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先生はモテたい

ウルトラマン80』感想・第4話

◆第4話「大空より 愛をこめて」◆ (監督:深沢清澄 脚本:阿井文瓶)
 地球に謎の物体が飛来した夜、矢的先生は生徒たちからの好感度を上げようと、自室でシャドー授業に励んでいた。
 昭和ウルトラ戦士の標準はわかりませんが、矢的先生はホント、欲望がダダ漏れ(笑)
 キャラの愛嬌+新任教師らしさ、ではありますが。
 「キャップ……子を愛する親や、弟を思う姉。あの灯りの一つ一つに、いろんな人間、いろんな愛や喜び、悲しみがあるんですね」
 「うん。あの灯りの下一つ一つの生活を守る。それが我々UGMの使命なんだよ」
 姉の結婚や父親に持ち上がる再婚話……家庭環境の変化に揺れる少年に矢的は想いを馳せ、問題行動=サボり(登校拒否)が、早くも第2話と被ってしまっているのは、学園ドラマとして苦しいところ。また更に、怪獣の飛来による警報が出る中で、少年を探しに街へ飛び出した矢的が飛行怪獣の風に煽られるのも完全に重なっており、色々どうしてそうなりましたか。
 その後、無事に少年を発見し、男親の面倒くささを間に立った矢的先生が翻訳して解決、というのは良かったですが。
 最初に飛来した怪獣と、それを追うようにアメリカに飛来して日本へと辿り着いた怪獣……二体の放っていた電波がUGMによって解読されてナレーションさんが説明し、喧嘩して家出した子供怪獣を母怪獣が連れ戻しに来た事実が判明する第4話にして変化球。
 真相を知ったキャップは攻撃を中止し、地上でその事情を聞く矢的。
 「体は一人前だというのに、甘えてやがるのか」
 あ、凄く、矢的先生ぽい解釈(笑)
 二体の怪獣@人相は凶悪、に地球人類への害意が無いのはわかったが、なにしろ図体が大きいのでこのままでは怪獣の駄々で人類文明が危ない……何やら思いついた矢的は80に変身、そしていきなりの平手打ち。
 ナレーション「ウルトラマン80は、親怪獣だけを徹底的に攻撃した。親を痛め付ければ、子供が必ず助ける。本当は、仲の良い親子なのだ」
 ……や、その前に、先制で顔面張り飛ばした上に真っ正面からヤクザキック叩き込んでいるのですが。
 この辺りから、ざっくりさが一周回って面白くなってきました(笑)
 80先生は、思惑通りに親怪獣を守ろうと体当たりしてきた子供怪獣にカウンターで右中段蹴りを浴びせ、吹奏楽の愉快な調べにのせて母子怪獣が連携を取り始めると、最初に当たって後は流れでその攻撃を受け、最後は母子協力攻撃にやられたフリをして地面に倒れ込み、この戦果に満足した母子怪獣は地球を離れて飛び去っていくのであった……。
 大岡裁きで和やかに一件落着の雰囲気を出しているのですが、怪獣に立ち向かった地球防衛軍北米支部の戦闘部隊が壊滅していたりするので、どちらかというと、地球には二度と来たくなくなる程度に痛め付けた方が良かったのではないか。
 少年姉の結婚式シーンで大団円となり、結婚式を終えた新郎新婦が落書きされて空き缶を繋げた車に乗ってハネムーンに出発、という映像を大変久々に見たのですが、今見ても謎の風習であり、新郎新婦はいつ着替えるのか、あの空き缶をどこで外すのか、かねてからの疑問が思い出されて仕方ありません。
 最後に、嫁ぐ姉を安心させる為に少年がちょっとした嘘をつき、世をすねる子供から、家族の幸せを笑顔で受け入れる大人へと成長が描かれるオチは、気持ち良かったです。既に矢的先生よりも、大人なのでは、ないか。
 次回――凄く《ウルトラ》シリーズ!という感じの予告内容ですが、今作において果たしてどんな味付けになりますか。