東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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キ! キ! キノコパワー!

光戦隊マスクマン』感想・第41-42話

◆第41話「女強盗 ハルカ&モモコ」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
 休暇中のハルカとモモコを遅うハリガドグラーの狙撃。毒針を打ち込まれた二人は、キロスの思惑通りに凶悪なギャングと化してしまい……てっきり井上敏樹の好きなパターン(はっちゃけ気味の女性コンビ回、ついでに銃とか撃っちゃう)だと思ったら、意外や曽田さんでしたが、やはり井上敏樹が凄く好きそうな内容(笑)
 「私たちに触ると、火傷するわよ」
 衣装チェンジしたハルカ&モモコは宝飾店を襲撃し、止めに入った男衆にも至近距離からマシンガンを斉射。
 ハルカとモモコに集めさせた金銀財宝でイアル姫を飾るのだ、と色々明後日の事を言い出すキロスですが、もはやこれぐらいの方が面白い(笑)
 「勝手な事を抜かしおって!」
 そして、地下のお兄様はお怒りだった。
 男衆を振り切ったハルカとモモコは、矢継ぎ早に強盗を繰り返し、とにかく物凄く楽しそう(笑) 勢い重視の性格変化回なので、役者さんのノリが物語のテンポを加速させる事で、面白く見られるのが良い感じ。
 「見事だ……実に見事だ。殺すにはあまりに惜しいが」
 もういっそ部下としてスカウトしてしまおうか、という気になってきたキロスは、アジトで集めた金銀財宝を手にするが……
 「その宝石、イアル姫に合うかしら?」
 「なにぃ?」
 「それは偽物」
 「これは、偽物?!」
 「言ったでしょ。私たちに触ると火傷するって」
 実はハリガドグラーの毒を受けていなかったハルカ&モモコはキロスに銃撃を浴びせるが、逆に宙吊りにされてしまい、毒針の山に落とされそうになる大ピンチ。だが、密かに残していたメモを目にしたタケル達が駆け付けて二人を空中キャッチし、すかさずハルカが仕掛けていた罠を手裏剣で起動すると、狼狽している内に間抜けに檻に閉じ込められるキロスとハリガ。
 「悪く思わんでくれ。キロスを騙す為には、迫真の演技が必要だったんだ」
 ハリガの流れ弾に巻き込まれた一般市民を助けたハルカ&モモコは、姿長官と事前に打ち合わせしており、襲撃した宝飾店などに居たのは全て光戦隊の関係者。タケル・ケンタ・アキラの3人だけが、キロスを騙す為に真実を伝えられていなかったのである!
 クレセントスクリューで檻を脱出するキロスだが、黄と桃がコンビ攻撃でハリガに大ダメージを与え、ジェットカノン。
 「覚えとけ!」
 まるっきりチンピラの捨て台詞を残して逃走するキロス、あと何話ぐらい出番あるのか、キロス……。
 巨大ハリガはGロボの手刀で首を切り飛ばすも行動を続けるが、ダブルバルカンから鉄拳オーラギャラクシーでトドメを刺して、合掌。
 巻き込まれた親子は無事に元に戻り、それを見送るハルカ&モモコの背に、ギャングに扮したタケル達が銃を押しつけるちょっとした意趣返しから、ほのぼのエンド。
 ナレーション「いつも明るく楽しいマスクマン。その友情とチームワークで、チューブを倒せ!」
 ……否定する点は一つもないのに、光戦隊の闇はどうして果てしなく深いのか……。
 失敗した狙撃を同じ場所から繰り返しまんまと対策を取られているキロス、がだいぶ間抜けになりましたが、上述したようにハルカ&モモコがひたすら楽しそう(&芝居である事が最初からほぼわかっている)な事で、映像的に見ていて面白く、最終盤を控えてのバラエティエピソードとしては十分に楽しい回でした。

◆第42話「翔べ!いじけ少年の詩」◆ (監督:長石多可男 脚本:井上敏樹
 イガグリ坊主の2人組で、気弱な少年・陽介に突っかかり、少年が同級生の女の子・香にかばわれると「できてんじゃねーの」と囃し立て、遂にはカエルを押しつける、凄くアナクロないじめっ子コンビがいっそ面白い……(笑)
 にわか雨にたたられて洞穴に逃げ込んだ陽介が、そこで見つけた怪しく光るキノコを食べると(生キノコ食、ダメ、絶対)、アングラ兵を軽々と叩き伏せるパワーを得てしまう。キノコの正体は、チューブが10年の歳月をかけてて育てていた、食べた者のパワーを1万倍にするパワーロールだったのだ!
 チューブに襲われた陽介はマスクマンに助けられるが、キノコについては秘密にし、光戦隊の監視を受ける事に。
 タケル達が見ているとも知らず、キノコパワーでいじめっ子を投げ飛ばした陽介は、拳銃持った強盗にまで立ち向かうと発射された銃弾を素手で受け止めてみせるが、いやそれは、黙って見ていたら駄目なのでは。
 力を手に入れ傲岸になっていく陽介は香に愛想を尽かされた上、地底獣ギノガドグラーの前には手も足も出ず、香がバラバによってさらわれてしまう。
 自分の行動を悔やんだ陽介はタケル達にキノコの秘密を明かし…………あれ? 待ってこれ、ハルカさん辺りが食べたらチューブ壊滅に追い込めるのでは?
 ……という発想が、少年と被りました(笑)
 「陽介くん、こんなものに頼って力をつけても、意味は無い」
 「え?」
 「本当の力は、人を思いやる心から生まれるんだ。熱い心が、勇気を生むんだ。わかるか?」
 それを否定したタケルが、物凄く真っ当な説教モードに入って、大変申し訳ない気持ちで一杯です。
 タケル達は、香を助ける為にバラバに指定された峠に向かい、その後を追った陽介が勇気を振り絞ってステルスアタックで香を助け出すと、オーラマスク。肝心のキノコは太陽光を浴びて解けてしまい、つくづく、空模様と相性が悪い組織ですチューブ。
 ジェットカノンされたキノコドグラーは巨大化するもGロボによってざっくり合掌。思い上がりの反省を経て、本当の勇気を知った陽介少年は前向きな一歩を踏み出し、それを暖かく見守るマスクマンだった……となんだか久しぶりの気がする子供ゲストとのスタンダードな交流エピソードでしたが、確認してみると第38話で少年タケルが登場しており、これはやや変則としても第36話では双子姉妹が登場し、第32話ではケンタ友人の弟が出てきていたので、あまり子供ゲストと絡んでいる印象が無いのは回数よりもエピソードの出来の問題でしょうか。