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電光超人グリッドマン』感想・第23話

◆第23話「暗殺!地獄の雷鳴」◆ (監督:石井てるよし 脚本:神戸一彦)
 見所は、二足歩行タイプにも関わらず、背中に乗れるメカジェネレドン。
 サンダーグリッドマンのデビュー戦の相手となった初代も見栄えのするデザインでしたが、背中に広がる巨大なヒレ状の突起といい、体各部のジェネレーターといい、グリッドマンを大きく上回る体躯が、強力怪獣として説得力のある出来映え。
 ……エピソードの方は、後半に行くにつれ、雑になってしまいましたが。
 桜が丘で停電が発生し、もしグリッドマンの戦闘中にジャンクがシャットダウンしていたら……と真剣な表情で憂える一平に対して、弟がゲームをクリアできなくてざまぁみろ、とニヤニヤ嬉しそうな直人は、今日もさいてーポイントを稼いだ!
 まあ直人の場合、これで品行方正で弟にも優しい立派な兄貴、とかだと逆に出来が良すぎて嫌な奴になりかねないので、随所でさいてーポイントを稼ぐ事で隙を作るのは、造形として必然めいた所はあるのですが。
 Cワールド破壊によるインフラ崩壊の危機を何度も救ってきたグリッドマン自身にとっても、電力というインフラの崩壊が致命的な結果を招くのではないか……3人は思わぬ現実の脅威と向き合う事になるが、ゆかが自家発電装置の制作を思いつき、一平が自転車による人力発電装置を開発。見事に発電に成功するが、その際のトラブルで直人が左腕を負傷してしまう。
 一方、グリッドマン暗殺計画を練り上げた逆恨み同盟は暗殺電気怪獣を変電所に送り込み、街を襲う停電。直人の負傷に責任を感じる一平は代理で合体できないかと問うが、
 「それは無理だ。私と直人は、一心同体だ」
 と都合良くは行かず、ここしばらくの流れを汲んで、負傷を堪えて変身する姿により直人のヒーロー性を補強する展開。また、負傷した直人をフォローしようとする一平と、そんな一平に気を遣わせまいとする直人、という二人の友情をアピールするのですが、ジャンク/グリッドマンを脅かす停電の恐怖・負傷によるピンチと親友同士の友情・グリッドマン暗殺計画による強力怪獣、と要素を盛りすぎて、この辺りから段々と散漫な展開に。
 この内、どれか2つの要素の組み合わせで良かったのではと思うのですが、折角グリッドマン暗殺という目的の為に見栄えのする強力な怪獣を送り込んだのに、逆恨み同盟の与り知らない所で負傷したグリッドマンが最初から不利な状態、というのは暗殺計画の劇的さを大きく減じてしまいました。
 変電所の避雷システムを改竄した逆恨み同盟は、変電所に雷を落とす事で内部のCワールドを崩壊させてグリッドマンを葬り去ろうとするが、一平の自家発電により強化したセキュリティ突破プログラムにより武史の妨害バリアを破壊したゆかがドラゴンフォートレスを送り込み、ダイナドラゴンへ変形。
 そのまま一気に逆転勝利……ではなく、自家発電自転車のペダルが外れて電力が供給できなくなり必死に修理、というのは無駄なスペクタクルになった感。
 そして結局、変電所に落雷してしまうも間一髪、グリッドマンがシステムを一部復旧して助かりました、というのも、逆転劇にここまでの流れとの繋がりが弱く、特に一平の自転車修理という前段で用意したスペクタクルとほぼ関連しない為に物凄く台無しで、どうしてそうなった。
 一応、ダイナドラゴンを送り込んだ事でグリッドマンがシステムを一部復帰する余裕が出来た、という理屈だとは思うのですが、そこの部分(ドラゴンが怪獣を引きつけるなど)が映像から全く伝わってこず、また、落雷の瞬間の歓喜と、それを回避された事のショックなど、逆恨み同盟側のリアクションが一切描かれないので面白みに欠け、単純に、つまらない演出となってしまいました。
 落雷消滅の危機を逃れたグリッドマンは、残りのパワーを振り絞って猛然と攻撃を仕掛けると、グリッドビームでフィニッシュ。直人達は、電気の大切さを噛みしめるとともに、魔王カーンデジファーへの憤りを新たにするのだった、でつづく。