東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
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誰かの命を救う時、生きてるって感じがするだろう?

『ヒーリングっど・プリキュア』ざっくり感想3-4-5

 第3話、
 「気持ちい~、生きてるって感じ!」
 背景設定を考えると、重い! 開口一番、重すぎる!
 前回ラスト、戦闘終了後の不思議生物との語らいを、同級生のちゆに目撃されてしまったのどか。怪物出現にまつわる放課後の行動を真っ正面から問い質され(一見、生真面目な優等生キャラに見えるちゆですが、空を飛び人語を解す不思議生物について頓着せず朝の教室で話題に出してくる辺り、天然で割とピントがズレているのでは……)、追求を笑って誤魔化すのどかだが、ちゆの実家である旅館が病原隊に狙われ……謎の怪物の攻撃から咄嗟に勤め先のお嬢様をカバーリングする川井さんが格好良すぎるのですが!
 お嬢様はお嬢様で、地球のお手当で役に立ちたい気持ちは強いが自分に自信が持てないペンギンに対して、「おまえに立ち上がる勇気が足りないというのなら! 私がそれをくれてやろう!」と宣い(普通、逆なのでは……)、思わぬヒーロー体質で、面白かったです(笑)
 かくして第二の青いプリキュアが誕生し、他者の為に自らを投げ打てる危うい献身、大事なものの為に命を賭ける気高き魂、と来て、第三のプリキュアがどんな位置づけになるのか、興味深いところ。
 敵となるキング病原様は、かつてプリキュアにちょっと追い詰められた事によりナノ病原の集合体にまで弱っており、病原ズはまずはその復活を戦略目標にする、という事でプリキュアとの直接対決を行わない理由付け。
 ……それにしても、だるい・しんどい・ぐあいわるい、って並んでいる字面を見ているだけで、なんか、辛い……(笑)

 第4話、第三のプリキュア誕生編で、これまでよりもコミカル成分を増しつつ、絵も展開もテンポ良くコロコロと動いて、面白かったです。
 あひる口のひなたは、猪突猛進の気があり、すぐに周りが見えなくなる短所はあるも動物や友達を思いやる心が強く、等身大の好奇心と正義感、といった感じ。女児(少女)向け作品だと、主人公が比較的、視聴者目線に近い存在というイメージがありましたが、今作ここまでの描写では、ひなたが一番、感性や抜けた部分が“普通の女の子”に近く描かれている印象。……裏を返すと第1話から、割とのどかが突き抜けていたというか。
 ウサギとペンギンに比べると、だいぶ悪辣な誘導で契約にこぎつけたネコですが、なんとなく、少年主人公がロボットに乗り込む展開だなこれ、と思いました(笑)
 あの光の射し方とかも、ネコの位置に巨大ロボのコックピットがある構図だと思うんですよ、あれ。
 格好いい兄好きとしては、割と二枚目だったひなた兄(声も逢坂良太さんで格好いい)の再登場には期待したいところです(笑) そして、父かと思えば兄だったので、姉かと思ったら母だった、というオチだとばかり思っていたらそうではなかったのですが、真相や如何に。
 病原ズの方では渋い声のマッスル担当が初お目見えして幹部が一巡りし、キング病原様は、ヒーリング王国の犬女王より早く完全復活したいのだ、と戦略目標の理由付けを更に補強。
 双方の陣容が揃ったところで次回、ちゆとひなたの相性にしっかり向き合ってくれるようで、手堅い。

 第5話、色々と粗忽なひなたが口を滑らせないかと気が気でないちゆ。3人が改めて機密事項の内容を確認するという名目で(視聴者に向けて)基本設定を整理するが、物覚えの悪いひなたはちゆを怒らせたのではと落ち込み、ちゆは自分の物言いがひなたを脅えさせているのではと気に病んで、二人の間はどうもぎくしゃく。
 間を取り持とうとするも上手いアイデアの出てこないのどかに、大人(母親)がアドバイスを送るというのは良い流れでしたが、休日を一緒に過ごす事を通して互いの知らなかった面を発見する、という展開が前半に提示された問題点の解決ともう一つ上手く繋がらず。
 ひなたに関しては、前回見せた猪突猛進と表裏一体の真摯さの(ちゆによる)「再発見」なのに対して、ちゆの方は、駄洒落がツボの笑い上戸である事が「新発見」されるのも構造としてバランスが悪いですし、何より間に立つのどかが、双方に「そんな事ないよー」と言う以上の役割を与えられずに没個性な薄め液のような存在になってしまい、3人揃ったプリキュアがチームになっていく最初のステップとしては、(期待値が高かったというのもありますが)大変残念な出来。
 ifにしかなりませんが、ここまでは香村脚本で見たかったな、という内容でした。
 ……ところで、音楽性の違いからプリキュア脱退を考えるひなたに対して、微塵もそんな事を思いつかないのどかとちゆは、やはりキまり方に温度差がある感じですが、この辺り、狙った仕込みなのかどうかは気になるところです(笑)
 ひなたなはひなたで、喋るネコを受け入れ、怪物と戦闘中のプリキュアに「かわいーーー!」とダッシュで迫る素っ頓狂な部分は持っているのですが、なにぶん他の二人が「みんなを守れるのなら、この命、好きなだけ使えばいい!」な人と、「私がおまえに、勇気という名の翼を与えてやろう!」な人なので、(それこそひなたも、「可愛いは正義! 細かい事は気にしない!!」みたいな方向へ突っ走ればまた話は違いましたが)ノリの軽いお調子者のようで実は一番“普通にいい子”であるひなたに、1クール目の終わりぐらいに、(あれ? あたし、この二人のテンションについていけない……?)みたいな事態が待ち受けていないかは、少々ドキドキします。