『仮面ライダードライブ』感想・第14話
◆第14話「彼女を狙う黒い影はだれか」◆ (監督:諸田敏 脚本:長谷川圭一)
特状課にストーカー被害の相談に来た超人気女優・七尾リラ役で、「高丘の席、ねーから」でお馴染み、末永遙さんがゲスト出演。
怪物にストーカーされている、と主張するリラの警護に、進ノ介・霧子・追田、そして撮影現場に潜り込んだ剛が付くと、実際に黒マントのロイミュードが出現し、毒の爪でリラのファンを攻撃。
それを追うマッハだが、途中で妨害を受けた追跡・撲滅の名乗りをやり直している間に逃亡を許し……いつかやりそうと思ったら早速やってきましたが、自虐メタギャグというか楽屋ネタというかセルフ茶化しというか、リアリティのあるツッコミを装って虚構世界の面白みを削いでいる気がして、個人的には、笑えない系。
「剛、ロイミュードは?」
「……俺に隙は無かった」
「はぁ?」
「でも逃げられた」
進ノ介と剛はすっかり仲良しで、なんというか、こう……霧子さんのヒロインの座が危ない!
変な意味抜きで、完全に弟ヒロイン取りに来てるぞ、剛。
最重要容疑者とおぼしき男・坂木を追う特状課だが、坂木の姿と欲望をコピーしながら、坂木とは別に行動するストーカーミュードがリラを襲撃。ところが、本命のストーカーかと思われていた黒マントのロイミュードが何故かストーカーからリラを守り、ややこしくなる状況の中で警護に付いていた剛がレッツ変身すると、今回は反省して以下省略!
リラを守るような黒マントミュードの行動と、霧子に頭痛を訴えるチェイスの行動を重ねて謎めかす見せ方は面白く、ドライブとマッハはストーカーミュードと激突する。
タイプテクニック雪だるまで凍結させたストーカーを倒そうとするドライブだが、そこに現れる紫色のストーカーことチェイス。霧子の顔を見ると脳裏に響く(悪を、倒せ……悪を倒せ……)
……じゃなかった、「人間を守れ」の声に苦悶するチェイサーだが、ブレンが乱入すると、ストーカーミュードを巨大コウモリ化。
むんずと掴まれた霧子を助けようとワイヤーロープでくっついたドライブを始め、マッハとチェイサーも成り行きで一緒に巨大コウモリの後を追うが、突然、チェイサーのバイクとマッハのバイクが変形合体すると、やたら殺意の高いバギーが誕生し、チェイサーは強制的に振り落とされました。
デストロイバギーの猛攻を受けてストーカーミュードは消滅し、ドライブによって霧子も無事に救出。今回はやたら変身持続時間が長くて既に色々台無しのマッハだが、そこに愛車を返せとチェイスも合流。
「なぜ……俺のマシンが勝手に」
「二台のバイクが引き合い、合体したのは、チェイサーがプロトゼロ、だから」
その疑問に答え、チェイスの抱える秘密について大暴露したのは、ハート不在の間に何やら悪巧みをするブレン。
「なんだと……」
「その時、私がこいつに名付けたのさ。仮面ライダーと」
魔進チェイサー=ロイミュード:ナンバー000の前身こそプロトドライブであり、グローバルフリーズの日に多くのロイミュードを葬り去り、霧子をお姫様抱っこしていたのは、チェイスだったのだ!
「おれ、が……この俺が……仮面、ライダー……?」
チェイスの言行の違和感や、霧子への対応が一つの線に繋がって、おお成る程、とこれは面白い展開。
惜しむらくは、ここまで進ノ介が不自然なほどプロトドライブに触れずに来たので、チェイスの正体としては衝撃的な一方、プロトドライブの正体としては、ああそうなんだ……ぐらいになってしまった事ですが、この段階で明かす段取りがあったならば、もう少し先代そして霧子の王子様への興味を導線として示してくれても良かったかなと。
それはそれとして……脳内正義の声・死と再生・作られたものはどう生きるのか・紫色!と、チェイスのJPさんみが急上昇しており、教えてくれ! 君は誰だ!
久々に書き手の病気が発症したところで、次回――翼の折れた死神は、紫の炎になれるのか?!