ざっくり『ヴェノム』感想
主人公のやさぐれモード、長すぎ。
社会の闇に切り込む突撃取材で名を馳せるジャーナリストのエディは、製薬業で莫大な利益をあげる一方、裏で非合法な人体実験を繰り返しているという噂の絶えない、ライフ財団代表への取材が行きすぎた結果、職と婚約者を失ってしまう。だが、ライフ財団は実際に人体実験を行っているどころか、独自に宇宙へ飛ばしたロケットで、未知の宇宙生物を回収、それが地球で生存する為の適合者を捜す為に何人もの人間を犠牲にしていた。内部の情報提供者の協力で財団のラボに潜入したエディは、“それ”と出会ってしまう……。
コールタール状の粘液がぐねぐね動いて変形して、盾になったり槍になったり触手のように伸縮したり、とアクション面では凄かったのですが、序盤の展開がのんびりしすぎで、挟み込まれる古典SFホラー調のサスペンス要素も今ひとつ面白く機能せず(オマージュをやりたいだけのオマージュになってしまった感)、そこ半分に圧縮してくれて良かったかなぁと。
個人的な好みからすると、話のテンポが悪く、情報量が少なく、物足りない部分の目立ってしまう映画でした。
アクションも凄い事は凄いのですが、アクションシーンの中に物語が入っていないので、アクションシーンが、〔ただ凄いアクションをしているだけのシーン〕になってしまっており、一連のアクションシーンを通してエディとヴェノムの関係性が深まっているように見えない、のも残念だった部分。
なので、クライマックスのあのシーンとか、本来もっと劇的になっていい筈なのに、なんとなーく流れのままというだけで、勿体ない。
アクションシーンの映像は夢が広がりますし、オチの辺りは嫌いではないのですが、物語としては1クールアニメの3話まで見せられて「ここまでが第1弾!」みたいな内容で、いつものやり口といえばやり口なのですが、出来ればそこまでを前半の1時間に詰め込んで、そこからの後半が見たかったなと。
あと、ヒロインが好きになれない系でだいぶマイナス修正入ったので、若干余計に辛め。