主題歌に乗せてキングエクスプレスのお披露目バトル開始となるのですが、うーん……エピソードとしては、充瑠が仲間達と改めて向き合い、相手の言うがままを受け入れるのではなく、言いたい事をズバッと言い返す事で5人が新たな関係を築きあげる内容にも拘わらず、その集約が単独搭乗ロボになるのは、どうにもこうにも噛み合わせ悪し。
 その問題を出来る限り解消する為に、「肉体が極限まで疲労した時、人の精神は研ぎ澄まされる」→「みんながへとへとにしてくれたお陰」と4人との関係性あってこそキングエクスプレスに辿り着けた、と位置づけ、4人の未熟さの表現がひとまとめに圧縮された理由も判明するのですが、スッキリと劇的にはまとまりきりませんでした。
 とすると、無理にチームアップ回にするのではなく、充瑠とファイヤーの関係性を掘り下げるような選択肢もあったかと思うところですが、それはそれで、集約にファイヤーと無関係のロボが誕生してしまうので充瑠×ファイヤー回にも出来ずにファイヤーの見せ場は仲間達を一喝するに留まり、突き詰めると第8話段階での単独搭乗ロボ登場、に無理があったのではないかというのが率直な印象。
 第4話でのジョーキー登場も早すぎる印象かつ駆け足のエピソード内容でしたが、やはり今回の前振りとして必要であった事が明らかになり、第4話、そして前回-今回と、序盤の商業展開に振り回されて巧く消化しきれない形に。
 そして、白黒合体になった事により、今後しばらく無闇に前線に出てきては「おのーれーー」を繰り返す事になりそうなガルザさんは大丈夫か。
 敵味方の枠を越えた合体のコンセプトに共通点を感じる『魔法戦隊マジレンジャー』に例えて考えると、毎度馬に乗って現れたウルさんが、
 「赤の魔法使い、貴様如きの魔力にこの俺が負け……て、え、ちょっと待って、バリキオン、おまえ誰が飼い主だと思っ「友情合体! ファイヤーカイザー!」いやだから待っ、おまえ、この前ニンジンあげたでしょ?! よしわかった、今度可愛いメスを紹介するから、お願い、戻ってきてバリキオン! ……ふっ、俺は貴様に負けたわけではない。覚えてろぉぉぉ!」
 ……みたいな事になるわけですが、本当に大丈夫か。……あ、チャームポイントのチェーンソーを残してあげたのは、良かったと思います。
 「ええぃ、おのれぇぇっ!」
 高速機動でタガメを翻弄するキングエクスプレスの主導権を奪い返そうとするガルザは、必死の操縦で恐竜ブレスをエクスプレスの顔に放とうとするが、赤の素早い一時分離により、光線は怪獣に直撃。
 「しまった!」
 「サンキュー! はい、もう一回合体!」
 大変爽やかに他者の人権を蹂躙し、だいぶ鬼畜度の上がったキラメイレッド操る電車キングは、タガメ怪獣を線路で縛り付けると、胸部から放つエクスプレスブーメランで大勝利。
 だがその直後、怒りの暗黒パワーを発動したガルザには、恐竜レッシャーの強制分離を許してしまう。
 「二度と! 俺のスモッグジョーキーは奪わせん!」
 「いーや、ピンチになったら、また返してもらうよ」
 「俺はおまえのそういう物言い全てが、生理的に受け付けない!」
 前後編の集約点としてのキングエクスプレス、には不満が出ましたが、ガルザのこの物言いは兄弟関係も出てとても良かったです(笑)
 主人公が(偉大な)先達を想像させる、みたいな話の構造はあまり好きではないのですが、光の巨神の姿=白い魔石に残されていたオラディンの思い(夢)、とすれば、それが充瑠のみならずガルザの目にも見えたのは意味ありげで、オラディンが救えなかったガルザを、充瑠が救う、みたいな構造になるのか……まあ、どこかで一定の決着を付けないと、いつまでも強制連結はあんまりだと思いますし(笑) これに関しては、エクスプレスの別合体パターンも出てきそうですが。
 一つ気になったのは、夢の世界での「君になら、私の残した夢を、託せるかもしれないな」という王様の言葉で、死亡シーンの描写などから存命に一票入れていたのですが、この言い回しからするとオラディンは実際に死亡しているのかも(キングエクスプレス自体が、王様の分身めいてもいますし)……そして、死んでいるけど事あるごとに精神に干渉してくる方が、ガルザの神経を逆撫でし続けてきたオラディン王らしい気がしてきました(笑)
 「必ずこの手で葬るぞ、キラメイレッド!」
 ヨドン軍に帰還したガルザは湧き上がる闇のエネルギーに覚醒。そしてココナッツ基地では……
 「というわけで俺、仲間で刺激しあうといい事があるって学びました。だから、みんなも俺の特訓、楽しんで」
 充瑠は他の仲間達を生徒にお絵描き教室を開講し、意外や厳しい教師だった、でオチ、るのですが……今回、ここが極めて不満。
 最後に「充瑠がちょっとやり返す」事で全体のバランスを取る(コーチに回った4人は周囲が見えなくなっていたが同じ立場になると充瑠も同様だった&充瑠が色々と酷い目に遭ったが4人も酷い目に遭う)意図だったのでしょうし、それ自体は典型的なオチのパターンなのですが、時雨に対する「論外です」は、充瑠が一番してはいけない言動では。
 成り行きとしては「意趣返しの冗談半分」という解釈も出来ない事はない(後からそうだった事にされる可能性もありそうな)範囲ではありますが、それでも、「いわゆる、画伯ですね」まではギリギリOKでも、「論外です」は口にさせてはいけない言葉だったと思います。
 もともと充瑠の描く絵自体が、「技術的な巧拙」よりも、「伸び伸びと楽しそうに描いた(子供っぽい)絵」として表現・肯定されているわけで、そこで示されているのは“純粋に絵を描く事の楽しさ”だったと思うのですが、それを大事にしている筈の充瑠が他人の描く絵に技術的な駄目出しをした挙げ句、誰かの描いた絵を全否定するというのは、「ちょっとやり返す」の一線を完全に越えてしまいました。
 例えるなら、「為朝がゲームの下手な人を嘲笑う」とか、「瀬奈が走るのが遅い人を馬鹿にする」のと同じ行為であり、純粋に見たくないというのもある上で、大甘に見て厳しいコーチごっこの冗談だと捉えたとしても、充瑠が充瑠自身の煌めきを否定するに等しい発言であり、この一点で大惨事。
 対等に言い合える関係を表現する意図もあったのでしょうが、作品のコアに近い部分を軽率に蔑ろにしてしまった感があり、非常に残念でした。
 シーン的には現場のノリ、的な感じに見えますが、これは通してはいけないノリだったのでは、と思うところ。
 全体としては、第4話で生じた軋みが大きく形になってしまった前後編、といった印象で、これで少し落ち着いてくれればいいのですが……ここからは現実のトラブルと世相の直撃を受ける事になるのがはっきりしており、それらを乗り越えていく煌めきを祈りたいです。
 次回――瀬奈お嬢様のコスプレ祭で、魔進マッハは踏まれたい。