本日は『01』感想を書きました。
赤と青の間
◆ヘイスタックさん
>そういえばUFO研究所の面々はあれで出番終了なのでしょうか。
あれっきりだったら、ホント“それっぽい”事をしたかっただけ、という感じですよね……気持ちはわからないでもないですが、“それっぽい”事する以前に、しないといけない事山盛りなのが『ネクサス』で……。
>結局この番組は設定やキャラクターを”描いている”んじゃなくて設定やキャラクターの”説明をしている”に過ぎないんだなと。
最初に用意した図面に頑なすぎて、現在地を見て不足を補ったり流れを微修正したり……みたいな柔軟性、というのが今作あまりにも欠けてしまってますよね。それはキャラも活き活きとしてこないし、関係が立体的になってこないわけだなと。
>スタッフの思い描く『ネクサス』と実際に視聴者が見せられている現実の『ネクサス』との間に深い溝ができて
この手の事象ってままありますが、かなり悪い形で重症化が進んでしまいましたよね。本当はやろうとしていた事、の9割ほどすっかすかのまま無理に前進してしまったのは、色々な点で勿体なくもあったなと。
>OP主題歌の「かっこつけてるつもりで得意になって 大事な事は全部置き去りにしちゃって 自分で自分を苦しめている囚人」
>という歌詞は番組自体を表している、なんて揶揄ネタは放送当時からありましたが、割と本当にその通りな気がします。
んー、それはホント言い得て妙というか、まさに、になってしまっていますね。
>ワルダーにポジションだけでなくテーマ曲まで取られてしまった形になりますが、本当にどうしてこうなってしまったのか(笑)
前世では口笛を吹きながら登場した、と聞いてもしや、とは思ったのですが、そのまさかでしたか(笑) 新曲を作る余裕が無かったのでしょうが、使ってしまうスタッフもスタッフで、酷いですよね……(笑)
◆さやまきさん
>副隊長に関しては映画とも関係ないのでもっと根幹となる世界観はしっかり示しておかないといけないのになぁ
>出すならここまでもっと小出しにして副隊長の動機の補強にしなければいけなかったと思いますけど…
メインキャラのアイデンティティに関わる要素ですから、「アメリカ育ち」「両親は学者」といったディテールぐらいちょっと匂わせておけばいいのに、ホントそういう仕込みが無いので、いきなり、1から10まで説明するので唐突感も倍増になってしまってますよね。
>この辺は本当にネクサスの前に映画観といてねって話なんですけど
映画見ていればニヤリ、とか、ほどほど少しずつ情報を補完、とかしておけば悪い印象も薄くなるのに、とにかく時間が来たので全部出す、というパターンが悪循環してますよねー。
>こういう他メディアや設定本で漁ってね的なのってエヴァ前後くらいの流行りっぽいんですけど
凄く、ああ、この時代ぽいな、というのは思いました(笑) 映画もタイトル同一ならまだしも、別タイトルで展開していると、不親切感も上がりますよね。
◆Nさん
>そしてついに、一本筋の通った真っ当に面白い+完成度の高い今回に辿り着いた感動からの大興奮でありました(笑)
各キャラクターがびしっと役割を果たし、劇中の要素もきちっと使い切られて、実に『01』らしからぬ回でしたね(笑)
>しかもここで終わらずに、自身に謝罪した少年たちを"故意に“氷漬けするワルダーという追い討ちっぷり。
これまでどちらかというと、出番を用意しないと行けない悪役(ハカイダー)に振り回されていた今作が、凄く絶妙な悪役(ワルダー)の使い方で、この一連の流れは本当にお見事でしたね。
>いつもなら蒸発するか、なんとなく解決するかにしてしまうゲストエピソードを、
>出来心→悪行→罪悪感→気付き→改心と丁寧に積み重ねて描いていたのが印象良いんですよね。
ここ放り投げないできちっと物語に組み込んでくれたので、エピソードとして綺麗にまとまりましたよね。
>いわば人間の要素を持つ悪の戦士ハカイダーに、人の心を説く役割を与えられたことって納得度は高いんですよね。
卑劣な行動が出来る、というのは、人の心をわかっているからなのだな、というのは私も凄く、ハカイダーの落としどころとして納得でした。真の目的はこの後にあるとはいえ、この役割の逆転はホント面白かったですね。
>ワルダーに人の心を説く役割を担わなければならないはずの正義の戦士イチロー兄さんは、人間的要素を持ち合わせていないので、
>ここに駆けつけることは出来なかった(1度目のワルダーの少年氷漬けに関しては指摘に留まっている)。
凄く成る程だったのですが、イチロー兄さんって、「後は俺に任せろ」は出来るけど、「相手の立場になっての説諭」とは、縁遠いキャラなんですね。人に出来ない事をやる、という意味でのヒーローなのだな、と改めて。手本は手本として、マリにいまいち言葉が響いていないのも、その辺りだなと(笑)
>良心回路を持ちながらもあくまで純粋機械のキカイダー01 ←→人間的要素を持ち合わせたハカイダーの対立構造を鮮明にしていて、
>地に落ちていたハカイダーを最終盤に向けてもう一度キカイダー01 と同じ土俵に引っ張り上げるというミラクル
ワルダーが登場した事によって、今作においてハカイダーが体現する「卑劣」とは何か、というのに焦点が当たる事になり、それってつまり、(イチローと比較可能な)人間の持つ弱さなのでは? というのは今作ならではの切り口になっていて、終盤で巧くまとまってほしい要素です。
>イチロー兄さんの負のキャラクター性を次回以降にも活かして、すっかりフェードアウトした機械としての葛藤とかに繋がってくれたらいいなと思っていますが、
最終的に、そこに突っ込んできたら凄くなりそうですね……そういう点では、マリがうまく、イチローと別の道を見つけてくれると良いのですが。
>その前にまずこの大転換が、一度きりの奇跡でないことを祈ります(笑)
まあここが、強く信頼しきれないところですよね……(笑) ただこのエピソードのお陰で、色々と、作品としての読み込みはしやすくなったなと。第40話もちらほら、繋がりを感じられる要素がありましたし。
◆chi-chanさん
>「幸せ」を感じ過ちの指摘に「後悔」を抱くならそれは既に「心」ではないのか?と言う疑問も感じますけど、
>「感情」と「道徳・倫理」は別という事なのでしょうか。
この辺りは、やや話の都合になっている感じはありますが、ワルダーにとっての「心」とは、「自主的な(倫理的)判断力ないし、その基準」というのが一番近いのかな、という気がします。物事を決める「基準」が無い、というのが、ワルダーの引け目なのかなと。
>漫画版含めるとイチロー兄さんよりジロー中心で書かれることが殆どだからでしょうか?。
他メディア版は全く未見なのでわからない部分が多いですが、ワルダー自体にジローの持っていたテーゼが継承されているので、イチローとジローをしっかり固めると、無理にワルダーに分ける必要がない、というのはやはりあるのかもですね。
>前に別な方がコメントしてましたが、それこそ不思議コメディやメタルヒーローのルーツですよね(笑)。
この「変態」と「怪人」の間の何か、というのは、つくづく発明ですね(笑)