東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   Twitter→〔Twitter/gms02〕

グリーンとブラックは探さない

非公認戦隊アキバレンジャー』感想・第3話

◆第3話「痛タッ! 酔いどれヒーロー大冒険!!」◆ (監督:鈴村展弘 脚本:香村純子)
 「まさか公認様が、妄想世界に出てくるなんて……妄想パワー、まだまだ開発の余地がありそうね」
 葉加瀬がなにやら思案を巡らせる一方、その重要なサンプルもといチームの中心、赤木信夫の姿は仕事帰りに飲み屋にあり……衝撃、赤木さんには、一緒に飲みに行ってくれる後輩が居た。
 まあ、痛々しくて騒がしいけど、(ヒーロー精神に則り)意外と面倒見が良かったりするのかもしれません。
 憧れのさやかさんとのエンカウントなどあり、いい感じに酔っ払った赤木は、帰路、メイドカフェの店員をしつこくスカウトしようとするホスト風の男を目にすると悪の気配を感じ取り、酔いの勢いと正義の怒りに任せて萌え萌えずっきゅーん!
 秋葉原で見つけた原石を神室ちょ……じゃなかった、歌舞伎町で夜の蝶として羽ばたかせようとするホスト怪人が妄想世界で具現化され、ひみつきちから参戦したアキバイエローは、緑川ボイスに一人ダメージを受け続け、果たしてその痛みは強さに変わるのか。
 「指パッチンなら負けないぞー! ボウケンジャー、アタック!」
 「――開運!」
 ホスト怪人に対抗して赤が指を鳴らすと、何故かボウケンレッド@開運麦わらフォームが出現し、何故、その格好(笑) 声、本人なのに(笑)
 約半年前には海賊版で大暴れしていた不滅の牙ですが、次(?)に東映から仕事頼まれたらこれ、という恐るべき仕打ち。
 妄想レッドと開運レッドのツープラトンアタックにホスト怪人は一時撤収し、続けざまの公認様召喚に、葉加瀬は、酒の力が妄想を強化するのではないか、と仮説を立てる。
 かくしてアキバレンジャー会合には酒が入り、未成年で不機嫌な青柳の「ボウケンレンジャー」「ジャーって何?!」発言を感じ悪くにわかと嘲笑う駄目な酔っ払い達に怒った青柳は店を出て行き、ひみつきちはすっかり場末のカラオケバー(戦隊縛り)と化していた。
 べろんべろんに酔っ払った赤木&萌黄と、何故かマンガ喫茶から出てきた青柳はホスト怪人と再び遭遇し、酔っ払い×キャバ嬢、の取り合わせはなんだか、超光戦士シャンゼリオン』みたいになってきました。
 歌舞伎町に連れ去られそうになったさやか(妄想)を救い出す赤だが、さやかの姿が一瞬でマルシーナに変わると不意打ちで銃撃を喰らったところに、緑川ボイス怪人の鬼畜責め(劇中ママ)を受け……えーこれはつまり、イエローの妄想が侵食しているのか(笑)
 ヒーローとして格好良くさやかを救いたい赤木と、美形怪人とヒーローの濃厚な攻防を見たい萌黄、酒の力でブーストされた二人の妄想が衝突し合って戦いが混乱を極める中、「大人って最悪!」と酔っ払いに期待する事をやめた青は、天丼を繰り返す赤を助けるのではなく、たった一人でマルシーナへと立ち向かっていく。
 「あはははは、お馬鹿さん。あんた一人が頑張ったところで、私に勝つなんて無理なのよ。不可能、インポッシブルよ」
 「……不可能と思える事に挑戦する。そういうの、冒険って言うんだって」
 青は『ボウケンジャー』本編の台詞を引用し、赤木と萌黄と葉加瀬が呑んだくれている間に、青柳はマンガ喫茶で『ボウケンジャー』を履修していた事が判明。
 「だからこれも、“ちょっとした冒険”よ」
 戦隊ヒーロー界の名言製造器の言葉は、これまで《スーパー戦隊》に興味を示さなかった青柳の心にも響いており、その姿勢に、酔っ払い達の心にも点る、不滅のボウケンスピリッツ。
 「ごめんなさい。続きは同人で書くからキーーック!」
 エターナル闇のヤイバ先輩の誘惑を乗り越え、正気に戻った黄は怪人に飛び蹴りを決め、赤も復活。
 「グッジョブだ、アキバブルー」
 すると背後の高いところに熱き冒険者が姿を現し、見せ方が普通に格好良くて困ります(笑)
 名乗りまで決めた公認様の、「アキバレンジャー、アタック」から『ボウケンジャー』主題歌バトルが平然と始まり、戦隊は非公認・素材は公認。
 形勢逆転したアキバレンジャーは、チーフの無自覚セクハラから“大それた力”で青がボウケンスコッパーを装備して歌舞伎町怪人を穴に埋め、身動きできないところに必殺攻撃を撃ち込み、
 「なんて、えげつない奴らだー!」
 ……については、多分、公認様の方がえげつない。
 かくして勝利を収めるアキバレンジャーだが、赤木・萌黄・葉加瀬の3名は、妄想の暴走で多大な迷惑をかけた青柳に平伏して許しを請い、よい子の公認ヒーローになる為に、アキバレンジャー飲酒禁止令が発布。
 とはいえ、雨降って地固まる、なんとなく結束が高まった気がするチームだが、その青柳から変身拒否宣言が飛び出して、どうなるアキバレンジャー?! で、つづく。
 着ぐるみとヒーローの絡みとか、変身後のスーツ姿で繰り返し女性的な要素を強調とか、公式ではやらないようにとお達しを受けていそうな描写がざくざく放り込まれてきますが、裏を返せば、ちょっとした見せ方一つで印象の変わる部分が浮かび上がってくるのは、面白いところです。
 それにしても、『ゴーカイ』の仕事でぐっと存在感を増した香村さんを直後にこんな仕事に引きずり込んで何させているの感が物凄いですが、2話連続の公認様登場で、すっかり裏『ゴーカイジャー』。
 そして、視聴中は全くピンと来ていなかったのですが、さて感想のオチはどう付けよう……と、ふと予定していた日記タイトル(劇中の台詞より)を目に留めた瞬間、全ての糸が一本に繋がり……そ、そうか! それで、川光だったのか……!!(真犯人の仕掛けたトリックに気がついた時の探偵の気持ち)
 まあそんなわけで、日常生活でなかなか出来ない体験をさせてくれた、印象深い一本となりました(笑)