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駆け込み『ドライブ』

仮面ライダードライブ』感想・第5話

◆第5話「鋼の強盗団はなにを狙うのか」◆ (監督:諸田敏 脚本:三条陸
 見所は、割とリアルに死にかける追田刑事。
 「怪物を見た」衝撃も冷めやらぬまま「自分の撃った弾丸が、跳ね返されてスローモーションで自分に迫ってくる」とびっきりの恐怖を「仮面ライダーに助けられる」満漢全席で、次回から屋上で宇宙人と交信を始めても驚きません。
 掴みのところで世界観の基本事項をわかりにくくしてしまっったマイナスはあるものの、捜査活動そのものは真面目だし(前回もなんだかんだ画家の取り調べに協力している)、特状課は気に入らないが進ノ介との信頼関係は相互にある、という辺りは嫌いではないキャラなので、精神の平衡をなんとか保っていただきたい。
 金槌ミュード(モチーフの落とし込みがなかなか格好いいデザイン)率いるどんより強盗団、をいきなり跳ねるドライブだが、ダンプカーを着けたら何故かドリルに変形し、そのパワーに振り回されている内に強盗団は撤収。
 次々と食品輸送会社のトラックを襲う金槌ミュードの狙いは何か? 捜査を続ける進ノ介の前にナンバープレートは付ける主義のチェイスが立ちふさがると、シフトカーを奪い取って自らの力とし、プロトドライブのシステムを研究した事により“ヒーローの特殊ギミックを使用可能な怪人”であるチェイサーは、完全に逆・仮面ライダー
 そもそも「ドライブ」とは何か? があるので、スタート地点がどちらかはわかりませんが、この逆・改造人間テーゼがどこへ向かうかのは興味深いところです。
 「人間を助けに行くのか? 助ける価値などない。知恵を持つ事で、人間の本質は、悪になった」
 いきなり悪の哲学を語り出したチェイサーは、強盗団の襲撃を側面支援すると撤収。ハートから見た目凶悪な銀のシフトカー3点セットをプレゼントされると、その力により巨大な盾兼ハサミのチェイスクラッシャーを装備してドライブを追い詰め、シフトカーを発動すると背中に悪魔の翼が広がるようなエフェクトが出た後、武装へと変化するのは格好いい映像。
 ……なんか今のところチェイサーは、“ぼくのかんがえたさいこうにかっこいいハカイダー”みたいな印象です(笑)
 金槌ミュードが狙っていたのは、フォントアール社が食品輸送トラックに隠して密輸しようとした液体爆薬だと判明し、爆薬を飲み込んだ金槌はニトロの力でパワーアップ。
 ドライブは窮地に駆け付けたニューマシン・シフトワイルドを身につけ、一応、ドリルダンプを使いこなすにはワイルドが必要で現在最終調整中、といった前振りそのものは入っているのですが、追加装備が主人公の与り知らないところから都合の良いタイミングで飛んでくるのも5話連続になると、盛り上がりが苦しい。
 「シフトレバーが入らねぇぞ?!」
 「君のパッションが低いんだ。ニューボディと心のギアが噛み合わない」
 そこで、主人公のテンションが低いと発動できない、と〔強化展開〕と〔主人公の精神状態〕を繋げて“乗り越える試練”を設定するのですが、何よりも自分の命がかかっている場面で、いい人だと思っていた会社社長が密輸に関わっていたショックでやる気を無くしてその場に座り込むドライブ、はあまりにも強引(せめて、戦闘は続行しようとするが新装備は使えなくて苦戦、ぐらいだったら良かったのですが)。
 今回-次回のテーマとしては、「守ろうとする存在」は「守ろうとする意志」に本当にふさわしいのか? そして、「それでもヒーローは守る事を選ぶのか?」を問う狙いがあったのでしょうが、その流れを組む為に仕込んだ、感情表現過多なFR社長の猿芝居にころっと騙される進ノ介、突然「人間の本質は悪」と一席ぶつチェイサー、のいずれにも無理が出てしまい、ドライブ/進ノ介の落胆に伴う行動に十分な説得力を与える事が出来ませんでした。
 ドライブを適当に殴った金槌は満足して去って行き、取り残されたドライブはブレンに毒を注ぎ込まれ(まさかの毒属性)、一連の戦いを見つめるりんなの思惑は……? で、つづく。