東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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苦手パターン

ウルトラマン80』感想・第14話

◆第14話「テレポーテーション! パリから来た男」◆ (監督:湯浅憲明 脚本:阿井文瓶)
 「チーフは人間じゃありません。今、目の前で消えました」
 「消えたからって人間じゃないとは言えん」
 そう、ニンジャかもしれない!
 キャップの後輩にあたるUGM隊員イトウがヨーロッパエリアから極東エリアに転任してくるが、その乗っている筈の戦闘機が、突如、空中で姿を消してしまう! 消えた戦闘機はUGM本部上空に出現すると滑走路に着陸し、キャップに身分を保証されてチーフに就任したイトウは、怪現象について全く説明しないまま、隊員たちの猛特訓を開始。
 戦闘機の空中機動を中心に力の入ったミニチュアワークが続くのですが、〔空中で消失→基地上空に突如出現→滑走路に強行着陸→身分証明もせずに本部にズカズカ侵入〕してくるイトウが無茶苦茶すぎて、これ、入り口のところで撃たれても仕方ないと思うのですが、というかむしろ警備、仕事して。
 そしてそんなイトウの存在を「俺の顔見知りだから」で基地全体に承認させてしまう、キャップのカリスマ。
 新キャラ登場のインパクトをミステリアスな展開で彩る狙いだったのかもしれませんが、虚実どちらに転ぶかドキドキするというよりも、面食らって話の流れに取り残される事に(しかも、イトウ擁護派がキャップ、不審派がハラダなので、綱引きが成立していない)。
 実はイトウはテレポーテーション能力で餌となる人間を集める怪獣を追いかけ続けており、テレポーテーション能力を徹底的に研究した結果、相手のテレポーテーションを逆に利用してその精神波の流れを読み取れるようになっていてもうニンジャという事でいいのかもしれません。
 「チーフ、僕を殴って下さい」
 同じUGMの仲間を疑った事を恥じた矢的は、消えた学園生活に代わり、ひとり青春ドラマを発動。
 「無理もないさ。俺はいちいち説明せんからな」
 自ら不測の事態を招いているイトウは何故か誇らしげに俺ルールを語り、幾ら上官命令は絶対の軍隊的組織にしても、「特に理由もなく必要な説明をしない上司がチームに無駄な不和と混乱を巻き起こすが実は全て正しかった」という、個人的に凄く苦手なパターン。
 事情を把握したイトウの行動を黙認しているキャップまでまとめて駄目上司フォルダに入った上に、矢的が青春ドラマを堪能している間に放置されたハラダが突入してきた事で怪獣が目覚めてしまうなど頓珍漢な展開が続き(催眠状態の人々が銃をちらつかせると黙々と倉庫から出て行く絵も大変間抜け)、今回ばかりは、イトウをエイリアンと疑い尾行したハラダが一番まともですよ!
 怪獣のテレポーテーション破りを一発で成功させるキャップは格好良く、最後に日本支部時代のイトウの恥ずかしい小話が紹介されて和やかにまとめられるのですが、今後もイトウが、説明の足りない鬼軍曹(しかし常に正しい)路線で進むようだと辛く、新メンバーの登場早々に大きな不安。

7/5付けレス

 本日は『ハリケンジャー』感想を書きました。サンダー!

↑湿気ダメージにやられがちなので、よくわからない気合いを入れています

◆五月サツキさん
 >ボウケンジャー好きとしてはチーフのサインというプレシャスをゲットした鎧が羨ましくて仕方がないです。割と本気で。
ファン視点から真のヒーローに向けて歩み出したけど、それはそれとしてサインは貰う、のはらしかったですね(笑)
 >そしてアカレッドの存在にも触れとこの人も大概好き放題していったなあ……と(役者さんではなくキャラが)。
チーフは好き放題してこそのチーフ、というのが貫かれていたのは大変良かったですね。
 >個別武器(特にジャベリン)とデュアルクラッシャーの使い方も満足。
ボウケンジャーといえばコンクリート! というのは見せ場になって良かったですねー(笑)
 >下山さんが書くOBキャスト出演回というとニンニンでの鷹介に納得がいかずそれ以降どうも乗り切れなかった記憶があったので
私は当時、二作品とも未視聴だったのであまり気にならなかったのですが、今見るとまたちょっと変わるかもしれません……。今回は色々な点で、下山さんの悪い部分が出なかった回だなと。
 >チーフがお宝探しを目的にする海賊に宝より宝を探す冒険こそが宝理論を展開しているのもそうですが、ゴーカイジャーは宝(結果)が目的
ここで、では、ゴーカイジャーにとっての宝ってなんだ? という問いが入っているのも、巧い回でしたね。
 >ただ手元に置いたら満足して次に行ってしまうだけで(真墨……映士……)。
一つの夢をかなえたら、次の夢を目指すまでのサイクルが、異常に早いんですよね……(笑)
 >マーベラスアカレッドにバスコとかつての仲間との過去をどう乗り越えるかも今後のポイントになってきますね。
『ボウケン』テーゼだと、アカレッドを乗り越えた先にこそ自己肯定がありますが、マベの中ではまだ輝かしい思い出のままだったのも、ちょっとした差異として、狙った仕掛けぽかったですよね。
 >制御出来ない力によって理性を失い狂ってしまうのも、また冒険者の末路の1つなのか。
ここも、本編のテーゼを拾いつつ、海賊達の行き先に対して、チーフがチーフなりに、アカレッドの代わりに警鐘を鳴らしていて、『ボウケン』と『ゴーカイ』の接続として巧かったですね。……そう考えると、陛下登場の意味はそこにこそあったのでしょうか。
 >一方、眠りについたガジャ様(役の大高さん)はTwitterで陛下ゴーカイ客演を羨ましがっていた。
そんな事が(笑)

◆ピンクまさん
 >下川さんが自分の個性を抑えて、會川さんが描きそうな脚本になぞって作ったのが結果的に良かったかなと思います。
會川さんが『ボウケン』に込めたテーゼを、丁寧に拾ってくれたのは良かったですよね。
 >基本的に下川さんの書くギャグは自分にはミスマッチすぎるのですが、真面目に書くと割といい脚本を書かれるのだなと再発見しました。
私も下山さんのギャグはどうも相性が悪いのですが、ナンセンスネタを放り投げた時点で満足してしまう悪癖があるものの、技術的掘り下げが全くできないわけではないみたいなんですよね、下山さん……。
 >まぁチーフの場合、喋らせるだけで面白いのでギャグを入れない方がいいという判断もあるのでしょうが(笑)
……あの人、なんで、普通に喋っているだけで面白いのでしょうね(笑) 『ゴーカイ』世界にやってきた事で改めて浮き彫りになる、チーフの凄まじいキャラ強度。

◆スピリットヒューマンさん
 >マーベラスを真墨と見立てた場合、ちゃんとマーベラスを導けたところに不滅の牙を成長がしみじみ感じられます。
「マジ」編も「ゲキ」編も、海賊戦隊と絡めつつ、かつてのレッドの成長を盛り込んでいましたが、本編時点で基本は大人だったチーフの成長の見せ方として、この見立ては巧かったですねー。
 >ボウケン本編でも終盤宇宙由来のプレシャスなどの存在が明かされていましたし、接続がうまいですよね。
『ボウケン』の方でチーフが言っていたのは、こういう事だったのか、といった感じで、プレシャスをキーにスムーズに繋がって良かったですね。
 >プレシャスに溺れたものの末路としてはボウケンジャー本編準拠では"正しい"結末であり、下山さんがボウケン本編をしっかり研究したようで素晴らしかったです。
今回ホント、『ボウケン』のテーゼをしっかり読み取って、随所で丁寧に『ゴーカイ』と接続してくれていたのが、良かったですよねー。
 >宇都宮さんの思い入れが強すぎたのではないか説もありますが(笑)。
他のレジェンド回に比べて、原典ギミック多めだった感は強く、あれも入れてほしい、これも入れてほしい、と色々オーダーを出したのではないか、とは思ってしまいますね(笑)

コジコジハルさん
 >多分姉さんはチーフと結婚しててもおかしくない気がしますし(姉さんが狙った獲物を逃すタイプに見えないので)
確かにさくらさんは、押し切っていそうな雰囲気(笑)
 >真墨と菜月はどこへでも一緒なのは想像つきますが蒼汰だけはどうなってるのか予想しずらいです。
色々と、それぞれの妄想を膨らませるのが、美しいかな、と思います。
 >あと何年か後には金子さんや下さんがニチアサの常連と呼ばれる日が来るんでしょうか?
東映的には期待をかけての育成枠のようなので、キャリアを積み重ねていってほしいですね。
 >余談ですがリュウオーンの登場に当時ガジャ様の役者さんがすごいうらやましそうにTwitterで騒いでいたという有名な話があります。
大高さんは、配信の時も色々とツイートなさっていて、サービス精神豊富ですよね……(笑)

◆ヘイスタックさん
 >アカレッドが初登場した『ボウケンジャーVSスーパー戦隊』はオリジナルビデオ作品になります。
おっと、ありがとうございます。この時期はまだ、冬映画的な枠はなかったのですね。
 >”大いなる力”の格差問題については作劇上の判断というより、「DX玩具が発売されるか否か」という事情によるかと。
やはり、玩具展開の有無と、CG枠の問題というのが、大きいのでしょうね。
 >商品展開を度外視した”大いなる力”の合体形態を登場させ、後にプレミアムバンダイで限定商品として発売、というような事も出来たかもしれませんね。
実に、ありそうですね(笑)

◆橘まことさん
 >初期の頃の感想でバスクの名前が出た時から、サタラクラに対する反応を心待ちにしていました(笑
たまに、こういう、適当な冗談がどんぴしゃりするので怖いですね(笑)
 >この頃はサタラクラ含めた新キャラを描くのに注力されすぎていて、全体的にはちょっとパワーダウンした感もあり。
一応チューズーボー退場で区切りは作ったものの、ここまでの要素がまとめ切れていない内から新キャララッシュを初めてしまった感じはありますよね。ゴウライ編を少し重くしすぎた、という判断だったのかもですが。
 >このエピソードの次に「世界の平和だとか、そんなのは理屈だ。俺は冒険が好きなんだ!」のチーフが出てきたのは、
 >2話連続配信ならではの面白さでした(笑
考えてみると、ボウケンジャーギンガマンは、物凄く相性悪そうですね……(笑) 遺跡荒らしと遺跡の守護者というか、『ボウケン』本編の「水の都」回の、もっと殺伐としたやつになりそうというか。
 >バスコの「●●ロイド」って曜日モチーフだったんですね(リキッドロイド=水、ムーンロイド=月)
ああ成る程! ああいう、ノルマ消化的なキャラだけに、わかりやすいモチーフというか縛りを決めておいた方がやりやすいんですかね。
 >もしかしてハリケンの七本槍とデザイン上の共通項が?
ああ成る程!その2。言われてネーミングのパターンに気付きました(笑)
 >→寿司屋の大将、独学でキラメイチェンジャーを開発
……あの天才は、普通にやれそうで怖すぎます(笑)

◆中吉さん
 >ボウケンジャーに対する思い入れが抑えられない気持ち、わかる気がします(笑)。
作品として単純に好きなのもありますが、戦隊としての独自の立ち位置が、色々と光るなと改めて。
 >出来ればチーフがちょっと複雑な感慨みたいなのを感じるみたいなシーンは入れて欲しかったな、と思いました。
巨大陛下を見てちょっと一言ぐらい挟んでくれたら、言うことなかったですよねー。
 >一般兵士のジャリュウ一匹でスゴーミンたち数体を倒したのかとか
ジャリュウはレベルアップできる体質なので、5年間のプレシャス探しの度で相棒と共に成長していたのかもしれません……(陛下のボウケンスピリットも受け継がれていた筈ですし)。
 >今回未参加の『ボウケン』のテーマをすごく上手く取りこんでくれたのは、ほっとすると同時にジオウは色々難しい条件があったのかな…と思いました
基本的には、設定をひねりすぎたと思うんですよね……もっとストレートな方が、下山さん向きだったのではないかな、と。
 >好みの分かれる作品とは思いつつ多分管理人さんには合わないんじゃないかな、と思っています
コンセプトそのものがあまり得意ではなく、実際にどうにもノれなかった作品なので、『ジオウ』の再挑戦は正直、無いかなと思っています。
 >ところでゼロワン、本格的に本編再開しましたが、感想は続けられますでしょうか…?
時間というか気力がなくて、また溜めてしまっていますが、録画はしているので、これ以上溜めない内に、再開したいと思っています!

◆もりみやさん
 >骸骨っぽい見た目の宇宙人に、ゾンビっぽい能力の怪獣ながら、デザインは正統派でかっこよかったですね。
偶然かもですが、正攻法で怪獣物をやるよ! 的なメッセージ感もあって、いい宇宙人と怪獣でしたね。
 >敵の陰謀を暴くのがウルトラ超能力で、サブタイのフォーメーション・ヤマトも後半戦では役に立たない
これで決まると80の出番無いしな……というのは、特撮ヒーローの難しいところではありますね(笑)
 >それにしても80は、飛び蹴りの高さにこだわりがあるのか、なんかすごいですよね(笑)
80のアクションの跳躍へのこだわりは、なんとなく体操競技のイメージを感じるのですが、あの飛び蹴りはホント、光線技より印象に残りますものね(笑)
 >他の組織だと役者さんを呼ぶ必要があって、役者さんを読んだらもっと尺を取らなければいけなくなるというのも大きかったでしょうか?
熱望していたというガジャ様でなかったのは、顔出しではない、という事情も恐らくあったのでしょうね。……まあ、ガジャ様復活すると、やらかし案件まで再び、になってしまいますが(笑)
 >他のスタッフや視聴者からはポスト浦沢を期待されて、苦労なされているというイメージになっています。……勝手な妄想ですが。
あまり浦沢的な方向性ではない気がするのですが、オーダーに応えるのも脚本家の仕事の内、というのもあって難しいですよね。
 >ポスト浦沢という点でいうなら、兄弟子にあたる大和屋暁さんの方がそれっぽいかと思うのですが
今のところメインの機会は訪れていませんが、師匠筋も含めて東映との長い付き合いもあってか、大和屋さんクラスの人がサブで飛び道具を放っていってくれるのは、有り難い存在だなと思います。

ブローアップ!

忍風戦隊ハリケンジャー』感想・第23-24話

◆巻之二十三「コロンと名探偵」◆ (監督:大井利夫 脚本:宮下隼一)
 疾風流の忍者データベスに該当流派無しの、天空忍者シュリケンジャーとは何者なのか? 御前様に問い合わせるハムスター館長だが、「おまえなに? 儂のする事に口を挟むの?」と上意下達の徹底されるニンジャコミュニティの壁に阻まれ、敢えなく玉砕。ハムスター館長も、所詮はサラリーマンなのだ……!
 という、姿も声も見せない偉い人にへこへこしているハムスター館長の図は、謎の黒幕が居たり、シーズンに1回か2回、大御所俳優が登場したりという時代劇パロディの意図なのでしょうが、個人的にはあまり面白みを感じず。
 “口うるさいけど根は思いやりのある師匠”(&現在超不遇の身の上)である館長が、より偉い人の指示に従っているのはキャラとしての格を変に下げるだけになってしまっている気がします(“アレ”と手法を被せているのも、作風としてくくるほどの魅力は感じられず)。
 謎が謎を呼ぶ中、サタラクラ配下の香水忍者が宇宙忍法で生物を次々と香水に変えていき、ハリケンジャーより早くそれを目撃したのは、焼き肉の好きそうな顔の名探偵……?(演:大柴邦彦
 マンマルバの呪いにより兄者が腹痛に苦しむハリライジャーは、青と黄が香水に変えられてしまう大ピンチに陥り、24時間経たないと固定化されないものの割と一撃必殺。
 ……なおここで、『重甲ビーファイター』第32話「恋する漬け物!!」(監督:渡辺勝也 脚本:扇澤延男)を思い出したのは、日本で私一人だけではないと思いたい(笑)
 「ブルービート甲斐拓也は間もなく死ぬ。漬け物地獄で悶え苦しみながらなぁ!」
 ……主人公が魔法の漬け物樽に封印され、漬け物にされて死にかける、そんな迷作があったのです。
 戦力激減で苦境に陥るハリライジャーだが、マンホールに落ちたと思われた間抜けな探偵が突如飛び出してくると、キレキレのアクションで下忍を蹴散らし香水忍者に発信器を取り付けてアジトを突き止める腕の冴えを見せ、天空シノビチェンジで、緑の光弾・野球忍者シュリケンジャーへと変身。
 香水にされた人々や動物は、香水忍者がちょっとダメージを受けると唐突に元の姿に戻るが、香水忍者が隠し持っていた七海香水と吼太香水はそのままで、人質に取られてしまう事に。
 香水忍者は指先から出した火で香水の瓶をあぶり……大丈夫か……蒸発して……元に戻った時に……少し、減らないか……?
 赤紅蒼緑が武器を捨てるも「遅かったコローネ」と瓶が砕け散ると、ダメージを受けながらも青黄は元の姿に戻り、生物を香水に変える忍術が強力すぎた為か、状態異常からの復帰が凄まじく雑で、盛り上がりを損ねる事に。青黄に駆け寄った赤紅蒼はまとめて火あぶりにされてまたも大ピンチに陥り、「仲良く火だるまになるコローネ」と高笑いを浮かべる香水忍者だが、武器は捨てたが駆け寄りはしなかったので、火あぶりになっていない奴が、約一名。
 「just now! 怒りの封印が、今、解かれる!」
 凄く、説得力がないぞ(笑)
 約一名ことシュリケンジャーはジャケットを脱ぎ捨てると「大逆転」でフェイスチェンジし、江戸っ子が憑依したファイヤーモードを発動。「宇宙統一忍者流」を名乗るとテーマソングに合わせて分身魔球から近接攻撃の猛攻を仕掛け、トドメは秘打千本ノックの消える打球で逆転サヨナラホームラン
 謎だらけの新忍者! 独特の台詞回し! 野球! フォームチェンジ! 江戸っ子! 宇宙統一忍者流! と、立て続けに濃厚なスパイスを振り掛けてくるシュリケンジャー、単独で見たら面白かったかもしれませんが……なまじ霞兄弟の背景が好みのテーマだっただけに、そこから間を置かずに投入された、つゆだくねぎだくガラムマサラだくの牛豚カルビ丼特盛り生卵付きに体が対応できず、凄く、胃もたれします……(笑)
 まあ、芸風的にはむしろ、シュリケンジャーの方が序盤に近いとはいえますが、それならそれで、何故ゴウライジャーを挟んだのか、という事になってしまいますし……。
 シュリケンジャー活躍の余地を作る為に、協調路線を取った早々に兄者が腹痛に苦しむ役回りになっているのもスッキリしない組み立てで、せめて1話ずつでも、霞兄弟の私生活や個性を掘り下げるエピソード(出来れば吼太・七海と絡む形で)を挟んでからの新展開にして欲しかったところ。
 巨大香水忍者は、旋風神ハリアーのホイールクラッシュ(なんか、こういう見た目の刑罰があった気がして仕方がない……)と天空神のアバレ駒のダブルアタックで撃破するが、一甲の体調不良は悪化の途を辿るのであった……。
 焼き肉の好きそうな自称名探偵は、シュリケンジャーの正体ではなく、変装の参考にされたただの一般人であった事が判明し、かなりの変化球。
 20の顔を持つ忍者を名乗ったシュリケンジャーは、
 「シュリケンジャーは、いつも、君たちのそばに居る」
 と言い残して去っていき、それを聞いたハムスター館長は、シュリケンジャー=御前様本人? と大興奮。
 えーとつまり……20の顔を持つ忍者→七つの顔の男・多羅尾伴内片岡千恵蔵→「山の御大」→御前様、という事なのでしょうか。

◆巻之二十四「タイコと稲妻」◆ (監督:大井利夫 脚本:宮下隼一)
 霞兄弟・遂にOPに正式登録!
 物語の流れ的には前回やってほしかったところですが、合わせて、館長&おぼろさんのアップ、シュリケンジャーに各種ロボットなどが加わり、シュリケンジャー待ちであった模様。
 なお、OPにおける兄者のイメージカラーは紫で、霞兄弟は二人合わせて紫紺と判明。……まあ、本人たちの自己申告を尊重して、引き続き略称は「紅」と「蒼」にしたいと思います。
 「カトンボは、叩き落とすダインゴ」
 何故かサーガイン配下の傀儡がシロッコネタを入れてきて、傭兵時代のゴウライジャーを参考にした雷忍者に苦戦するハリケンジャー。ゴウライジャーも、裏切り者への制裁に燃えるマンマルダイナマイトアタックを受け、またも腹痛に苦しむ紅、変身解除。
 昆虫食を敢行した兄者は、体内に植え付けられた宇宙サソリの卵を発見して自らの不調の原因を知ると、卵の孵化とともに自らを襲うであろう死を受け入れ、限られた命を有効に使う事を決意。
 「500年前……我ら迅雷流は闇に生き、奴ら疾風流は光に生きる宿命を負った。決して相容れぬ存在となったのだ。ならば!」
 「兄者……」
 「このまま闇から光を支え続けよう。それが我らに出来るこの星に対する務めだ」
 「兄者!!」
 陶酔した表情で虚空を見つめる兄者は、スポンサーの目の前で無様に大敗した過去の歴史を「生きる宿命を負った」にすり替え……この、急に光と闇の壮大なサーガが始まる感じは凄く、《メタルヒーロー》時代の宮下隼一を思い出します(笑)
 一鍬の心配を制し、疾風流を頼っての治療も拒否した兄者は、残り僅かな命の使い道としてハリケンジャーを成長させる為の捨て石になろうと敢えて悪し様な挑発行為を繰り返し、出自を考えると頷ける面はあるのですが、なんか凄く、面倒くさい方向に入ったぞ、兄者。
 一方、一時撤退したハリケンジャーに絡むお祭り男(演:西岡竜一朗)の顔を盗んだシュリケンジャーは、タイコ好きの一般市民として雷忍者に近付くと暗殺を試みるが、失敗。
 どうやらシュリケンジャー、レギュラーメンバーを増やさずに過去ヒーローゲストを仮の姿として登場し、毎度変身シーンを見せる趣向のようで、変幻自在の忍者らしさを出しつつサービス要素を盛り込むアイデアは面白いと思うものの、前回-今回と、強引に絡んできたゲストがシュリケンジャーに利用されるだけで、ゲストが完全にサービスの為のギミックでしかないのは、好みからはズレる部分。
 かといって、毎度シュリケンジャーの仮の姿をエピソード内容に絡めるのは作劇の幅を著しく制限してしまいますし、試行錯誤段階の面はあるのでしょうが、面白いアイデアをいざ実行に移してみたら……となってしまっているような気はします。
 この辺り、当時の方がサービス要素を新鮮かつ素直に喜べたのかも、とは思いはしますが。
 雷忍者は逆襲の霞兄弟とのタイコ勝負に敗れ、ダブルガジェットで成敗バイ。巨大戦ではシュリケンジャーから新たなメダルがトスされ、カブトスピアーで一気通貫
 シュリケンジャー=御前様説に傾いていた館長は、巨大戦の途中でかかってきた電話に仰天するが……それ、凄く初歩的なトリックだと思うのですが館長…………。
 心を鬼にしてハリケンジャーを叱咤する(しているつもりの)一甲は、体調を心配する鷹介たちを罵ると一鍬に肩を借りながら去って行き……兄者それ、骨折を隠して強行出場して周囲に不必要な迷惑かけているパターンだから! 足を引っ張るつもりはないとか言いながら戦闘中に急に腹痛を訴えるような味方はむしろ敵より厄介ななんですよ!?
 次回――吼太に春、到来? 果たしてその正体は、犬なのか猫なのか幽霊なのか、それともシュリケンジャーなのか?!
 監督は、第11-12話の橋本一監督に続いて初見の監督でしたが、《不思議コメディ》シリーズ『ペットントン』で監督デビューをしており、東映制作の2時間ドラマなどで活躍したベテランとの事。