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電光超人グリッドマン』感想・第27話

◆第27話「驚天!オモチャの反乱」◆ (監督:村石宏實 脚本:大川俊道
 「はははははははは! 玩具よ、混乱を起こせ! 生意気なガキどもに、恐怖を与えてやれ!」
 電波怪獣ボランガの破壊活動により、コンピューター制御のラジコンが突如として子供達に襲いかかる。大地の友人・太郎がラジコン戦車の砲撃を受けて怪我をするが、見舞いに行った大地は、ラジコン戦車で遊びたいあまりにそれを持ち出して外へ出たところを、金持ちのお坊ちゃまである太郎本人と誤解されて、間抜けなカップルに誘拐されてしまう事に……。
 逆恨み同盟によるラジコンパニックと、全く無関係の誘拐騒動、二つのプロットを組み合わせるという今作ここまで無かったアイデアは面白かったのですが、最終的に、グリッドマンvs怪獣と、ラジコン軍団に追い詰められるサスペンス、という並行展開がまたもあまり面白くならず。
 無言で迫り来るラジコン玩具に追い込まれる大地&誘拐犯女、のシーンは古典的な演出ながら面白みはありましたし、グリッドマンの殺陣も悪くないのですが、同時進行が相乗効果を生まずに、互いの魅力をぶつ切りにしてしまっているように思えます。
 これは一つに、グリッドマン側にサスペンス要素が不足している、というのがあるのかなと。
 「人々の目に見えないCワールドでの戦いが人々の危機を救う」というのは今作のコンセプトであるのですが、グリッドマンは事件の大枠を把握していても、個別の危機的状況をダイレクトに認識していない場合が多く、今回でいうならば「ラジコン暴走事件は把握している」が「大地に迫る危機は認識していない」ので、後者を強調した同時進行において、バトルとサスペンスがマッチングしていない為に物語の盛り上がりが連動してこないように感じます。
 ずさんな誘拐犯とずさんな翔一家の誘拐を巡るやり取りも、スラップスティックコメディとまでは突き抜けきれずに中途半端なギャグ展開になってしまい、根はそう悪くもない犯人が、やむなく誘拐を行うきっかけになった「落とした500万円」は親切な人が拾ってくれたが、誘拐は誘拐なのでパトカーに乗せられて去って行く……というオチに至っては、ただ劇中の因果を並べただけで、おかしくはない代わりになんの面白さもなく、素人の作文のような結末。
 プロットの面白さが練り上げられないまま放流されてしまった残念エピソードでしたが、もう一つ残念だったのは、
 「自分は小金村巡査の代わりにこの地に配属されました、尼崎です」
 初登場の関西弁の巡査の台詞より、異動になってしまう小金村巡査。このタイミングでの日常セミレギュラー交代は、役者さんに何らかの事情が発生したという可能性が高そうですが、基本コメディリリーフ要員ながら、強い正義感を持った日常のヒーローの側面が段々といい味を出していただけに、降板(?)は残念。