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さくっとハリケーン

 リアルタイム視聴時は割と序盤で脱落したり(それもあって基本的に中身の記憶はほぼ無し)、他配信作品との兼ね合いで継続できるか若干不透明ですが、折角なので『ハリケンジャー』感想スタート。ひとまず、ざっくり気味で進めていく予定です。

忍風戦隊ハリケンジャー』感想・第1-2話

◆巻之一「風と忍者」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:宮下隼一)
 リアルタイム当時も思ったのですが、宙を舞う西田健インパクトが強烈すぎて、終わってみると他の事が思い出せなくなる第1話(笑) ……そんなわけで、基本設定のチェックを中心に。
 ナレーション「忍者――それは古来より、人知れず、影の如く、飛び、消え、戦う強者たち。でも、この3人は……」
 伝統ある疾風(はやて)流の忍術学校・忍風館に通う、落ちこぼれの忍たま3人組、鷹介・七海・吼太。
 「一方的に忍者の素質ありとか言われてスカウトされただけだもんな、俺達」
 空忍・水忍・陸忍科にそれぞれ所属する507期生の3人は、軽いノリで朝礼をサボる落第生トリオだが……
 「でもよ、卒業までこいつが張られてんじゃ、逃げるわけにもいかねぇよなぁ」
 広域結界に閉じ込められていた(笑)
 因縁の迅雷(いかずち)流との対抗戦を控えて訓練に余念が無い忍者たちだが、忍び谷の地下で発見された謎の装置の出す電波に導かれた宇宙忍群ジャカンジャが地球に迫っており、首領&5人の軍団長(暗黒七本槍の5本目まで)が一挙に登場。
 「必ずやアレを我が手に」
 宇宙ムカデ城が格好いいジャカンジャは地球の忍者たちに宣戦布告無しの先制攻撃を仕掛け、真面目に朝礼に出ていた生徒達と学園城は宇宙忍術により消し飛んでしまい、残ったのは3人の落ちこぼれのみ。
 「貴様が館長やみんなを! 許さねぇ!」
 少々不真面目だが、理不尽な暴虐を許せぬ魂は持っていた3人組は宇宙忍者に戦いを挑む……が、歴然の実力差にさっくり逃亡(笑)
 ……ま、まあ、忍者には大変重要なスキルです。
 3人は、忍風館館長の娘であり博士ポジションのおぼろに救出されると、割と軽い感じで取り出されたハリケンジャイロを装備して伝説の後継者に選ばれる――というか、他に選択肢がないので、ニンジャフォースを信じるんだ!
 忍風戦隊ハリケンジャーや!」
 伝説のアイテムを手に再び宇宙忍者に挑む3人がシノビチェンジを発動すると、拍子木のリズムと共に特殊な空間が展開し、三色のライトをバックに番傘を手にした3人が六方を踏んで名乗る、原典といえる『青砥稿花紅彩画』(「白浪五人男」)をストレートに取り込んだ揃い踏み。
 「風が巻き、空が怒る、空忍・ハリケンレッド!」
 「水が舞い、波が踊る、水忍・ハリケンブルー!」
 「大地が震え、花が歌う、陸忍・ハリケンイエロー!」
 「人も知らず」
 「世も知らず」
 「影となりて悪を討つ」
 「忍風戦隊」
 「「「ハリケンジャー!!!」」」
 「あ、参上」
 伝説のハリケンジャーとなった3人はラップ下忍を蹴散らすと宇宙結界忍者に戦いを挑み、簡易的な異空間に飲み込まれると、画面手前にススキが一杯、という演出はいったい誰が最初に始めたのか、気になります。
 OPでも存在を示される、別口の二人の忍者がチラリと顔を見せるも戦いに手は出さずに去って行き、ハリケンジャーは絶体絶命の爆発の中から、カイトで脱出。
 「勝負はこれからだぜ!」
 「根性だけは、誰にも負けないわよ!」
 「最後まで諦めないぞ!」
 ヒーロー3人の、落第生だが土壇場で屈しない心の強さが描かれ、飛行状態で怪人の首根っこを掴まえ、空中で顔面に連続パンチを叩き込んでから地上に落とす戦法が、大変エグい。
 ハリケンジャーは主題歌をバックにシルエット連続攻撃を繰り出すと、個人武器による遠隔攻撃で結界忍者を徹底的にいたぶり、弱らせたところで3つの武器を合体させたトリプルガジェットでセイバイバイ(「成敗」と「バイバイ」と「さよならを言う」がかけられていて、なかなか秀逸な決め台詞)。
 近年ならもう少し、必殺兵器の“忍者らしさ”にこだわりそうなところですが、トリプルガジェットの忍者感皆無具合は、なかなかの身も蓋も無さ(笑) 忍の道は勝てばいいのだ!!
 館長は変化の術でハムスターとなって宇宙忍術を逃れていたが、地球に着陸した宇宙ムカデ城から5本の槍が大地に降り立つ、でつづく。
 EDはカイトを強く押し出し、プロデューサー補に宇都宮孝明、助監督チーフに中澤祥次郎の名前があるのが、2002年を感じさせます。
 今や公式サイトで大ベテラン表記の渡辺監督は、これが戦隊シリーズパイロット。若干力が入りすぎたのか、全体的に余りテンポが良くありませんでしたが、登場人物のアップを多用しすぎていた印象はあり。
 それもあってか、とにかく西田健の眼力だけが印象に残ります(笑) 初回から、ゴーグルオフして、スーツ+ヘルメット+役者目元出しをやってきたので、演出上のこだわりであったとは思われますが(衣装や化粧の濃い悪役に目元アップで演技させるのは80年代戦隊で長石監督が多用した手法なので、師匠オマージュだった可能性もあるかも)。
 後、当時の戦隊パイロット版にしても、滑舌の悪い、というか、演技がどうこう以上に喋り方の幼いキャストが目立つのですが、忍たま3人組という事で、意識的にやってもらっている可能性もありそうでしょうか。ただそこに、敵サイドの顔出し女性幹部も似たような喋りが重なってしまったので、全体的に舌足らずな喋り方は気になってしまいました(多分、リアルタイム時の印象が悪い一因)。
 次回――いきなり解散?!

◆巻之二「巨人とカラクリ」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:宮下隼一)
 5人だけど七本槍を相手に、空蝉の術でなんとかハムスター館長(変化の術の失敗により、ハムスターから戻れない身に)だけ回収して撤退したハリケンジャーは、ジャカンジャの侵略に対応する為に身分を隠して市井に潜み、鷹介は何でも屋、吼太は介護士(やはり花の戦士枠なのか……?)、そして七海は、どういうわけか演歌歌手デビューしていた。
 一方、ジャカンジャは“アレ”を手に入れるため星を腐らせようと本格的な活動を開始し、サーガインは人型の鎧を操る小型昆虫生命体、マンマルバは風船のような生物という、敵幹部の混成エイリアン軍団感は、宇宙忍群の名にふさわしくて良い感じ。
 サーガイン配下の磁石忍者が出現して宇宙忍法で人々をオブジェに変えてしまい、ジャイロを常に身につけていない七海と吼太には心構えが足りない、と案外真面目にハリケンジャーしている鷹介は独りで出撃。まんまと敵の忍法を受けて危機一髪となるが七海と吼太に助けられ、二人ともハリケンジャーとしての精神は失っていなかった、と鷹介の独りよがりはさくっと解決(ただし二人もジャイロの件は反省)。
 改めて揃い踏みしたハリケンジャーは、ロボット(傀儡)だった磁石忍者にトリプルガジェット(ver.イエロー)を打ち込み、接続順で効果を変えられる武装、というのは成る程納得。
 重力弾で撃破された磁石忍者は、七本槍のセクシー担当が発進させたコピージャイアントの能力により巨大化再生するが、忍風館からは新世代のハリケンジャーの為に建造されていた巨大カラクリ、ハリケンホーク・ドルフィン・レオンが転送出撃。
 個々の攻撃を見せた後、カラクリという事でか機械仕掛けを強調した忍風合体により旋風神となり、シノビメダルをセットする事でカラクリボールが発動。中から出てきたやけに邪悪な感じの剣を手にすると、分身からの必殺剣により、巨大磁石忍者を撃破するのであった。
 ……て、なんだか、我ながらほぼあらすじ紹介みたいになってしまって反省ですが、感想の密度と距離感はじわじわ調整していければ、と思います。『タイム』後『デカ』以前の情報量の00年代戦隊、が今見ると割とチューニングが難しい……。
 そして、なんでも忍法とつけるのは好きだけど、なんでも忍法と言われるのはいまいち面白くないのかもしれない、という、この微妙な気持ち(笑)
 かくして忍たまハリケンジャーの戦いの日々は始まり、聞き覚えがあるなと思ったら、ナレーション(宮田浩徳)は、『シンケンジャー』と同じ方でした。
 次回――演歌アイドル、一発ネタではなかった。