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紳士服の宅麻

ウルトラマントリガー』感想・第4話&総集編1・2

 まさかの、溜めてしまっていた3本中2本、総集編だったという事実。

◆第4話「笑顔のために」◆ (監督:武居正能 脚本:根元歳三
 トリガーが ドロンジョカルミラと愉快な仲間たちの一員であった事が暗示される夢を見たケンゴは、チームの任務で、新たに発見された超古代遺跡の発掘現場へ。
 地球各地で続々と発見されているというその遺跡が、夢の中で見た塔と瓜二つである事に驚くケンゴだが、現場に紛れ込んでしれっと出土品を漁っていたのは――宇宙一の極上ハンター・イグニス。
 「あなた、さっきからなーんか怪しい。ID見せて」
 「持ってないんだよな~、俺。……顔パスだから(ウィンク)」
 うーん……この手の、自分の目的の為に全く悪びれずに周囲を引っかき回すが妙な美学と節度を持っているトリックスター(怪盗系、とでもいいましょうか)は基本的に好きなタイプなのですが、10年前の他社作品とはいえ、バスコである事をあまりにも隠さなすぎで、さすがにちょっと、どうなのか。
 役者さんのサービス精神などで意図以上にそれっぽくなってしまっているだけなのかもですが、それを通しているのは全体の判断になりますし、全く別の役者さんならまだともかく、かつてバスコを演じた細貝さんに、バスコを彷彿とさせる言い回しをあててしまうのはあまりにも“借り物”感が強く、ただでさえ『ティガ』ネタを散りばめる作風な上で、『ティガ』から離した部分もオリジナリティが薄く見えてしまうのは、作品好感度を上げない方向性。
 ……まあ逆に、そういう“どこかで見たような”要素を大量に集めて面白くする、という手法もあるにはありますが。
 イグニスの出現・逃走の報告を受け、画面手前で額に指を当てる隊長の、滅茶苦茶怒ってる……?! という表情が凄く良かったのですが、口を開くと特に怒ってもいなかったので、いたって温厚な性格なのに(第2話のケンゴの単独行動も、まあ、慣れてないから仕方ないよね、みたいな感じで許していましたし)、顔のせいで誤解されがちで悩んでいる、とかだと隊長への好感度が上昇するのですが(笑)
 遺跡からの出土品はナース戦艦に運び込まれており、出土品調査の丸投げ・ナース戦艦とガッツファルコンの設計・トリガー装備品の開発・トリガーとユザレの秘密を抱えた挙げ句、「おまえは勇者ではない。せいぜい勇者の友人キャラで、聞かれるがままに女子のプロフィールを教える役回りだ」扱いを受けるアキト、負担、大きすぎなのでは。
 物語後半、君が闇の巨人に覚醒しても、私は! 応援するよ!(多分)
 「みんなを笑顔にかぁ。いいねぇ」
 トリガーの事をもっと知りたい、とアキトに同行したケンゴが石版と対面して第1-3話を振り返っているところに、魔法の箒を使ったイグニスが闖入。謎の紋章パワーでテッシンを蹴散らしたイグニスに、背後から無言で飛びかかると、睨み合いから互角の格闘戦を演じる隊長が格好良く、隊長の好感度だけが上がっていきます(笑)
 ブリッジで包囲を受けるイグニスだが、その時、突如として怪獣が出現。それはイグニスが遺跡から頂戴した出土品を追跡しており、混乱の中で逃走したイグニスは足下から怪獣が出現して散々な目に遭うコミカルな一幕を演じ、ここはバスコとの差異として良かったですが、前半の見せ方が見せ方だけにイグニスとして面白いというかバスコ風では無いシーンを入れてくれて良かった というものなので、今後オリジナルの部分が強まっていくのを期待したいです。
 ガッツファルコンによりケーブルで地底から引っ張り出されたのは……この6年で4回目のグビラ (※『ルーブ』にも出ていた。また未見ですが『X』にも出ていたとの事で、ニュージェネレーションシリーズとしては「7年で5回目」になるとの事。)
 縦横無尽に地中を駆け巡るオカグビラのドリル攻撃に苦戦するトリガーだが、イグニスと共に吹き飛んだ出土品を発見したアキトが囮となると、パワータイプで背後から殴りかかり、形勢逆転。
 トリガー力はウルトラ鋏を発動し、ド、ドリルをちょんぎるの?! とゴア表現の予感に震えていたら、握り手を頭部に叩きつけると大爆発が巻き起こり……クロー、とは。
 怪獣が地中に潜ると、どこから攻撃してくる……? をトリガーの周囲をカメラを回しながら表現するのは緊張感が出ましたし、ミニチュアの凝った造形物の数々はさすがの出来でしたが、ケンゴのパーソナリティも、サブタイトルに掲げたモットーも、まさかの掘り下げ皆無。
 敢えて言えばラスト、石版を見つめながら苦しげに絞り出すような
 「……頑張らなくっちゃ……みんなの笑顔の為に」
 に薄暗いトーンが見えなくもなく、実はこれはケンゴに課せられた“呪い”なのかもしれない可能性が浮上して、明るくポジティブなだけのモットーかと思いきや実は……みたいなのは好きですが、さて、期待していいものかどうか。
 相変わらず、ケンゴに対するアキトの態度はその場の都合でコロコロ変わりますし、過去の諸々から現行《ウルトラ》スタッフへの信頼感が正直低いのですが、好みの爆弾が埋まっている可能性は生じてきたので、なるべく前向きに見たいと思います。

◆特別総集編1「平和を守る力」◆ (演出:村上裕介 構成:足木淳一郎)
 マスコット小怪獣を称するデバンが、メタ視点で司会進行を務めるデバンチャンネルの体裁による総集編。
 防衛隊に焦点を当てるという事で、ガッツセレクトのメンバーが個性溢れるみたいにまとめられるのですが、ユナの個性は、「女子高生」なのか……いやそこ、「シズマ財団会長の娘」とかなのでは(ガッツセレクトに所属している理由、明らかにそれですし)。
 後半は未見の作品が大半でしたが、一番印象に残ったのは、
 「アタッカーー・エーーックス!!」
 ……の、ポーズ。
 あと『Z』パートがほとんど、キングジョーの紹介。
 さて次回――「なんと次回もぉ……まさかの! デバンチャンネル続投なんだってー、いえーい!!」
 えええっ?!

◆特別総集編2「宇宙を翔る英雄」◆ (演出:村上裕介 構成:足木淳一郎)
 代表的なバランス型のヒーローを紹介するよ、と言って最初に出てきた人のバックストーリーが、シリーズ諸作の要素を取り込んだ、刺身と天ぷらと揚げ物の盛り合わせみたいな内容で、総集編でいきなり皿の上に出てくると、油分が……(笑)
 前半はトリガーの各種タイプに合わせた過去ヒーロー、後半は悪役を紹介し、立て続けに並べると悪役インフレ合戦が物凄く、最終的に『ドラゴンボール』の世界から来ました、みたいな人が出てきて『トリガー』の三悪が平凡に見えてきてしまうのは、大丈夫だったのでしょうか。
 Z先輩との共演が仄めかされたりしつつ、次回、アキトにスポット。