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転ばぬ先のグリッドマン

電光超人グリッドマン』感想・第10話

◆第10話「危険な贈り物」◆ (監督:村石宏實 脚本:平野靖士)
 冒頭から、空き缶を川にポイ捨てしてゆかに叱られる直人と一平。
 「信じらんない! 恥ずかしいと思わないの!?」
 君たち今、「僕等はパソコンをハッキングして女の子の日記を盗み読みしようとしました」という、人間の底辺一歩手前の立場なの、忘れるなよ……。
 一方、公園の水飲み場で水道水のまずさに辟易した武史はミネラルウォーターを買い込み、その姿に首をかしげるカーンデジファー様。
 「水は人間の生命線というわけか」
 そもそも第1話で「逃げてきた」という扱いだった覚えはありますが、電子レンジも知らなかったし、この人、ろくにリサーチもせずに「とりあえず征服。なぜなら俺様は魔王だから」ノリでFAX配ったな…………。
 直人&一平とカーンデジファー様、果たしてどちらがより底辺に近いのか、というかもう武史を加えて男4人でスクラム組めば色々な事が解決するのではないかという気もしてきた今日この頃、カーンデジファー様は武史との世間話から水道局を攻撃する事を思いつくと作戦内容は丸投げし、武史は水道水の塩素消毒の仕組みに介入する計画を立案。
 かくして昆虫系の地底怪獣が水道局のCワールド(新バージョンの、透明感のある建築物が美しい)に送り込まれてシステムを改竄。蛇口をひねると家庭の水道から濃塩酸が噴出するという、モンスター軍団もかくやの本格的な大規模テロが敢行される!
 「殺人音波」回の時に、武史の作戦がかつてなく直截的に「殺人」を目的としてしまっているが、全体のバランスとして今後どうなっていくのかを気にしましたが、今回はどう控え目に見ても画面に映っていない所で相応の人的被害をもたらしていそうで、完全に一線を越えた感。
 水道から直接水を飲もうとした一平が、あわや顔面大火傷寸前、というシチュエーションも描かれましたし。
 カーンデジファーの陰謀に違いない、と水道局のCワールドに乗り込んだグリッドマンだが地底からの不意打ちを受け、脱出を図るも魔王様が事前に設置しておいたトラップに引っかかってしまう。身動きできないグリッドマンが酸性のガスを浴びて大ピンチのその時、一平がミリタリー雑誌を参考に新たにデザインしたオプションメカ、ツインドリラーとサンダージェットが発進し、グリッドマンの危機を救う!
 Cワールドに送り込まれたドリルとジェットを、外部からゆかと一平がコントローラーで操ってグリッドマンを助ける、というのは今作らしい見せ方ではあるのですが、Cワールドのマシン→Hワールドの二人、を映像上で行き来しながら、マシンを操ってこれから何をするかをいちいち宣言するゆかと一平の会話があまりにも説明的な為、物語としては大変テンポが悪い事に。
 ここが一番気になりましたが、他にも今回、翔家における様々なやり取りが長すぎてダラダラしてしまい、全体的にテンポが悪し。この5年後の作品となる『ウルトラマンガイア』第1-2話では特に感じなかったのですが、今のところ今作の村石監督回とは、どうも相性が良くありません。
 ジェットとドリルは怪獣を引きつけるとグリッドマンをトラップから救い出し、反撃に出たグリッドマンは、やたらエフェクトの強化されたグリッドビームで大勝利。
 こうして市内の水道は復旧し、今回の一件で水の大切さを知った直人達は、川のゴミ拾いを行い、地球環境を守る事を心がけるようになり、人間の底辺ダービーから一歩後退するのであった。
 ナレーション「無意識に自然を汚してしまう、我々もまた、地球の敵となりうるのかもしれない。そう思う、直人達であった」
 と、随所に挟んだ環境ネタをオチに使って、つづく。