東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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見せてくれ未来へのファンタジー

 配信90年代戦隊も久々で、慣らし運転な感じで(※以前の配信時に、1-2話だけ見て軽く感想を書いた覚えがあるのですが、その時の事は完全に忘れて――読み返しもせずに書いています。もし同じところに同じようにツッコんでいたら、進歩が無いという事で(笑))。

恐竜戦隊ジュウレンジャー』感想・第1話

◆第1話「誕生」◆ (監督:東條昭平 脚本:杉村升

 一億数千万年前の恐竜時代から、今蘇った5人の戦士たち――

 2300万年周期で地球に接近する、惑星ネメシスに着陸を果たす国産スペースシャトルに子供宇宙飛行士が乗り込んでいて、冒頭から夢一杯。
 だが、ネメシスで発見された謎のオブジェこそ魔女バンドーラの封印であり、1億7千万年ぶりにその軍団と共に復活したのは、曽我町子
 「おお、我が故郷地球よ、私は約束通り蘇った。1億7千万年の恨み、今こそ、知るがいい!」
 バンドーラの放つ魔力により地球上では高層ビルが積み木細工のように動き回る大災害が発生し、その末にタワービルの屋上にバンドーラパレスが誕生すると、いつの間にやらネメシスから地球まで移動していた魔女バンドーラは、自転車にまたがって空中を飛びながら、宣戦布告。
 ……歴代の初回宣戦布告の中では、トップクラスに庶民的なアプローチでしょうか。また、現場指揮官のトップ任せにせず、組織を率いる首領自ら最前線で挨拶回りを行う姿勢に、確かな選挙戦略を見ます。
 「この地球を、ただの、石ころの星にしてやる。生き物が何も居ない不毛の大地こそ、純粋で美しい。人間はゴミだ。愛とか希望とか下らんこと信じおって。お互い憎しみ合い、殺戮し合って、自らの手で、滅びるのだ!」
 マニフェストは、大変物騒ですが。
 かつてバンドーラに小選挙区で破れて呪文を封じ込まれ、現在ではマンションの管理人に身をやつしていた不思議仙人バーザは、魔力による拘束を、筋力で打破!!
 「バンドーラ! 今の地球は、愛と希望に溢れとる! もはやおまえの出る幕はない!」
 鍛えれば鍛えるほど人の体は神秘の泉、呪文などなくとも儂には1億数千万年の筋トレの成果がある! とバンドーラに政界引退を勧めるバーザだったが、バンドーラは、シャトルに乗り込んでいた二人の子供宇宙飛行士を捕まえている事を空かすと、1時間後の処刑執行を宣告する。
 「私は子供が大嫌いなのよ!」
 子供を毛嫌いする姿にはプロフェッサーK(『星雲仮面マシンマン』)も思い起こされますが、夢の宇宙旅行から一転、小型化されて玩具のような仕掛けの処刑台に送られる子供たちの悪夢が、現実社会はさておき「愛と希望に溢れ」た世界を「愛とか希望とか下らん」と否定する存在の復活と重ね合わされ、「(子供の)夢を否定するもの」として、魔女バンドーラとは如何なる悪なのか、が非常にわかりやすく明示。
 バンドーラの暴虐を止めるべく、バーザはマンションの地下に隠していた切り札を解き放つ――それは、眠りについていた聖なる5人の戦士。
 「正義の刃が悪を駆逐し、この地球の平和を、守らん事を!」
 シャーマ族ナイト・ゴウシ(黒)、ダイム族ナイト・ボーイ(黄)、リシャ族プリンセス・メイ(桃)、エトフ族ナイト・ダン(青)が、虚空に浮かぶプレートの中から次々に蘇り…………「自発的に眠りについた」のか「宴会の最中に意識を失って気がつくと石版に封印されていた」のか、「眠っている間に精神をちょっと弄られて記憶を操作されているのではないか」とか、疑念も次々と思い浮かびますが、果たして不思議仙人は、勝手にお墓と並ぶ、東映特撮名物・暗黒駄メンターなのかどうなのか、まだ誰も知らない。
 順調に目覚めていく聖なる戦士だが、最後の一人を前に扉の鍵が折れるまさかのトラブルが発生し、子供たち救出の為、サイドカーに乗って4人が先行。パレスに乗り込んだ……と思ったらそこは砂浜で、愉快な砂人形の歓待に油断した4人はバンドーラの罠にはまり、割とストレートに魔空空間演出。
 4人がそれぞれ、斧・槍・弓・短剣、で武装しているのが、古代戦闘民族感を出しつつキャラの個性に繋がり映像上のアクセントにも上手くなっているのですが、これといって武器を振るう間もなく4人はあっさり囚われの身となってしまい、檻、狭い。
 一億数千万年前の眠りから目覚めた数分後に火あぶりとなるハードすぎるプレイで絶体絶命のその時、守護獣パワーを受けて、最後の一人、ヤマト族プリンス・ゲキ(長剣/赤)が覚醒すると4人を救出し、これが王族のパワー!
 バーザからメダルを受け取った5人は、ベルトのバックルにそれを填め込むと「ダイノバックラー」し、なかなか格好いい変身ギミック。
 「ティラノレンジャー・ゲキ!」
 「マンモスレンジャー・ゴウシ!」
 「トリケラレンジャー・ダン!」
 「タイガーレンジャー・ボーイ!」
 「プテラレンジャー・メイ!」
 「恐竜戦隊!」
 「「「「「ジュウレンジャー!!」」」」」
 音声にエフェクトかけすぎてちょっと聞き取りにくい初名乗りから主題歌バトルとなり、泥人形がモチーフらしき戦闘員と激突しながら、青桃が辛うじて子供たちの乗ったミニにシャトルを救出。
 だが直後に巨大な腕がパレスの壁を突き破ってシャトルを奪い取り、建てたパレスがその日の内に半壊した!
 バンドーラの高笑いが響き渡ると、鎧姿の巨人はシャトルを握ったまま姿を消してしまい、尺が短くて子供達を救い出せないまま、つづく。