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猟奇的な忍者2

忍者戦隊カクレンジャー』感想・第8話

◆第8話「化猫ショップ!!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:高久進
 猫の鳴き声でおびき寄せた小学生を妖術・神隠しで次々とさらう猫目の女が出現する一方、カクレン一同のハンドル操作を離れ爆走するネコ丸、飛ぶ。
 ……なんかもう、公道を几帳面に走る理由が無くなりました。
 ネコ丸が辿り着いた屋敷では和服のあだっぽい女性が琴を弾いており、
 「最っ高にマブいわ」
 と評するセイカイ、どうして君たちの語彙は時々、ヤンキーブームに戻るのか。
 邸内に招かれてご馳走をいただき、すっかり寝入ってしまう駄目すぎる一同だが、トイレに目覚めたセイカイが行灯の油を舐める女の姿を目撃。すわ妖怪か、と戦闘態勢を取ろうとする5人だが、料理に混ざっていた痺れ薬で身動き取れず、女が突然取り出したエレキギター(今回、一番面白かった場面)による、妖怪化け猫ロックに操られて無表情で踊り出す、奇っ怪な展開(笑)
 今作にしてはストレートに恐ろしげなデザインの妖怪化け猫が正体を現し、あわや壊滅寸前に陥るカクレンジャーだったが、実は相次ぐ神隠し事件の真相を探ろうとネコ丸の導きで屋敷に乗り込んだのであり、料理を食べていなかったサスケと鶴姫が反撃スタート。
 いつもの“ちょっと抜けたカクレンジャー”と見せて、実は妖怪の裏をかく展開なのですが、そもそも冒頭のネコ丸が明らかに「目的地」で停車しているので、無造作に乗り込む方が不自然だった為ミスディレクションとしての効果は今ひとつ。
 どちらかといえば、化け猫を油断させる為の囮として、サイゾウ・セイカイ・ジライヤの3人には明らかに事情を話していない卑劣ぶりが光りますが、どことなく某戸隠流の影響を感じ、『世界忍者戦ジライヤ』のメインライターだった高久先生の忍者観が火を噴いてしまったのでしょうか。
 「敵を欺くにはまず味方を欺け、の言葉がある。これも忍法の一つだ」
 そう、山路哲山も言っていた。
 ニンジャレッドの攻撃を受けた化け猫は根城にしているペットショップに逃げ込み、そこでは化け猫が捕らえた子供たちを素材にした妖怪料理が振る舞われている、2話続けての猟奇的展開。
 赤と白が殴り込んで子供たちを救出するが、赤は化け猫の火炎放射を受けて生死不明となり、鶴姫は化け猫の術の支配下にあった子供たちによって拘束されてしまう。ダイビング釜ゆでの刑寸前、薬湯によりしびれ薬から回復したサイゾウ・セイカイ・ジライヤが駆けつけて鶴姫を助けると、土に潜って化け猫の火炎攻撃をかわしていたサスケも復帰。
 5人揃ってスーパー変化し、前回今回と「成敗」の際に親指を下に向けるポーズが加わったのは、アメリカン風味の意図でありましょうか。
 順調に殺意を高めていくカクレンジャーは、フル名乗りから主題歌バトルに突入し(歌はやはりバトルには全く合いませんが……)、渡辺監督らしい組み立て。
 メインライターによる立ち上がりの新風の試みが一段落したからか、或いは監督の色が強く出たのか、前回今回は従来作のセオリーに寄せた作りになっていますが、序盤の変化球が上手く噛み合っていなかった今作、あっちこっちに飛び出していた枝を剪定する事でスッキリ見やすくなったのが正直なところで、新機軸取り込みの難しさを感じます。
 化け猫の放った朧影の術で大ダメージを受けるカクレンジャーだっが、怒りのネコ丸が飛んできて、轢・い・た。
 今回のメインキャラといっていいネコ丸殊勲の一撃を受けて弱った化け猫が巨大化すると、巨大赤白のバトルを挟んでから、忍者合体・無敵将軍で一刀両断し、一件落着。
 戦隊によっては、明らかに囮に使った件を追求されそうでありますが、暢気な男たちは、化け猫の料理は美味かったぜー、と感想を述べ、うん君たち、下手するとそれ、人肉フルコースの可能性があったからな。