『仮面ライダーアマゾン』感想・第4話
◆第4話「走れ! 怒りのジャングラー!!」◆ (監督:山田稔 脚本:大門勲)
見所は、まさひこ少年に激しく警戒される立花藤兵衛(笑)
アマゾンに良からぬ事を吹き込もうとする悪いおじさん扱いですが、あながち否定しきれないのが困ります。
「よーし……こうなりゃ、どこまでもついてくぞ」
だがしかし、悪の組織との戦いが一種の中毒症状に至り、戦いを・正義の・戦いを……と脳内麻薬が過剰分泌気味の藤兵衛は全く臆する事なく大介へのつきまといを宣言し、大介と藤兵衛、先に官憲に逮捕されるのは果たしてどちらなのか。
背後で困ったおじさんが狂気の炎を燃やしているとはつゆ知らず、亡きコウサカのアルバムを調べるまさひこは、かつてコウサカの探険に同行した人物を見つけ出し、辿り着いた名は、山村。
だがそこには既にゲドンの手が回っており、幼い娘を連れ、自宅を捨ててホテルに身を潜める山村を探し回す大介の顔が、半分ぐらい……敵(笑)
ゲドン従者の襲撃から大介に救われる山村だが、ゲドンの報復を恐れ、秘密を明かす事を頑なに拒否。
……既にゲドンに狙われている状況なので、明かすも明かさないも無い気はするのですが、ここはアマゾンの異質性を強調する為に、ヒーローが易々と信用を得たり状況を打ち明けられる展開を否定する事が目的化して、筋が強引になった感。
ホテルの場所がゲドンに割れた山村親子は、いったん自宅へと戻り、
押しの強さで山村家に居座る事を「義務」と言い切る立花藤兵衛
VS
こんな事もあろうかと脱出用の地下通路を作っていた山村!
『X』日本の残滓漂う自宅から密かに抜け出す山村だったがムカデ獣人に掴まり、それを追う大介は、藤兵衛が作り上げた新型バイク・ジャングラーを託される。
前部にアマゾン似のヘッドパーツが付き、後部には巨大な両翼がついたデザインはどこから出てきたのか……と思ったら、コウサカが「アマゾンから持ってきた設計図」に基づいたとの事で、闇のインカ科学と関係がある模様です。
半裸バイクでゲドンの一味を追うと山村親子を救出する大介だったがムカデ獣人が立ちはだかり、その攻撃に負傷し、手を真っ赤に染めながら、アーマーゾーン!
アマゾンはムカデ獣人の締め付け攻撃に苦しめられながらも、激しい噛みつきと投げの打ち合いを繰り返し、ヒーローと怪人が同じ攻撃手段を用いる描写を徹底すると、最後は、首筋を切り裂かれ、連続で攻撃を浴びたムカデ獣人は出血多量で緑の血の海に倒れ、より俊敏で、鋭い爪と牙を持った方が勝利するのだ!
しかし、その間に山村はゲドン従者のサーベルで致命傷を負い、確実に死ぬまで複数回の攻撃を浴びせたのが窺えるのが、苛烈な演出。
虫の息の山村は、十面鬼とガガの腕輪の存在を大介に伝えると、ギギの腕輪との関連に触れている途中で死亡し、次回予告の時点で不幸そうな気配はありましたがコウサカ教授と同じ末路を辿る事に。
「アマゾンライダー、次に死ぬのは、貴様だ」
日本の空に現れた十面鬼が、哄笑を響かせながらアマゾンの処刑を宣告して、つづく。
野生児が主人公という事で第4話にして専用バイクの初登場となりましたが、エピソードの主眼としては「ゲストの命を助けるも情報を提供されないヒーロー」にあったように思われ、作品の特質を押し出す意識は強く窺えるも、その結果として幼い少女を一人残してゲストが死亡するのは、70年代としてもあまり感じのよろしくないエピソードとなりました。
また、噛みつきバトルも4話目となると、実質ほとんど取っ組み合いの画への物足りなさが増してきて、総じて“やりたい事の為にヒーロー物としての爽快感を削る作り”のマイナス部分が目に付くようになってきており、そろそろスタイルチェンジを期待したいところ。
次回――「アマゾンが警察に逮捕された。何故?」
…………無賃乗船、密入国、窃盗(※バナナ)、器物破損、殺人容疑(※冤罪)、無免許運転、薬事法違反、迷惑条例違反……心当たりが多すぎるのですが。