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単身赴任の恨みつらみ

電撃戦隊チェンジマン』感想・第39話

◆第39話「恐怖のかくれんぼ」◆ (監督:掘長文 脚本:曽田博久)
 見所は、激しく回転するドアを直接ぶつけてくるという、問答無用すぎる宇宙獣士の攻撃(笑)
 怪人ポジションの攻撃手段として、近年屈指のインパクトでした、ハイ。
 タコ、というか、いっそ旧支配者めいた宇宙獣士ダムスによる、「悪魔のドア作戦」がスタート。疾風とかくれんぼしていた保育園の子供の一人が、ボート小屋のドアを開けた途端に何処とも知れない海岸に飛ばされてしまうという、定番の魔空空間ネタ。
 「ミユキ先生、あなたを見逃すような疾風翔ではありませんよ」
 一方、やはり先生狙いだった疾風は、髪を整えながら一人で盛り上がっており、最近こういうエピソードが無かったのでなんだかほのぼの……も束の間、人違いから痴漢疑惑をかけられた疾風メンバー(グループ内2人目)は逃走中に開けたドアから少年同様に別の場所へと飛ばされてしまい、それは、チェンジマンの各個撃破を目論むアハメスの罠であった!
 「悪魔のドアからは逃げられないわ!」
 ヒドラ兵を蹴散らすも飛び回るドアの連続攻撃を受けたチェンジグリフォンは駆けつけた4人になんとか救出されるが、撤退をはかるクルーザーの前に立ちはだかる悪魔のドア。ところが開いたドアからは苦しみ呻く獣士が転がり出し、その背後からはあの不気味な怨霊が姿を見せる。
 「おまえは……ギルーク!」
 えええ(笑)
 まあこちらとしては、すぱっと断定してもらえると面倒くさくはないのですが、一体どこにギルークの面影を見たのだ剣飛竜。
 「ギルーク?! 生きていたとは!」
 「如何にも。宇宙の墓場から戻ってきたのだ」
 「信じられぬ……いったいどうして?!」
 「恨みよアハメス! おまえへの恨み、チェンジマンへの恨み。俺は同じ墓場で、死にかけていた宇宙獣士の体に、乗り移ったのだ」
 「ギルーク! 野球やろうぜ!!」
 タイミング的に再登場の可能性が高そうだったギルーク、指揮官交代劇そしてリストラからの復活、がどう描かれるか注目していたのですが、流刑先で死亡した末、都に祟りをなす怨霊と化すというのは、全く予想外でありました。
 「覚えていろ。この恨みは、必ず晴らしてやるぅぅぅ!!」
 チェンジマンとアハメス、双方に怨念ビームを放つギルークだったが、実体を保持し続ける事が出来ずに撤収。物凄く動きにくそうなスーツは気になりますが、ギルーク割と好きなので、状況を引っかき回す存在として、今後の活躍が楽しみです。
 「星王バズー様! ギルークのあのような振る舞い、許してもよろしいのでしょうか?!」
 「フフフ、宇宙の墓場から戻ってくるとは、大した奴ではないか。半分幽霊とはいえ、凄い力を身につけておる。ちょっとギルークを見直したところだ。その事よりまず自分の本分を尽くす事ではないのか?」
 アハメスから報告を受けたバズー様は相変わらず圧倒的強者の余裕を見せる懐の深いラスボスぶりで、この状況で「ちょっとギルークを見直したところだ」は、ラスボス史に残したい名台詞(笑)
 一方、悪霊ギルークの乱入により結果的に危地を脱したチェンジマンは、かくれんぼしていた子供の一人が行方不明になっているという連絡を受けて捜索に戻り、再びドアの向こうへと飛び込む疾風。
 ……はさすがに、何が待ち受けているか想像つくのだから事前に連絡するなり二人一組で連携などしてほしかったところですが、疾風はメンバーで一番知力低いからな……。
 「早く見つけだしてやらなくちゃ……アキオくんのかくれんぼはまだおわっちゃいないんだ!」
 ドアの向こうで久々にタイマン勝負となったシーマのハイキックを食らったり、悪霊ギルークに襲われながらも仲間に助けられた疾風だが、妙に格好いい言い回しとともに、またも単身でドアに突入。……長崎の頃より、格好つけて単独行動を取った末に危機を招く、のは疾風の仕様ではあるのですが、「少年を早く助けたい焦り」とは別に(これは勿論、そうであってこそのヒーローなのですが)、疾風が単独行動を取る理由に、激情以外のもう一工夫欲しかった部分です。
 飛び出した先の海岸で遂に少年を発見する疾風だが、そこにはまたもアハメス・シーマ・獣士が待ち構え、アハメス様もアハメス様で「ドアFに反応が!」「よし行くぞ!」とかやっているのだろうと思うと、遠征軍の司令も大変なお仕事で、ギルークの言動にどんどん余裕が無くなっていった事情も窺えます。
 早くリゾート惑星でバカンスが取りたい!
 そんな遠征軍に頻繁に内政コマンドで様子を見にくるバズー様もバズー様なので、ゴズマ上層部は、全体的に割とマメ。
 疾風を追いかけてきた4人が合流するも、悪魔のドアによる空間攻撃を受けたチェンジマンは、フェニックスファイヤー・ペガサス稲妻スパーク・マーメイドなんとかウェイブ、と各自のパワーシンボルアタックを次々と繰り出して状況を打破。
 展開が単調になると思われたのか、合間に鎧武者との立ち回りが挟まれ、4人の仲間が斬り合いに敗れた後、おもむろに「チェンジソード!」(銃撃)で撃ち殺すドラゴン、さすがドラゴン。
 グリフォンマグマギャラクシーとドラゴンサンダーも放たれ、最後は悪魔のドア(物理)に苦しめられるチェンジマンだったが、勢い余った獣士が自らドアに正面衝突した所を、ズーカ一斉射撃から大リーグバズーカ2号で爆殺。
 ワープや異空間の作成など、かなり強力な特殊能力を持った獣士でしたが、終わってみると、物理でドアを叩きつけるのが最強(そして敗因)だったというのは、ハードウォールと通じるものがあるのかないのか(笑)
 巨大戦においては、物理ドアを失った獣士はもはやチェンジロボの敵ではなく、風車斬りからサンダーボルト。悪魔のドア作戦は打ち砕かれ、再び保育園の子供達とかくれんぼを楽しむ疾風だが、またも痴漢に間違われてドタバタ騒ぎ、で大団円。
 飛竜の女好き設定を久々に持ち出しつつ、少年の為にも必死になる姿を描いたのは正攻法で良かったのですが、悪魔のドアに対して無謀な突入を繰り返し、結局後から4人が追いついてくる、というパターンが繰り返しになってしまい、もう一ひねりが欲しいシナリオでした。
 ところで急にブレスレーザーが連発されたのは、いったい何故だったのか(疾風が2回使用し、4人も一斉に使用)。