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なんとなくマスクマン

光戦隊マスクマン』感想・第43話

◆第43話「アキラ失明!謎の呪文」◆ (監督:東條昭平 脚本:曽田博久)
 今週の盗賊騎士キロス:調子に乗っていたら、ジェットカノンに轢かれそうになって逃げ惑う。
 5分後に待ち受ける醜態を知る由もなく、蝋燭を手にいずこかの探索を行うキロス。
 「まさにこの土だ……おびただしい血を吸い込んだ、この土」
 手元の燭台をアップで映した主観映像が雰囲気が出て格好良く、赤く乾いた地面の一角を目にしたキロスが、ギゼードグラーにピラミッド作戦を命じると、地底獣は地面に液体をかけ、真紅のレンガを作り出す。
 一方、キロスの悪戯は地底城に影響をおよぼし、再び城内に射し込む光に粘液を出して苦しむゼーバ様は急遽早退。狼狽する家臣団は、姿を消したゼーバが立っていた辺りに見たこともない粘液の痕跡を発見し、アナグマスはリーサルドグラー事件の際、ゼーバに起きた異変の事を思い出す……。
 地上ではアキラが、レンガの山に襲われ、それは謎のピラミッドへと変形。
 「あの時の恨み、今晴らしてやる」
 予告からアキラの単発回かと思いきやリーサルドグラー事件と深く接続され、往復ビンタを受けて崖から足を滑らせた屈辱のメモリーの報復に燃えるキロスは、犠牲ドグラーの力により作り出した、リサールドグラーの血を吸った土製レンガのピラミッドの中にアキラを閉じ込める!
 「アキラのピラミッドは完成した。もはやアキラは、脱出不能!」
 実力派のフリーランス・チューブに忠誠を誓っているわけではないアウトロー・イアル姫を巡るタケルの恋敵、とおいしい要素満載ながら、もう一つキャラとして跳ねきれないままここまで来てしまったキロスですが、「○○のピラミッド」発言は日常と非日常のブレンド具合が絶妙な塩梅で、良い弾け方(笑)
 アキラを欠いて苦戦するマスクマンは、ジェットカノン体当たりで強引にピラミッドを破壊するが、内部に閉じ込められていたアキラは、いずこともしれぬ闇の底に集う謎の覆面集団の呪いを受け、視力を失っていた。
 「いったい奴に、何があったというのだ」
 更にアキラは、耳に響き続ける呪いの声に苦しみもがき、物陰に一時退避したキロスにもこの成り行きは想定外。
 「目が見えぬとは、もっけの幸い」
 それはそれとしてチャーンスとばかり鎌を投げつけるキロスだが、割って入ったレッドに弾き返されてしまい、すっかり、顔芸要員が板についてきました。
 パニック状態のアキラは戦場を離脱してしまい、後を追いかけようとしたマスクマンは背後からクレセントスクリューの直撃を受けて変身解除に追い込まれる大ピンチ。
 一方のアキラはしばらく走ったところで急に冷静になると通信機で姿長官に連絡を取り……パニック状態で戦線離脱 → 我に返って姿長官に連絡(全く役に立たず) → 電車に轢かれそうになるサスペンス → 危うく回避 → 仲間の元に戻らなくては、と目が見えぬなりに元に戻ろうとする → なんという精神力!だが危険すぎる、と言いつつ止めるでもナビゲートするわけでもない役立たずの姿長官、という流れは、アキラの心理の動きが雑、ベタすぎるサスペンスが盛り上がらない、姿長官の株を無駄に下げる、とマイナス要素が多く残念な事に。
 「ははははは、おまえ達のピラミッドも、建ててやる」
 キロスと犠牲ドグラーはタケル達を攻め立て、今作これまでの描写から、ピラミッド=神秘のパワーの象徴、なので何となく自然に聞いてしまいますが、そもそもピラミッド=墓所と考えると「おまえを地獄に送ってやる!」のアレンジパターンとしてなかなか力強い。
 ……そういえば、いわゆる「ピラミッドパワー」が流行したのはいつ頃だっただろう、と調べてみたら、1970~80年代のようで、今作はギリギリ引っかかるぐらいでしょうか。
 「そうはさせないぞ!」
 光戦隊ピラミッド建築の危機に舞い戻ったアキラは、シャツの袖を引き裂いて自ら目隠しとし、敢えて視覚を完全に塞ぐとキロスへと立ち向かう。一度は鎌の斬撃をかわすも飛び道具にじわじわ追い詰められていくが、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ死中に活ありメディテーション(いつもの)、により無我の境地に入り込むと、改心のカウンターパンチがキロスに炸裂。
 「見えたぞ、心の目」
 で解決してしまい、例の如くアキラが天才すぎます。
 アキラがレンガ攻撃を二刀流で弾き返すと、今度は犠牲ドグラーに異変が生じ、粘液まみれになる赤いレンガを見たチューブの面々は、リサールドグラーの血から作ったレンガが粘液まみれに → ゼーバ様の足下に落ちていた粘液と一緒な気がする → ゼーバ様=リサールドグラー?! と飛躍した推論に色めき立ち、チューブ上層部にもさざ波が。
 イガムが、どこからか聞こえてくる地底剣士ウナスの呪文を耳にする一方、アキラの耳に聞こえる呪文が止まり、体勢を立て直したマスクマンはオーラマスク。視覚を失いながらも銃撃で間合いを計りカウンターで剣を突き刺すブルーの超人的戦闘技術に追い詰められた犠牲ドグラーはピラミッドシールドを発動(ピラミッドに変身)するが、容赦なくジェットカノンで消し飛ばされ、大変面白い死に様に(笑)
 キロスは今回も「覚えとけ!」で撤収し、オケランパ。犠牲ドグラーの振り回すピラミッドステッキに苦戦するGロボだが、アンカーで力強く振り回して投げ飛ばすと飛び道具で痛め付け、鉄拳制裁で合掌。
 しかし、アキラの視力は回復せず――怪人の特殊能力ではなく、謎の集団の呪いなので怪人を倒しても状態異常が回復しない、という思いがけない変化球で、メンバーの一人が大きく戦闘能力を低下させたまま、次回へつづく。
 果たして、謎の覆面集団は何者なのか? そしてゼーバの正体とは……? 今回限りだとハッキリしない要素が多いのですが、視力を失ったままのメンバー、というのは効果的な引きとなり、闇の深さでお馴染み光戦隊、次回、驚愕の……!?