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メジャーデビュー1993

電光超人グリッドマン』感想・第26話

◆第26話「決戦!ヒーローの最期(後編)」◆ (監督:北村義樹 脚本:平野靖士)
 グリッドマン・完敗。
 辛くもヒューマンワールドに帰還した直人だが毒ガスの影響による敗北のメモリーに苛まれ、それを看病するゆかが一気のキスシーンでヒロイン度を押し上げる思い切った展開で、武史ぃぃぃぃぃ(涙)
 (なお一平は、自宅に戻って回復用のスープを調理していて、一平ぃぃぃぃぃ(涙))
 真・逆恨み同盟結成の種が着々と蒔かれる中、目を覚ます直人だが「もう勝てないかもしれない」と弱気をもらし、ゆかに励まされる。
 「思い出してみて! 今までの事を! 今まで私たちがやってきた事を!」
 からようやく勝利のメモリーが振り返られ、これは綺麗な流れ。……まあなんか、グリッドマンの活躍というより、オプションメカの歴史になっているけど!
 そういえばEDではずっと出張っているゴッドゼノンは、本当にもう用済みなのでしょうか……いずれ復活するのだろうと思っていたらそういう空気ではなくなってきて、あまりにも短い活躍だったような。
 「わかったよ……俺やるよもう一度!」
 再起する直人だが、広がり続ける有毒ガスにより首都圏には非常事態宣言が出され、前回の中継映像をきっかけに、コンピューターワールドと怪獣、それと戦うグリッドマンが一般市民に認識される事に。
 大規模化学兵器テロに合わせる形で、集団幻覚で誤魔化す事なく劇中世界のパラダイムシフトに持ち込み、2クール目の締めをかなり思い切ったターニングポイントにしてきましたが、時間の認識異常・甦るミイラ人間・毒花粉テロ、などそれなりに世間の人々が異常事態を目撃(体験)してきたので、違和感は無い流れ。
 「コンピューターワールド」という固有名詞が既に共通認識になっているのが唐突といえば唐突ですが、提唱されるシーンが挟まっても煩雑ではあったか。
 「ふはははははは! 愚かな人間どもよ、よーく聞け。我が名は、カーンデジファー! 貴様等の運命は、このカーンデジファー様にかかっているのだ」
 仇敵を仕留めたと舞い上がるカーンデジファー様は、暗雲に映像を浮かべて全人類に自己紹介するという念願の大魔王仕草を行い、ここで、第3話で物議を醸した、だいぶ頭の悪そうな署名入り犯行声明(FAX)を振り返ってみましょう。


 オロカナ ニンゲン ドモヨ
 オレサマガ ニンゲン セカイヲ
 セイフクスル ヒマデ
 コンランニ クルシムガヨイ

     マオウ カーンデジファー

 ……改めて、破壊力高い。
 「もはやグリッドマンは存在しない。貴様達の味方をしてくれるヒーローなど、どこにもいない。さあ! 人類は今から、このカーンデジファー様の下僕となり、いかなる時も、俺様の命令通りに行動するのだ。ふはははははは!」
 興奮のあまり一人称を帳尻合わせするカーンデジファー様だが、ヒーローは既に、再起を志して立ち上がっていた。一平が毒ガス対策の追加装甲を閃くが、これ以上怪獣を野放しにして被害を広げるわけにはいかないと、眼差しも強く決意を固めた直人は、割といつの間にか持ち直していたグリッドマン(多分ジャンクの中から全て見ていたが大人なので何も言わない)と合体して再びCワールドへ。
 怪獣に毒ガスを放つ隙を与えまいと怒濤のラッシュ攻撃を仕掛けるグリッドマンだが、火球からのコンボで今回も敗北のメモリーに飲み込まれてしまう。
 「フ……無様な奴め。意味の無い悪あがきをするからこんな目に遭うんだ」
 その姿はまたも実況配信されるが、大地らはグリッドマンに声援を送り……悪夢の枕回が良いジャンプ台となって、グリッドマンに声援を送る人々(代表して翔家の茶の間)の姿が、受け入れやすい形になったのは流れが上手くはまりました。
 そして一平が防毒アーマーのアイデアを完成させ、送り込まれたダイナドラゴンから分離したキングジェットが、強化アーマーとしてグリッドマンの全身に接続される。
 「合体竜帝・キンググリッドマン!」
 ここでフルバージョンの前奏からの主題歌、という文句なく燃える展開(フルバージョンなのが、特別感が増してポイント高い)。

 グリッドマン BABY DON DON BABY DON DON 夢見て
 グリッドマン  BABY DAN DAN BABY DAN DAN 輝け

 怪獣より一回り以上大きいキンググリッドマンは、毒ガスをものともせずに前進すると、デカいは強い戦隊ロボメソッドを発揮し、重量感のあるパンチから膝蹴りを叩き込む。たまらず怪獣の放った火球も蹴散らし、キンググリッドランチャーで弱らせた所に、右腕から放つキンググリッドビームで粉砕。
 ここ数話の追加ギミックを踏まえた上で、前後編で最大の苦戦から繰り出される強化形態、という事で非常に見応えのあるデビュー戦となりました。デザイン的にも、ストレートに格好いい系だったサンダーグリッドマンを継承しており、良い感じ。そう、ゴッドゼノンは、偉大なる肥やしとなったのだ……。
 かくして有毒ガスは浄化されて首都圏壊滅の危機は去り、グリッドマンは青空と共に人々のヒーローとなるが、逆恨み同盟は復讐の牙を研いでいる! 頑張れ負けるなグリッドマン! で、つづく。
 Cワールドと怪獣、グリッドマンとカーンデジファーの存在が世間に認識される、という大きな転機となった前後編。これにより、遡って幾つかの怪事件はカーンデジファー様の仕業、という事になりそうですが、今後この世界では、なんらかのシステム異常などが発生する度に「これはCワールドで怪獣が暴れている為です」「我々のシステムに不備はない」「〆切りは三日後だった筈」「グリッドマンどうした、しっかり戦え!」「すべてカーンデジファー様のせいだ」という汚い弁明が横行するのではないか(笑)
 そして、もし『グリッドマン』世界のインターネット社会が我々の現在のように発展していたら、カーンデジファー様はSNSで恰好の玩具にされていそう。
 「武史よ、一つ聞くのだがこの、「#カーンデジファー姫」というハッシュタグはなんだ?」
 「カ、カーンデジファー様?! い、いけません! それをクリックしては駄目であぁぁぁぁぁ!!」
 頑張れ! 僕らの! 逆恨み同盟!!