東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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遅れましてゼロワン

 さくさく加減で追いつきたい。

仮面ライダーゼロワン』感想・第13話

◆第13話「ワタシの仕事は社長秘書」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:三条陸
 筋は光! 肉こそ真理!
 新たなプログライズキーによりアグトルニックしたシャイニングホッパーはドードーマギアの計算を上回る筋力を見せるが、それも束の間、ドードーマギアにその筋肉量すらラーニングを受け対応されてしまう。
 「そんな。1.8倍……もっと高出力の筈です」
 イズをかばったゼロワンは大胸筋シールドに失敗して変身解除に追い込まれるが、機転を利かせたワズが起動したマンモス宇宙船にキャプチャーされ、いきなりの衛星軌道?! という事はなく、一緒にキャプチャーした不破と共にA.I.M.S.のバンに身を隠し……なんだか、一同まとめて逮捕されているような光景です。
 「今回の失敗は、私の責任です。私は、社長秘書失格です」
 シャイニングホッパーキーが不完全だった理由とはなんなのか……ドードーは兄弟機の最後の一体であるお祭りギア5号を探し、アルトはそんな5号を守らなければと立ち上がり、アルトを心配して更に後を追う不破(ヒューマギアは守らなくてもいいけど、市民は守らなくてはいけないというのが不破さんらしく、二人の信念の違いを保持しつつ行動が繋がっていくのが気持ちいいシーン)。
 バンに残ったイズはキーの不具合の原因に思い至り、ワズに対する認識を諦めるが、そこに乗り込んでくる唯阿さん。
 「取り込み中すまない。何故うちの車を勝手に使ってるのか聞かせてくれ!」
 は、今回の妙に好きな台詞(笑)
 滅亡ギルドからの一時共闘の申し出を「テロリストと交渉はしない!」と断ったアルト・不破・唯阿は、打倒ドードーの為に手を組む事になり、その間にイズはシャイニングホッパーキーの再構築を開始する。
 「あなたのセントラルメモリに、バックアップはありますか」
 「……ありませんよ。私やあなたのように、ゼロワン計画に関わるヒューマギアの、内蔵メモリは、バックアップを取れません。機密保持のために」
 「破壊されたらそれっきり、ですよね」
 シャイニングホッパーキーに不足していたのは、ゼアの想定を上回る速度で成長していたゼロワンの戦闘データ。それを補う為、機能停止を承知の上で自らのメモリを提供しようとするイズだが割って入ったワズが身代わりとなり、シャイニングホッパーキーの完成を引き換えに、ワズという人格は失われてしまう……。
 非常にオーソドックな話運びとなりましたが、イズの特殊性と唯一性を劇中で明確にしつつあったかもしれない「喪失」がワズを通して描かれ、ワズの役者さんは、非常に好演でした。
 先代社長のいい人そうアピールも入りましたが、基本的に胡散臭いのは動かしがたいので、これで全ての黒幕だったら、地獄絵図で素敵(笑)
 「イズ……これ」
 「それは――私の兄です!」
 完成したシャイニングホッパーキーを受け取ったアルトは変身し、今度こそ真シャイニング。
 「おまえじゃ勝てない。俺を超えられるのはただ一人……俺だ!」
 人とヒューマギアが共に歩む未来を託された者として、全力全開のシャイニングホッパーはドードーの攻撃予測を上回る怒濤の連続攻撃から、必殺のシャイニングメガインパクトでドードーを蹴り殺し、大和田伸也を踏み台にする、という予想外のジャンプを決めた暗殺ちゃん、ここにリタイア。
 バルカンとバルキリーは、ゴリラで挟んで蜂の子ミサイルで蹂躙する、というエグいコンビ攻撃で量産型ドードー部隊を壊滅させ、暗殺ドードーYOSAKOIソーラン計画は失敗に終わる……のですが、3人横並びで同時変身までやっておいて、バルカンとバルキリーが戦闘員対応要員扱いだったのは、割と不満。
 もとよりシャイニングの見せ場なのはわかりきっていた回で、3人横並び変身は避けて欲しかったな、というのが正直。
 地面に落ちたドードーキーは、割と素で困っていたらしいゼツメポイズンが横からかっさらっていき、若干、某グリードグリーンを思わせる小物アクションになっているのは、心配です。頑張れ滅パパ。子育てって難しい。
 「恐ろしい存在になってきた……ゼロワン。また会おう」
 そしてそれらの光景を、ZAIA代表取締役・天津垓が見ていた。
 「あのゼロワン……基本戦闘力の400、いや、500%を超えているかもしれない。楽しみだよ……サウザーとの戦いが」
 てきとーに盛って思わせぶりな事を口にする天津社長、白シャツ・白コート・白手袋に、大して晴れていないのに日傘というスタイルがなかなかおいしく、今回のこのワンカットでかなり好感度が上がりました(笑)
 「シャイニングホッパーには、力の前借りのような部分があります。戦闘後に、強いバックファイヤがくるようです」
 「相手が強いと、勝手に俺の力を引き出しちゃう、ってわけか」
 強敵ドードーを倒したものの、会社の株価は前途多難。それでも、飛電或人は、人類の未来、ヒューマギアの夢の為に、戦い続ける決意を強くする。
 「俺はみんなの社長だから」
 「……及ばずながら、私も努力します」
 放映時期の関係であまり切れ目っぽくはないものの、1クール目の締めに、社長である事と、社長(アルト)-社長秘書(イズ)の関係性の強化と確認が行われ、このコンビを重視してくれるのは嬉しい部分。ただ、アルトの口にする「みんな」の内訳は恐らく、〔人間:3/ヒューマギア:7〕ぐらいで、そこがアルトの特性であり良い所ではあるものの、もう少し人間の社員の事も考えた方がいいのでは社長!とは思うのでありました(笑)
 飛電インテリジェンスへの世間の視線は、和らぐどころか厳しくなる一方ですが、果たして、抗議団体に本社ビルを囲まれて投石を受けるまであと何話なのか! 全身筋肉痛に見舞われながらも雄々しく立ち上がるアルトであった……。
 今回の結論:つまり必要なのは、毎日の地道な筋トレ。
 次回――予告の情報量が多すぎて何がなんだかですが、不破さん、とうとうゴリラ卒業?!
 それから今回から劇場版のCMが入ったのですが、『ジオウ』とのコラボもあって『パラダイス・ロスト』化しているのは、白倉Pの意向でありましょうか……山本耕史は一足お先に劇場版でボスキャラ化するようでするが、仮面ライダー1型がやたら格好いい。