東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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年の初めのキカイダー

キカイダー01』感想・第32話

◆第32話「地獄に呼ばれるビジンダー」◆ (監督:畠山豊彦 脚本:長坂秀佳
 OPがマイナーチェンジ。キカイダーの代わりにマリ&ビジンダーが加わり、ザンネンダーは相変わらず殴りまくられていた。
 その映像を差し替えないのは、明確な意図があると捉えて良いのでしょうか(笑)
 アバンタイトル的に前回のあれやこれやが振り返られ、不完全な良心回路が取り付けられたたマリ/ビジンダーは、本当に女体化ジローの道を歩む事に。
 ナレーション「この時から、ビジンダーは、悩める人造人間としての道を、辿らねばならぬ宿命を、背負わされたのであった」
 煩悶の末にゼロワンをかばうも、シャドウマジック・摩訶不思議大爆発によりハカイダーと共に回収されたビジンダーは、良心回路を破壊した上で再改造されそうになる寸前に抵抗。
 「「手術台に戻るのだビジンダー。おまえをもっと強力な、悪魔のロボットにしてやるぞ。どうしたビジンダー、良心回路を取ってしまわなければ、おまえは一生出来損ないのロボットになってしまうのだぞ」
 「出来損ないでもいい! ザダム! 私はもうシャドウではない!」
 悪のロボットに生まれた宿命を乗り越え、「完全」である事より「ビジンダー」である事を貫く事を決めたビジンダーは、ザダムの強制をはね除けてシャドウ基地を脱出。露骨に『仮面ライダー』の引き写しにはなりましたが自らの旅路を歩み始める事になり、前作主人公×仮面ライダー、の合わせ技で、一気にヒロイックな存在へと昇格。OPのマイナーチェンジと合わせて、ジローの後釜に座る事に。
 まんまとビジンダーに逃げられてしまったシャドウでは、すっかり作戦参謀に収まっている(まあ、念動力もうゼロワンに通用しないですしね……)ザダムが、字を書いた瞬間に爆発する特殊な万年筆インク爆弾を用いた、大量殺人計画をプレゼン。
 「このインク爆弾を日本中の文房具屋にばらまけば、小学生中学生が何万人も死ぬというわけか」
 え、万年筆で……?
 1973年だと、小中学生でもカジュアルに万年筆を使っていたのだろうか? とつい素に戻って首をひねったのですが、軽く調べてみたところ、公文書への使用が可能になるなど1970年代にはボールペンの一般的な普及がだいぶ進んでおり、ちょうど筆記具の代表格の座が交代しつつある頃だった模様。……まあどちらにせよ、小中学生がノート取るのは鉛筆ではと思いますが、『01』世界ではワンダースワンが覇権ハード、じゃなかった、シャドウ組織の陰謀によりボールペンは発明されませんでした。
 ペン先とイカの意匠を組み合わせたデザインがなかなか秀逸なインクスミイカは、インク爆弾を正規流通品とすり替える事に成功し、そのインクを使った小中学生と周囲の大人達が次々と爆死していく! まさかまさかの壮絶な展開。
 「待て! このインクは危険だ」
 これに気付いたイチローは各地でインクを回収していき、かつてアキラくんの座っていたサイドカーが、「さよなら」直後にインクの詰まった段ボール箱に取って代わられるという、無慈悲なる思い出ブレーンバスター。
 ゼロワンが新技ゼロワンファイヤー(空中からの射撃攻撃?)で爆弾インクを焼却処分していた頃、通りすがりにいじめられっ子を助けたミサオは少年が父の形見の万年筆を大事にしている事を知り、前回で綺麗に退場したかと思われたミサオが、単独で登場してしまう場当たり感が大変『01』です(笑)
 イカとゼロワンの戦いに、冒頭で「そいつはそこに放っておけ」扱いを受けて今回出てこないかと思ってドキドキしていたハカイダーが乱入するが、そこにビジンダーが参戦。ゼロワンを援護するビジンダーだが、シャドウ組織の命令に逆らえずにゼロワンを攻撃してしまい、悪のロボットに生まれた呪縛に心を沈ませる。
 「やっぱり、私は中途半端なロボットなんです」
 「いや、そんなことはない。ただ君は、心の隙を突かれただけなんだ」
 他意はないのでしょうが、マリには妙に親身なイチロー兄さん、もういっそ、ハカイダーも気絶させて良心回路を組み込んであげればいいのに!
 それはそれとして前半、思い出したように差し挟まれるも重視されてはいなかった「ロボット(人造人間)とは何か」というテーマが、“不完全なヒーロー”=ビジンダーの登場により改めて浮上し、“完全なヒーロー”=イチローが、ジローと共に悪を蹂躙して基地を破壊していくという従来の構造から、大きな転換の気配を漂わせます。
 イカはゼロワンの襲来から辛くも焼け残ったインクを回収し、それがミサオと仲良くなった少年の手に渡ってしまうが、マリが寸前で爆発を阻止。だが結果として万年筆は砕け散ってしまい、事情を知らないミサオに責められたマリは、池の中に入って万年筆の破片を拾い集め……マリの衣装が衣装なので忘れそうになりますが、エピソードの放映が12月なので、恐らく、そろそろ秋から冬へと移り変わる時期の撮影なのでは。
 拾い集めた万年筆をテープで補習して少年に渡すマリだが、ビッグシャドウに見つかってしまい激痛回路がスイッチON。苦しむマリを助けようとミサオがボタンを外して核爆発寸前となり、もしかして、毎回これをお約束にするのか……?
 だがそこへイカが襲ってくるという大変ややこしい状態になり、サイドマシーンでイチロー参上。立ち直ったマリも生身バトルからマリーフラッシュしてゼロワンとビジンダーが共闘を展開し、インク攻撃をかわしたゼロワンのブラストエンドにより、予告で言うほど強敵ではなかったイカ、大爆死。
 万年筆の少年はマリの姿から勇気を貰い、いつの間にか交流相手がミサオからマリにスライドしているのですが、ぶ、ブラストエンドの副作用……?
 イチロー兄さんは「いじめっ子も悪いが、いじめられっ子も、メソメソしているから、いけないんだよ」と実に70年代らしい理屈で少年を励ますと、マリと笑顔をかわして走り去っていき、果たして、両者の戦いの道が再び交わる時は来るのか……シャドウ組織との、果てしない戦いはつづく!
 ED映像もマイナーチェンジし、シャドウナイトがようやく引退。諸々の点で新体制が確立(恐らく)し、ここから本格的な後半戦、ということになりそうですが、次回、大変混沌の雰囲気。