『電光超人グリッドマン』感想・第35話
◆第35話「ぎくっ!スケバンゆか!?」◆ (監督:村石宏實 脚本:静谷伊佐夫)
「ゆかって本当に優しいよな……」
うん、まあ、うん……異論は無いでもないですが、ハッキングによる日記の盗み読み未遂を許してくれたの一事で、菩薩のような存在といえましょう。
だがそんなゆかに対して、僕に向けられぬ優しさなど不要! と逆恨みを燃やした武史は不良怪獣を作り出し、井上家のドライヤーへと送り込む。そのドライヤーの風を浴びた人間は、性格が豹変して不良になってしまうのだ!
「行け、ゴロマキング。井上ゆかの心を変えに」
と呟く武史の表情は大変良く、長ランとリーゼントの意匠を上手く取り込んだ不良怪獣のデザインもなかなか面白いのですが、今回に限って説明もなく怪獣が喋り出すのは唐突ですし、徹頭徹尾「ゆかが金髪でレザーファッションに身を包み乱暴な言葉遣いの不良になる」というワンアイデアのみのストーリーなので、そのアイデアを楽しめるかどうかに左右されるところが大きく、個人的には苦手な部類のネタ。
紆余曲折あってドライヤーが翔家に移動し、直人母が網タイツにレザーファッションで鞭を握った女王様に変貌するのを面白がるのも、私にはハードルが高すぎました……。
ラスト、自業自得とはいえ武史が不良に一発殴られて地面に伸びる、というオチも見せられて気持ちのよい画面ではないですし、フィクションとはいえ大地くんがドライヤーを自分で修理(分解)しようとする展開は避けた方が無難だったのではと思いますし、面白く見せようとしている部分が、私個人の「快不快」の部分に引っかかりすぎて楽しめない、というエピソードでした。