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5人の戦士に色々要らない

電撃戦隊チェンジマン』感想・第33話

◆第33話「ギルークの最期?!」◆ (監督:掘長文 脚本:曽田博久)
 「怖いか? 宇宙の墓場、そんなに怖いか! ぬはははははは……」
 ナナ確保に失敗し、おめおめと戻ってきたギルークを宇宙空間に放り出したバズーは、ダークネビュラ送りをちらつかせてギルークを恐慌状態に陥れ、改めてその強大な力と、恐怖によって他者を支配する姿を強調。
 地球では怪物に怯えながらもナナを探し続けていた八百屋一家が、ナナのハンカチを加えたミニドラゴンを拾うが、そこにギルーク一党、更にはアハメスが出現する。
 「またしても邪魔を! 何故だアハメス? かつては共に手を組んで戦った仲ではないか?!」
 忘れられてそうで心配だったので、拾ってくれて良かった。
 「ギルーク、おまえの力はもはや私以下」
 だが、フられた。
 「私の故郷アマゾ星を再興するためには、私一人で存分に力を振るった方が早いと覚ったのさ」
 なんとなくギルークの方が未練がある(じっくり話せばわかり合える筈と思っている)節が見えるのに対し、アハメスがばっさりと切り捨てつつ、両者も一面的にはバズーの犠牲者である、と後半戦に向けて再確認し、この辺りが本当に今作の手堅い所。
 高いところから悠然とした微笑でギルーク一党を見下ろし(あくまで下品にならないのが本当に好キャスティング)、怪鳥に攻撃を命じるアーマーアハメス様は前回に続いて貫禄の格好良さを見せつけるが、そこへ初手からチェンジメカで攻撃を仕掛けるチェンジマン
 怪鳥に次々と機銃やミサイルを撃ち込み、五人の戦士に遠慮は要らない!
 たまらずアハメスが撤退すると、続けてCメカ(地上用)でギルーク一党のヒドラ兵を轢きに行き、五人の戦士に躊躇は要らない!
 そしてトドメとばかりに、ひるんだ一党めがけてミサイルを放ち、五人の戦士に慈悲は要らない!
 前回の学習を活かし、開幕から怒濤の連続攻勢を仕掛けるチェンジマン(メカ)ですが、手前にどーんとCメカを置き、着弾したミサイルの白煙が画面奥で盛大に噴き上がるちゅどーん感が、なんとも言えない笑いのこみ上げてくる火薬大好き人間にはたまらない合成カット。
 八百屋一家を救出したチェンジマンは、やむなくナナの事情を説明。それを聞いた八百屋兄弟は、以前にナナと洞窟探検した思い出を語り、「本当は妹が可愛かった」と前回の憎まれ口をフォロー。チェンジマンは洞窟に隠れていたナナを発見するが、「もう構わないで下さい」と5人を拒絶するナナは、洞窟を飛び出してしまう。
 「私……私は、もう今までの自分ではなくなってしまうの。楽しかったあの時代に、もう決して戻れない!」
 涙ながらに駆けるナナを追うチェンジマンだが、ギルーク一党、そしてとアハメス三銃士に挟み撃ちを受ける事に。
 「来たかアハメス! よってたかってこんな小さな子供を! ――レッツ・チェンジ!」
 「「OK!」」「「おう!」」
 「「「「「チェンジマン!!」」」」」
 飛び交う閃光、弾け飛ぶ岩壁、三つ巴の大争奪戦が開幕し、ドラゴンとマッチアップするブーバは相変わらず、一対一では遅れを取らないのが武闘派幹部としての良いところ。シーマvsマーメイド、三銃士vs青桃黒、がそれぞれ一対一でぶつかり合うも苦戦を強いられている間に、逃走するナナを追うギルークとアハメス@怪鳥。
 怪鳥と遜色ないスピードで地上を走るギルーク → 超足速い
 そのギルークに差を詰めさせないナナちゃん → 超足早い
 こ、これが、覚醒しつつあるリゲルパワーの力なの……?!
 アハメス視点の空撮で、前方をダッシュする小柄な人影を、あの衣装でダッシュして追いかけるギルークの図、はしっかりとスピード感が出ており、共にに吹き替えだとは思うのですが、上手く足の速さを揃えたなぁとか、撮影時の指示はどうやって出したのだろうとか、フレームの外が思わず気になってしまいます(笑)
 足止めを食うチェンジマンは三銃士ごとゴズマ戦闘機の空中を受けるが、逆にその隙を突いてシャトルベースを召喚し、アースコンバージョン。
 電撃剣燕返し(この流れるような立ち回りが格好いい)でゴズマ戦闘機を撃墜すると、勢いに乗って「お前達も許さないぞ!」とブーバ・シーマ・三銃士にチェンジロボミサイルをぶちこみ、前回今回と通常の巨大戦(エピソード宇宙獣士の巨大化)が無い中でロボの出番確保を工夫した結果、アクセルのベタ踏み具合が大変な事に。
 次回以降、全ての宇宙獣士にチェンジロボミサイルを叩き込みそうな勢いですが、どんな能力を持っているかわからない宇宙獣士に最初から虎の子のチェンジロボを繰り出すのはリスクが大きすぎますし、小回りが利かないという難点もあり、地球を守る戦士には周辺環境への配慮もまた求められるのであります。
 「ナナよ、リゲルオーラを出せ。さあ、出すのだ」
 ナナを追い詰めるギルークだが、寸前でチェンジマン、更にアハメスが襲来し、ギルークに容赦なく怪鳥ファイヤーを浴びせたアハメスは、遂にリゲルオーラを浴びる事に成功。陶然とした表情を浮かべると怪鳥の背に乗ったまま飛び去り、一方オーラを放ったナナは、予想はつきましたが、急成長。
 リゲル人の短い子供時代を終えると、八百屋一家に「とても幸せでした」と伝えてほしいとチェンジマンに頼み、走り去ってしまう。
 「……貴様達を倒す! チェンジマンさえ倒せば、バズー様は許して下さる!」
 すっかり取り残される形になったギルークは、二刀流を構えるとチェンジマンへ向けて最後の突撃。白桃のコンビ攻撃、男衆のズーカ一斉射撃のいずれも弾き返す圧倒的な戦闘力を見せるが……
 「パワーバズーカだ!」
 一撃必殺の切り札が放たれ、辛くもそれを防いだかと思われた二振りのギラス剣が砕け散ると、派手な斬られ役ぶりを見せ、その場でぐるぐるとよろめき回るギルーク司令。
 「おのれ、チェンジマンめ……」
 一歩を踏み出すかと思われた時、その体はどうと倒れ伏し、そのまま木っ葉微塵になるかと思われたギルークだが、宇宙からの閃光にキャプチャーされると、バズーによりダークネビュラへと放り込まれてしまう。
 「宇宙の墓場へ行け! 冷たく暗い死の世界で、地獄の苦しみを味わいながら朽ち果てろ」
 戦死すら許さずあくまで自らの手で処刑を下し、瀕死のギルークに残された最後の尊厳すら徹底的に奪うバズーですが、サブタイトルは「?!」だったり、これは、後々の復活フラグだと思いたい……
 ナレーション「ギルークは葬られた」
 な、ナレーションさん?!
 真面目な話としては、この時点では処遇が決まっていなかったのでスポーツ新聞の見出し的扱いになったのかもですが、このまま退場させるのはあまりに惜しいキャラなので、復活を期待したいです。まあこの流れで復活すると、某キャラと丸被りの感もあるので、そこをどう工夫してくるのかが見たいというのも含め、カムバック司令。
 夕陽が沈む中、ナナを探し続ける八百屋一家の横を、セーラー服姿のナナが通りがかり、声をかけようとするも心の中に留めて去って行く……という苦い光景を見つめるチェンジマン。残されたナナのイヤリングに視線を落とす飛竜の手の平を握り、様々な想いを込めて「剣……」と呟く疾風が滅茶苦茶格好良く、00年代以降が取りざたされる事が多いですが、東映任侠ものの残り香が漂う時代というのも含め、曽田戦隊における男同士の関係性というのも、なかなか濃厚だと思うわけです。
 再び前を向く飛竜の突き出した拳に、5人はそれぞれの手を重ね、スーパーアハメスとの戦いの予感に、闘志をたぎらせるチェンジマンであった、でつづく。
 ギルーク退場編、というよりは、アハメス強化編、といった形で、怪鳥からコスチュームチェンジから三銃士までつぎ込んでアハメスが根こそぎ持っていってしまいましたが、頑張れギルーク、と思いつつも、新コスチュームもばっちり着こなすアハメス様が素敵すぎて、アハメス派に鞍替えしそうです(笑)
 成長後のナナが八百屋一家とすれ違う所まで盛り込まれたのは、何やら再登場の気配も窺わせますが、そういえば重傷のペット(ミニドラゴン)が電撃基地での治療シーン以降に放り投げっぱなしなので、ここからの戦いの中で、拾われてくれる事も期待したいです。
 次回――いよいよギルークを追い落としたアハメス怒濤の大攻勢!