東映特撮に踊らされる駄目人間の日々のよしなし。 はてなダイアリーのサービス終了にともない、引っ越してきました。
旧ダイアリー保管用→ 〔ものかきの倉庫〕
特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)
HP→〔ものかきの荒野〕   Twitter→〔Twitter/gms02〕

白い翼は地球の願い 宇宙の平和を守る鳥

電撃戦隊チェンジマン』感想・第13話

◆第13話「地球を売るパパ」◆ (監督:長石多可男 脚本:曽田博久)
 衣替えにて、飛竜、ようやく赤くなる。
 ――母なる地球を守る為、大星団ゴズマと日夜死闘を繰り広げる電撃戦隊チェンジマン。だが地球人の中にも、己の欲望の為にゴズマと手を結ぼうとする裏切り者が居るのであった! その名を、「狂気の科学者」(とナレーションが言った)熊沢博士!
 ギルーク司令は、住人全てが天才的な頭脳を持つテクノ惑星リゲルの少女ナナを誘拐するとナナの父親と瓜二つの熊沢博士に預け、スタミナ不足の巨大化担当ギョダーイの体質を強化し、ビッグバンビームを連続発射できるよう強化を施させるように命じる。
 「この子の父親に成り代わり、この子の頭脳を利用するのだ」
 「素晴らしい! 私はこの日の為に、全てを投げ打ってきたのだ。地球の支配者となるためなら、なんでもやるぞぉぉ!」
 「その調子だ。今からこの娘の父親は、おまえだ!」
 熊沢・ゴズマ同盟は、ナナを騙す為に惑星リゲルの環境を再現し、やたらめったら回りくどい作戦なのですが、一つわかる事は、ゴズマは天才惑星を征服できていないという事実です(笑)
 地球の支配者を目指す熊沢が首尾良くナナの父親を演じてギョダーイ強化をそそのかす一方、エネルギー盗難事件を調査していたチェンジマンは、宇宙獣士バラスと遭遇。あらゆるエネルギーを吸収し、光線として放つバラスと一当たりし、お互い撤収。
 ナレーション「だが、宇宙獣士バラスは、密かに、ヘリチェンジャー2が見張っていた事には、気付かなかった」
 も何も、現場に駆けつけた時点でチェンジマンが4人(5人揃わないとチェンジマンはフルパワーを発揮できないと言及あり)の時点で、敵を尾行する前提の戦術というのが凄くチェンジマンです。
 実質的に4人が囮になっており、約1名、黒いのがフェニックスズーカ返しで死にかけたりしましたが、子供を傷つけた事を反省はしても、侵略者殲滅の為の戦術は揺るぎない電撃戦隊チェンジマン
 昔の偉い人も言いました。
 それはそれ! これはこれ!
 なのです。
 空からの追跡により5人が辿り着いたのは、熊沢科学研究所。
 「その男優秀な科学者だったが、エイリアンと連絡を取ることに夢中になってしまった変わり者だ」
 伊吹長官にだけは、言われたくない。
 チェンジマンは、伊吹長官の「怪しいぞ、その研究所は」という言葉を後ろ盾に、とりあえず話を聞いてみる、などというまだるっこしい事抜きで不法、ではなく、電撃戦隊にはしかるべき事由があれば特別臨検を執行する権限があるので合法です、合法ですよ、と奇妙な三角形の通路が続く熊沢科学研究所の中に入り込む。
 手分けして内部を探る内、謎の空間に引きずり込まれた飛竜は、三角錐のひしめく荒野で、ゴズマ兵と少女が楽しく遊んでいる光景を目撃。天才少女一人の頭脳を利用する為に遠征軍総出で懐柔策を執り行うゴズマサラリーマンズの姿が涙ぐましいですが、その甲斐あって、ナナはエネルギー転換フード装置を完成させる。
 それをバラスに装備させる事により、バラスが集めたエネルギーをサプリメントに変え、ギョダーイに投与するのだ!
 ゴズマの作戦を察知する飛竜だが、ボディガードのブーバまで姿を見せるVIP待遇に阻まれ、父と信じる熊沢の言うがまま、ペンダントからジーニアスビームを放つ少女に追い詰められ、崖から転落。
 だが、もはや高所落下のプロフェッショナルと云って過言ではない剣飛竜は、ただでは転がり落ちはしない。
 滑落した飛竜がぶつかった衝撃により、崖下に設置されたフィールド発生装置が壊れて大爆発が起こり、リゲルを偽装していた空間が消滅。地球の青い空を目にしたナナは自分が母星が居ない事に気付き、ドサクサの中で復帰した飛竜は、エネルギー転換フード装置を破壊し、チェンジマン合流。
 だが宇宙獣士バラスはパワーバズーカの一撃さえ吸収・減殺してみせ、割と大艦巨砲に頼る傾向のあるチェンジマンは狼狽。だがその時、サプリメントの効きすぎで暴走したギョダーイが起き上がるとビッグバンビームを放ち、ブーバとバラスが慌ててかわすコミカルな一幕の後、ビームの当たったトカゲが巨大化する。
 双方が混乱に陥る中でゴズマは撤退し、チェンジマンはとりあえずチェンジロボを繰り出すと、一発張り倒していきなりのサンダーボルトで一刀両断し、結局、トカゲはトカゲなのであった(笑)
 「ゴズマの手から、ナナちゃんを守ろう!」
 果たして、ナナはどこに消えてしまったのか、そして、ゴズマのビッグバンアニマル大作戦は、たとえ決行できても本当に地球を征服する事が出来るのか?! 両陣営が鍵を握る天才少女を捜し回り、つづく。
 初の前後編となりましたが、ギョダーイの弱点を改善する、というアイデアは面白い一方で、「狂気の科学者」熊沢の何が狂気なのか、掘り下げがまるで足りなかったのは残念。ナチュラルに狂気の科学者が蔓延る東映ヒーロー世界では、これではただのガッツポーズおじさんであり、予告とサブタイトルからそのマッドぶりに期待していただけに肩すかし。エピソードの主眼はそこにはなくて、「地球の支配者になる為に人類を裏切る男」は「狂気」という程度の事なのかもしれませんが、出来れば次回、うわ本当に狂ってる! という姿を見せてほしいです。
 次回――ええっ?! 次回もトカゲなの?!